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昨年1月の突然の活動休止から389日、静かに復活を遂げたVENI VIDI VICIOUS。復活後1作目となる本作は、過去2作と比べると、そのジャケットのごとく全体的に暗く煙ったい。だがこの煙は、ただただぼんやりと漂っているようでありながら、気付けばこの身にまとわりついて離れない。暴力や酒が飛び交う喧騒の真ん中で、それを斜に構えて見ているような、野暮ったい悲恋を描いたジム・ジャームッシュのような、ひどく寂しい映画の如く、どこか虚しくも愛おしさが募ってしまう世界のより深くまで誘われ、気付けばその深みにはまっている。“いつだって世界は嘘にまみれる”“願わない 信じない そうやって生きてきた”…言葉を拾おうとしたらきりがないほどに、切れ味鋭くも脆く不安定な刹那がいくつも詰まっている。(島根 希実)
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Skream! 2024年09月号