Japanese
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爽やか、かつハイテンポにアルバムの幕を開ける「夏の光」から、なんていう気持ちよさ......(恍惚)。自身8作目のアルバムは、"キリンジ節" と言っても良いメロディの魅力を全面的に展開。かつ、キリンジ作品史上でも一、二を争いそうな音作りの多彩さにも注目だ。口笛、ギター、鍵盤のアンサンブルから、三拍子への一瞬の変化がリズムにアクセントをつけ......。さらに、エコーするスティールパンにハミングとバンド・サウンドが加わる7分45秒の大作、「セレーナのセレナーデ」。1曲の中にどれだけたくさんの要素を織り込むんだと、感心しきり(笑)。1曲だけでもこうなのだから、アルバム全体にもどれだけ多くの仕掛けが施されているかは言わずもがな。心地よくも奥深いキリンジ・ポップス、超充実の仕上がりです!(道明 利友)