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TVアニメ"魔王学院の不適合者 Ⅱ ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~"2ndクールOPタイアップ曲「魔王」はストリングスがヒリヒリとした世界観を演出するナンバー。同アニメ出演の声優、東山奈央が参加ということだが、その美声が熊谷和海(Gt/Vo)の歌声とハーモニーを奏でるだけでなく、2番で怒濤の英語ラップで攻めまくる展開には驚き。表題のもう1曲「Amateras」はNHK"「アニ×パラ」パラアーチェリー編"テーマ曲で、「魔王」とはまたまったく違った、パラリンピックをテーマに逆境や立ちはだかる壁にも負けじと戦う強い想いを後押しするような応援歌で、これまでも様々にアニメ・タイアップを描き抜いてきたバーンアウトならではの振り幅のあるWタイアップ・シングルになった。
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様々な音色を楽曲の舞台装置のように配色し多彩な音楽を鳴らすBURNOUT SYNDROMESの感性と遊び心が全開放されたアルバム。前作から2年半の間に手掛けた"Dr.STONE"、"ハイキュー‼"、"ましろのおと"といった各アニメ主題歌を収録するなど、デビュー5周年らしいトピックスが満載な1枚だが、同時にアルバム作品としてひもといたときに放つメッセージは痛烈だ。自分を信じる生き方の大切さを暴く「ロザリオをはずして」やお金に支配される人間の欲望を描いた「邪教・拝金教」といったダーティな曲で愛しくも愚かな人間の姿を描きながら、「模範囚」の美しいサウンドスケープの中では生きる意味を切々と歌う。果たして世界はクソまみれなのか、私たちが生きるに値するものなのか。愛は勝つのか。彼らが全14曲で問いかける。
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メジャー・デビュー曲となった「FLY HIGH!!」から、最新の「PHOENIX」まで人気アニメのテーマ曲に起用された5曲や、アニメやゲームなどをオマージュし制作した7曲を収録した、バンド初のベスト・アルバム。ソングライターの熊谷和海(Gt/Vo)は自ら、生き方が漫画の主人公のようだと語り、困難や難題を乗り越えるように曲を形にし、あるいは錬金術師のように音楽ではあまり使わないような音をも楽しげに盛り込みながら、キャッチーなロック・サウンドを生み出す。静かに闘志を燃やして"なぜ"や"どうして"を探求し、実験精神たっぷりにその答えを探っていく。そんなワクワクするアプローチは、アニメにも親和性が高く、またキャッチーに聴き手の心を捉える歌やサウンドとなっていくんだろう。
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2020年第1弾シングルにして、バンドにとって3期目のTVアニメ"ハイキュー!!"OP曲「PHOENIX」。これまでの「FLY HIGH!!」や「ヒカリアレ」は、アニメの登場人物やリスナーの背中を押すような疾走感のある曲だが、今回は闘いに臨む、その瞬間の心地よい緊張感や血が身体中を駆け巡っていくような躍動感を、ビートに写したダンサブルな曲だ。跳ねたリズムとメロディ、コーラスによる高揚感で"さあ/暴れな"と馬力を最大限に上げる。c/w「BREAK DANCER」は熊谷和海(Gt/Vo)がすべてを手掛ける、歌謡性の高いメロとオリエンタルな雰囲気も、エッジのあるギター・ロックもぶち込んで、シャッフルしたエレクトロ。王道と実験とで振り切って遊ぶバンドの姿が見える。
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創造/想像性に溢れた壮大な音楽の旅をパッケージしたアルバム『明星』に続くシングルは、これもまた才気煥発と言うに相応しいロック・チューンとなった。TVアニメ"Dr.STONE"のOP曲として書き下ろした表題曲は、原作の奇想天外でスケールの大きな世界観やテーマ性、人間の計り知れない可能性をサウンドや歌詞に織り込み、且つ迸るエネルギーをアンセムに変え、キャッチーな曲に仕立てている。c/w「Ms.Thunderbolt」も独自性に飛んでいて、恋に落ちた瞬間を神の啓示の如く荘厳なドラマとして書き上げた。ある種大げさで神話的な内容と、エレクトロと生の楽器(特にギター)が盛大にぶつかり合って渦と化しているパワーに気圧される。このシアトリカルな2曲は、彼らにしかできないもの。
