Japanese
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上野啓示、成瀬篤志のふたりに、the pillowsのサポートも努める鈴木 淳、そして元くるりの森 信行を加えた4人体制が定着したからだろう、カミナリグモの音楽性は、年々、その肉体感を増している。90年代USインディーの雄・GRANDADDYを思わせる叙情的な鍵盤の響きと、骨太なバンド・サウンド。ギターのざらついた質感を残し、時にチープでローファイなアレンジを意図的に加えるなど、今のカミナリグモの音楽は、どこか掴みどころのない柔らかな質感を全体的に宿していた初期とは違い、生々しさや臨場感を聴き手にダイレクトに与えるものへと進化している。メジャー3作目となる本作は、その変化に更なる磨きがかかった上に、表情豊かなそれぞれの楽曲の描く物語も楽しめる、作品性の高いアルバムに仕上がっている。(天野 史彬)