DISC REVIEW
Japanese
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踊ってばかりの国
世界が見たい
我が子を抱いた悪魔は、一切の淀みのない生命体の存在を、無償の愛情というものを知ってしまった。――実生活で父親となった下津光史(Vo&Gt)。それが結果として彼独自の死生観のバランスを崩壊させたのかもしれない。これこそある種の境地というべきか。"死ありき"の世界を歌っていたこのバンドが辿り着いたのは、朽ちていくばかりの世界ではなく、"死ぬ"からこそ"生きている"のだという、痛々しいほどの"生"の美しさ。更にポップに、だが胸に詰まるメロディに乗せ、彼はこう歌う、"また笑って会いましょう 生きてたら""言葉も出ないだろう 死ぬんだから"。生の喜びと死の刹那とが共存し、生と死が同じだけ活き活きと輝く、生死すら曖昧な者にしか辿り着けなかったであろう、ぎりぎりの世界だ。踊ってばかりの国は、遂に此処まで辿りついてしまった。
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