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メジャー3rdアルバムである本作は、プロローグおよびエピローグ的な役割のTrack.1とTrack.10が伝えるとおり、とある惑星の孤独なソングライターが、宇宙のどこかのまだ見ぬ誰かに宛てた作品という設定。様々なジャンルを行き来し、ギター、ベース、ドラム以外の楽器をも堂々と従えるバンド・サウンドが教えてくれるのは、光と影の共存するこの世界を今よりちょっぴり楽しく捉えるための方法だ。紙の上から遥かなる冒険へ飛び立つことのできる文学と同様、想像力を翼に、3ピースで壮大な景色を描いてみせるのがBURNOUT SYNDROMESなのだと、フル・アルバムが発表されるたびに思わせられる。絵空事を描くでも理想論を語るでもないやり方で、彼らは夢を見せてくれるのだ。
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メジャー1stフル・アルバム『檸檬』を踏襲し、今回も1曲目「ヨロコビノウタ」でクラシックのモチーフを使うなど、ファンへのプレゼント的な要素も大事にしながらさらに間口を広げ、多彩なサウンドスケープでバンドの進化を響かせる1枚。ソングライター 熊谷和海(Gt/Vo)の脳内迷路に分け入っていく前作での面白さとはまた違い、今回は曲ごとの物語や景色が鮮やか。クラシック・ギターを爪弾くフォーキーな曲、パワフルなブラスとサーフ・サウンドとラップのトゥーマッチ感に心踊る曲、8ビット感のあるパンキッシュな曲から、BURNOUT SYNDROMESならではの和の叙情性で飲み込んでいく曲など、大きくシーンが移り変わるように展開する。サウンド面にこだわり抜いたゆえの、勢いよく耳を駆け抜ける爽快感がある作品だ。
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3ピースのロック・バンドとして、どんなことができるか。それを馬力のあるサウンドで勢いよく爆発させるだけでなく、想像力を膨らませて、頭の中で鳴っている音をなんとか実現しようと手を尽くす。BURNOUT SYNDROMESの音楽はそんなロマンに満ちている。デビュー・シングル『FLY HIGH!!』を聴いた人は、青春期の葛藤を走り抜けて振り切っていく青春ギター・ロックを感じたかもしれないし、続く『ヒカリアレ』でアンセムとしての力を感じたかもしれない。待望のアルバムは、その王道感を踏まえ、ビッグバンを起こしている。脳内を覗きたくなる才気煥発ぶりで、何の変哲もない資材を使っても、とてつもない家や城が建っていくような多彩な曲が並び、スケールの大きさとディテールの細かさに圧倒される。
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デビュー・シングル表題曲「FLY HIGH!!」に続いて、今回の「ヒカリアレ」が人気アニメ"ハイキュー!!"のオープニング曲に2クール連続で抜擢された。3ピース編成で、歌を真ん中に据えたバンド・サウンドながら、壮大なクラシックを思わせるドラマを生み出していくBURNOUT SYNDROMES。この「ヒカリアレ」は、その彼らの最大の武器をふるった曲となった。アンセム感のあるコーラス、上昇していく力強いメロディ、疾走感のあるビートとメロディを支え並走するベース、華やかなフレーズを操り歌を引っ張るギター。すべてが主張しあって、絡み合う、その高揚感にグッとくる。ギターを主体としたロック・バンドとしての意地やプライドをも感じるだけに、来るアルバムが楽しみだ。
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昨年、いしわたり淳治プロデュースによる2ndアルバム『文學少女』をリリースした、大阪出身のBURNOUT SYNDROMESが、シングル『FLY HIGH!!』でメジャー・デビューする。表題曲は、TVアニメ"ハイキュー!! セカンドシーズン"のオープニング・テーマとしてオンエア中だが、和の情緒やフォークの香りも漂わせたメロディは、さらに熱くなり、キャッチーさが強化された。親しみやすさは抜群だ。メロディを磨きつつも、ひと癖ある濃いアレンジやプログレ風に多彩に展開するサウンドの面白さも譲らずにあり、3人の心意気を感じる曲になった。カップリングには、ライヴ映えのするエネルギッシュな「エアギターガール」と、アコースティック・ギターを爪弾き、弦をスライドする生々しい音も封じ込めた美しい「サクラカノン」を収録。
