Japanese
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“思い出してごらん。真夜中の子供部屋にはピーターパンがやってくると夢見ていた頃、妖精の埃を一振りすれば空を飛べると信じていた頃を”――この作品はそう語っているようだ。子供部屋を卒業したくないウェンディ、大人になりたくない少女は、永遠の子供ピーターとネバーランドへ飛んで行ったんだ――。your gold,my pinkが作り上げた、甘酸っぱくもナイーヴなファースト・ストーリー『TEENAGE RIOT』。少年少女が大人へと成長してゆく中で、最も美しかった瞬間。それは少女の頃に終わりがあるのだと知り、絶望する時である。例えば、映画『ヴァージン・スーサイズ』で描かれた少女たちだけの秘めたる聖域も、やがて全て失われ消えていくように。少女はそれを拒むだろう。だが皮肉にも、覚醒を自覚してしまった瞬間こそが最も美しい。(島根 希実)
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Skream! 2024年09月号