DISC REVIEW
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METZ
Metz
西村賢太の『苦役列車』を読んだ時、"この感じ、久しぶりだな"と思った。自堕落な主人公と、自堕落な生活。悪意と自嘲。正論より本音を描かんとする覚悟と優しさ。私小説。学生時代に読んでいた太宰や安吾を思い出したりもした。で、このSUB POPのニュー・カマー、METZの1stアルバムを初めて聴いた時の感覚は、そんな『苦役列車』の後読感に近かった。暴力的にノイジーなギター。硬質なビート。喉から血が出そうなほどの咆哮。「Headache」や「Negative Space」といった曲名から感じ取れる内省的な世界観。グランジ。かつてのNIRVANAがそうであったような、本音で世界と渡り合おうとする、あまりに愚かで愛おしい衝動がここにはある。"正しい音"はいらない。"本当の音"を鳴らす新世代グランジの傑作。
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