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タイトル曲「文學少女」は、ソングライター熊谷のルーツが表れた曲。さまざまな小説をモチーフにしながら、君と僕との物語を紡ぐ1曲だ。かと思うと、母となった心の機微を綴った「こどものじかん」や、祖母が孫へと伝える切なる思いを描いた「ザ・ワールド・イズ・マイン」、高揚感のあるアンセム曲となったラヴ・ソング「100万回のアイ・ラヴ・ユー」など、8曲それぞれの物語がある、短編集のようなアルバムだ。3ピースながら、細やかな色彩感を伝えるギターがあり、メロディアスなベースがあり、シーンの移り変わりとともにリズムが変わる構築的なサウンドは、ここにあるストーリーをいかに伝えるか考えられたものになっている。主人公の背景や、複雑怪奇な心情をすっと汲み取ることができるのは、音楽ならではだなと改めて感じる1作だ。
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大阪出身3ピース・バンドの初の全国流通盤となる1stアルバム。13歳からバンドを始め来年で早くも10周年を迎えるという彼らだが、決して早熟なわけではなく中学から仲間と1番楽しいことをしていたらこうなった、というバンドマンとして最も幸福な道程を歩んできているような気がする。全曲の作詞・作曲を手掛ける熊谷和海(Gt/Vo)が歌う内容はひたすら心の襞を描くような個人的なものだが、それを完全に理解・共有している石川大裕(Ba/Cho)廣瀬拓哉(Dr/Cho)と一体になることで観客が涙を流すほどの共鳴を生んでいるのだろう。Track.8「東名高速道路清水JCTを時速二〇〇キロメートル超で駆け抜けるのさ」は、まるでこのアルバムですべて終わってもいいというくらいに魂を削るような歌が胸に迫る。
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始動から1年半をかけて放つ初のアルバムは、いい意味で期待を裏切る音楽性の幅の広さと、音楽的な懐の深さを1枚に凝縮した作品に仕上がった。王道ロックを突き詰めた「迷星叫」から始まり、痛快なパンク調の「壱雫空」、疾走感溢れる「碧天伴走」、ダンサブルな「影色舞」、洋楽ポップ・パンクを彷彿とさせる「歌いましょう鳴らしましょう」など、1曲ごとにキャッチフレーズをつけられるぐらい音楽的テーマが明確に感じられ、初のアルバムとは思えないレベルで楽曲が個々に光を放っている。アニメ放映が終わり、その締めくくりとして本作が提示されたことは、終わりを意味するわけではなく、バンドの始まりの物語とこれから始まる快進撃の"狼煙"として受け止めるべき出来事となる。
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Poppin'Partyのニュー・ミニ・アルバムには、"青春"がキーワードとして据えられているように思える。"永遠の青春"をテーマとした表題曲「青春 To Be Continued」ほか、ポピパの代名詞とも言えるキラキラしたポップ・ソングの数々は、青春というテーマと抜群の相性を感じさせた。そんな本作にはHoneyWorks書き下ろしのポピパなりの応援歌「最強☆ソング」や、新生活を迎えるワクワクドキドキした感情を表現する楽曲「RiNG A BELL」など、聴き手の青春をフラッシュバックさせるような楽曲が揃っている。それは青春真っ最中の誰かにも、過ぎ去りし青春の輝きを求める誰かにも、理想に描いた青春を過ごせず今なお取り返そうとしている誰かにも、きっと光を与えてくれるだろう。
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"BanG Dream!(バンドリ!)"プロジェクト発、昨年始動したばかりの新バンド"MyGO!!!!!"が早くも2ndシングルをリリース。表題曲の「音一会」は、疾走感のあるツービートに乗せたメロディアスなギター・フレーズが印象的なロック・チューンだ。"独りきりで泣いてたあの夜も/きっと今日の僕に続いてたんだ"と過去の自分と向き合いながら"君が いたから/「ありがとう」"と感謝の気持ちを込めた歌詞や、迷いもそのまま抱えて未来へと進もうとする姿には共感する人も多いのではないだろうか。続く「潜在表明」ではポエトリー・リーディングによって紡がれる言葉と、サビで一気に明るくなる音の開放感に心が揺さぶられ、3曲目の「影色舞」は四つ打ちが心地よいダンサブルなナンバーで、ライヴでのキラーチューンになること間違いなし。
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"BanG Dream!(バンドリ!)"プロジェクトから生まれた、"現実(リアル)"と"仮想(キャラクター)"が同期する新バンド、MyGO!!!!!(読み:マイゴ)の1stシングル。初のオリジナル曲である表題曲は、ストレートなロック・ナンバーに仕上がっていて、そこへヴォーカルの燈が乗せるのは"孤独"や"迷い"の感情だ。現実世界のどこにでもいそうな"独り"の人間をイメージさせる歌詞は、この時代を生きる人にとって共感性が高いだろう。カップリングの「名無声」は、MyGO!!!!!の世界観に共感した人の背中を優しく押すような1曲。メンバーのコーラスも聴き手の心を鼓舞させるのに一役買っている。まだまだ謎の多いバンドなので、今後の展開が楽しみ。
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ポピパらしいきらめきを放つ全5曲が収録されたミニ・アルバム。スマートフォン向けゲーム"バンドリ! ガールズバンドパーティ!"のPoppin'Partyバンド・ストーリー3章に合わせて書き下ろされた表題曲は、音楽の力や夢を信じる想い、大切な人への気持ちをまっすぐに届ける楽曲で、"一秒で繋がるよ Distance"といった今の時代に当てはまる、希望に溢れた言葉にも勇気を貰える。何かが始まりそうなポジティヴなパワーが漲る"バンドリ! ガールズバンドパーティ! for Nintendo Switch"の主題歌「キミが始まる!」、かっこいいポピパを堪能できるエモーショナルなバンド・サウンドの「Moonlight Walk」など、多彩な収録曲で聴く者を魅了する1枚。
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Poppin'Partyの2ndアルバムは、颯爽と駆け抜けるようなオープニング・トラック「Breakthrough!」で開幕。「ミライトレイン」をはじめとした彼女たちらしいキラキラ眩しい印象はそのままに、普段とは違う大人びた表情で魅せる「Hello! Wink!」や、白雪の舞い降りる美しい情景が浮かぶ「White Afternoon」など、彼女たちの世界観の広がりも感じさせた。「キズナミュージック♪」から「イニシャル」までのシングル表題曲、SILENT SIRENとのコラボでも話題になった「NO GIRL NO CRY/Poppin'Party Ver.」といった、ファンにとっては馴染み深い曲も収録。Poppin'Partyの改めての入り口としてもオススメしたい1枚。
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メディア・ミックス・プロジェクト"BanG Dream!(バンドリ!)"発のリアル・バンド、"ポピパ"ことPoppin'Partyの12thシングル。表題曲「キズナミュージック♪」は、タイトルどおりバンドの絆を歌った曲で、センチメンタルなBメロと、とびっきりキラキラしてエモーショナルなサビとのコントラストが印象的なナンバーだ。この曲は、2019年1月より放送がスタートするTVアニメ"BanG Dream! 2nd Season"のOPテーマで、生産限定盤に付属するBlu-rayにはアニメのOP映像のノンクレジットVer.を収録。放送開始よりひと足先に、アニメの映像を楽曲とともに楽しむことができる。幸福感に包まれるようなサウンドの中でポピパらしい詞世界が繰り広げられるc/wの「Home Street」も心地よい。
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前作『ハリネズミズム』と一対のミニ・アルバムとなる今作。オープニングを飾る「3minutes」はこの時代ならではな"三密"をテーマにしており、どんな状況でもプラスに転換して音楽を続けていく確固たる意志を感じる。バンド結成10周年を迎えた2020年はライヴが思うようにできない歯痒さがあったと思うが、それをサウンドで跳ね返すようなキュウソ節が鳴り響く。また、情報が溢れるインターネット社会に喝を入れる、オカザワ カズマ(Gt)プロデュースの「囚」や、センチメンタルなメロディが印象的なカワクボ タクロウ(Ba)作詞/プロデュースのミドル・ナンバー「薄皮」も収録。"挑戦"と"実験"を絶やさず、バンドのスケールを拡大させ続ける彼らに2021年も期待をせずにはいられない。
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結成10周年&ねずみ年という、キュウソにとってWメモリアル・イヤーの幕開けとなる1枚が到着した。今作には新曲に加え、現在は手に入らない1stデモ収録のレアな2曲の再録版も収録。"10年経っても世界は継続"(「適当には生きていけない」)という言葉の重みが増しているものの、スピリットは当時のままであることを示している。そしてリード曲「冷めない夢」からは、彼らにとっての冷めない夢が"キュウソネコカミ"なのだろうと実感。この曲をラストに置くことは、どうしても周囲と比べてしまいがちなSNS世代の心を震わせることに奏功するだろう。今年は"SXSW"出演も発表されているが、ジャケットのハリネズミのように、バチバチと火花を散らし、アメリカでの刺激と戦う姿が目に浮かぶ。
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愚直に自らを振り返り、キュウソというバンドの生き様を曝け出した前シングルの2曲や、"クボタ LOVE米プロジェクト"への書き下ろし曲「米米米米」を含む新アルバム。お馴染みの"こういう人いるよね"とディスを吐くナンバーもあるが、変拍子も挟むスタイリッシュな音像の「遊泳」、青春パンク感のある「真面目に」などは、サウンド面ではキーボードの使い方がこれまでとは違って新鮮でありつつ、歌詞の方はヤマサキセイヤ(Vo/Gt)個人の心の内を映す叫びにも聴こえて、より血が滾った要素が増えていると感じた。その流れを汲むと「推しのいる生活」も"推される"側のバンドマンからのメッセージにも聴こえてくる。リアリティの路線が少しずつ変わってきている過渡期の作品ではないだろうか。
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新曲発表のたびに、今回は世の中のどこに焦点を当てて噛みつくのだろう、と思うのもキュウソの魅力のひとつだが、この新作はこれまでとはひと味違う一面が窺えるものだった。アニメ"メジャーセカンド"OP曲の「越えていけ」は、世の中に噛みつくのではなく、自分自身と戦い今の自分を"越えていこう"という、かつてないほどにシンプルな応援歌。そして「The band」では、"楽しさだけ"を求められることが多いキュウソというロック・バンドの生き様をその鋭い目線から描いている。過去最高にストレートにバンドの苦悩や本当にやりたいことを曝け出すからこそ、真に迫る凄まじさがそこにある。5人と"リアルタイムで出会えた"からこそ、彼らの音楽に笑った人は今こそ共に"楽しい"の先へ行くときだ。
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すっかり邦ロック・シーンに欠かせない存在となったキュウソの新作。これまで数々のエッジーでダンサブルな楽曲に不平不満を乗せてボヤき散らしてきた彼らだが、まだまだ言いたいことは収まらず、今作では"詐欺写真"、"メンヘラ"、"おじさん好き女子"などに現実を突きつける。そんななか、ぽつりと収録されていた「TOSHI-LOWさん」には笑ってしまった(もちろんあの"鬼"への愛が込められた楽曲)。だが、ただ現代を俯瞰的に面白おかしく皮肉るだけではなく、「5RATS」、「わかってんだよ」では彼らの中に今沸々と湧く闘争心や野心をむき出しにする。結成から8年、"バズらせ系バンド"先駆者として邦ロック界における確固たる地位を築いてきたと言えるキュウソ。5人が目指す、さらなる高みに期待。
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"2ndフル・アルバム『大事なお知らせ』をブラッシュアップさせたもの"というコンセプトで作られた今作は、この3年でバンドがスキル・アップし、許容範囲が拡大したことを感じさせる。エッジーなギターとシンセが疾走する"THEキュウソ"な楽曲はもちろん、キュートで人懐っこいリフも印象的な「NEKOSAMA」、ピアノの音色とエフェクティヴなギターが和メロを引き立てる「春になっても」など、フル・アルバムだからこそ収録できる楽曲の存在は作中で大きなアクセントだ。歌詞も単なるディスではなく、成長や味わいを感じさせるものが多いが、「ヤブ医者」は"うるせぇバーカ!!"と初期のように全力で不平不満をまき散らす。今も過去も全部詰めこんだエネルギッシュな作品、非常に痛快だ。
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今年1月24日のライヴを早くも映像化。成長期真っ盛りなバンドの記録をリアルタイムなものにするために極短スパンでリリースする必要があったのだろう。この作品は言うなれば成長痛の記録だ。フロアの人波に揉まれるスタッフ目線やクレーン・カメラによるカットなど、20台超のカメラによる映像は会場の熱狂をダイナミックに映し出すと同時に、葛藤の最中でもがくバンドの姿をも浮き彫りにした。"楽しみながら多くの人を巻き込んでいきたい""でもファン全員に楽しんでもらうためにはやりたい放題では済まない"――つんざくような葛藤の中から手を伸ばし、キュウソは如何にして歓喜を掴んでいくのか。どんなエンターテインメントを描いていくのか。泣き笑いに満ちた過程の熱さがヒシヒシと伝わってくる。
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前作『10代で出したかった』が一部のインディー・ロック好きの間で話題になり、最近ではライヴの動員も急上昇中。共感できるような気もするし、そんなこともないような、知らんがなとツッコミたくなるような歌詞とやたらとキャッチーなダンス・ロック、衝撃的なライヴ・パフォーマンスで今やネクスト・ブレイカーの一角に挙げられることも多い彼らの2ndアルバム。前作から曲の構成力は格段に増し、各パートの輪郭が顕著になり、メリハリのついたサウンドに悔しいけど体が揺れる。ツイン・ヴォーカルの必然性も一段と増し、しっかりとキャラクター分けができており、お互いが曲のアクセントとなっている。もっと、見るからにストイックに魂を削ってます感溢れるバンドが売れるシーンが望ましいのかもしれないが仕方ない、彼らは面白い。
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約束しよう、この音源を聴き終え、特に予定も無く街を歩いている時にふと"ヤーンキーこーわいー"と口ずさんでしまう事を。日本のインディー・ロック・シーンにありがちなダンス・ロック・サウンドと彼らは全く違う、彼らは段違いに"面白い"。コミカルな詞の世界観、凄まじい熱量でそれを体現するライヴ・パフォーマンス、そしてMC、全てが1つのエンターテイメントとなって笑えるのは間違いないのだが、彼らは決してコミック・バンドに収まらない音楽的IQの高さを持っている。全てが計算なのか偶然の産物なのかは正直わからない。しかし多様な音楽を吸収するというよりは貪り食っているかの如く超展開していく彼らの音が非凡であるという事は、このアルバムを聴いていただければ伝わるはずだ。
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その類まれなセンスに磨きがかかったヤバT渾身の1枚が到着。モチーフにしたであろうバンドが浮かぶ"バンドあるある"的なコード、曲構成、展開が散りばめられ、思わずクスっと笑ってしまうが、クオリティの高さやメロディの良さ、そして時代を反映した深い歌詞に、ただのおふざけで終わらない絶妙なバランス感覚が光る。中でも特筆したいのは、正体を隠し別名義で配信していた「dabscription」。流行りのメロウ・チューンに乗せてこっそり毒を吐きながらも、後半にはロック・バンドの悲痛な叫びと覚悟が。BGMとして消費されがちなチル系プレイリストに紛れ込みリスナーの度肝を抜いてほしい名曲だ。パンクからシティ・ポップ、教育番組風のピアノ曲、初挑戦の合唱曲、さらには岡崎体育とのコラボ曲まで、とにかくバラエティ豊かな力作揃い。
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ヤバT初の夏ソング「ちらばれ!サマーピーポー」をリード曲とした本作。どこか耳なじみのあるこのタイトルからしてヤバT節が炸裂しているが、やはり彼らに"アンチ陽キャ"ソングを作らせたら天下一品だ。夏に浮かれる人々を斜に見る歌詞もその語感の良さでポップに昇華され、シンセサイザーやブラスを取り入れたアレンジにより、歌詞とは裏腹な夏全開のアッパー・チューンに仕上がっているのが面白い。加えて、"たしかに"と唸ってしまうバンドマンあるあるから派生した「まじで2分で作った曲」や、"コンプラギリギリ"な遊びを題材にした「コンプライアンス」、まさにタイトル通りの誰もが歌える1曲「もももで歌うよどこまでも」、そして岡崎体育によるリード曲のリミックスを収録。朋友同士のおふざけ感満載なコラボにも注目だ。
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新曲を耳にすると、"こんな曲名を付けるのはあとにも先にもヤバTしかいない"と思うのはもはや毎度のことだが、"くそ現代っ子ごみかす20代"はさすがに衝撃を受けた。自身だけでなくファンのメイン層も含む20代というあまりにも大きな対象を、"ごみかす"と称するのはいかがなものかとも思うが、いざ聴いてみるとそんな自虐も一転、今の時代にマッチした自己肯定ソングとなっているんだから、本当に彼らには何度も驚かされる。また、初のドラマ主題歌でもある「Bluetooth Love」は得意のメロコア・サウンドで魅せつつも、主人公の名前をちゃっかり歌詞に交える遊び心も忘れていない。加えて2021年はうるう年ではないのに、いや、だからこそ「2月29日」を歌うのもヤバTらしい。
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挫折しても諦めない心が大事だと歌うモチーフに珪藻土マットを用いるソングライターは、世界中探してもきっとこやまたくや(Gt/Vo)しかいない。"さすがにふざけすぎでは!?"と思う歌詞が頻発しながらも、良質なメロディや堂々たるメロコアの音圧、時に哀愁を孕んだラップも飛び出すハイブリッド&ハイクオリティな楽曲の前では、もう大人しく笑わされるのがいい。それでいて、"とにかくみんな生きてほしい"という想いをストレートに歌った「寿命で死ぬまで」では、バンドの芯にある良識もきちんと窺え、彼らがお茶の間をも席巻している理由がわかる。手を替え品を替え、絶えずリスナーの予想の斜め上を急角度で突き抜け、否応なしに楽しませる。唯一無二のヤバT節が隅から隅まで行きわたった13曲。
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全5曲を収録した盛りだくさんの9thシングル。ヘヴィに幕を開けつつポップなサビへとなだれ込む「泡 Our Music」は、シャンプーのCMソング。華麗にタイアップを乗りこなすスキルが大いに発揮されている。もちろん、聴きどころは1曲目だけではない。2曲目で曲名に取り上げられているのは"創英角ポップ体"......なんのこっちゃ? と思う人も多いかもしれないが、フォントの名前である。聴けば聴くほど、このフォントの絶妙な親しみやすさとおしゃれさを表現した楽曲だと思わずにはいられない......が、なぜこのことを歌ったのか? まぁ、そのナンセンス感も含めてヤバTらしさ満点だ。そして、関西のローカル番組"ちちんぷいぷい"の20周年記念ソング「はたちのうた」も勢いが漲っている。
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NHKとのコラボレーションなどで世間を驚かせ、完全にお茶の間の人気者となりつつあるヤバイTシャツ屋さんの、自主制作盤から数え通算6枚目のシングル。今回もジャケットには3人のタンクトップくんが登場し、新曲3曲と岡崎体育によるTrack.1のリミックスが収録されている。Track.1はタイトルのとおり正統派のパンク・サウンド。キュート且つ毒もある歌詞は彼らのメンタリティやキャラクターをクリーンに映し出している。Track.2は琴線に触れるメロディとエモーショナルなヴォーカル、ラストのシンガロング・パートにフロアの拳上げも必至で、Track.3は語感もノリも抜群。3人が鳴らす楽器の音で構成されたシンプルなバンド・サウンドでここまでカラフルに見せられるバンド、実はなかなか稀有なのでは。
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2ndフル・アルバムで手堅く1stフル・アルバムを超え、且つ伸びしろを残すという知能犯っぷり。それも全部"楽しい"を突き詰めたゆえの行動なのだろう。ミクスチャー・ロック、ホーンを用いたダンス・ナンバー、アコースティック、豪華ストリングスなど、アレンジのバリエーションやギミックを広げていることはもちろん、ストレートすぎるほどのメロコア・サウンドはさらにエモーショナルでフレッシュに。音域が違う3人による楽曲に合ったカラフルなヴォーカル・ワーク、琴線に触れる人懐こいメロディも歌心を際立たせる。悔しい気持ちを抱えながらも、自分たちが面白いと思うことをひたすら追い掛けてきたサークル・バンドの青春感――彼らの音楽が全世代に響いている理由の根源はその青さかもしれない。
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ヤバTの新作リリースのたびに"笑ってたまるか"と思うが、今回も一本取られてしまった。飲み会並のコール、驚きを通り越して呆気に取られるくらいのサビの出だしとそのオチ、突然の転調など仕掛けが多数の「ハッピーウェディング前ソング」は彼ら史上最も享楽的。まさしくハッピーに振り切れたライヴ向きの曲である。ロッテ"キシリトールガム"20周年プロジェクト・ソングの「とりあえず噛む」はポジティヴなメッセージが綴られた正統派メロコア・ナンバー。「眠いオブザイヤー受賞」はラテン・テイストのトラック×ラップありという90年代顔負けのミクスチャーなアプローチで、彼らの持ち味のひとつである日本人の琴線に触れるセンチメンタルなメロディが炸裂。サウンドに合ったムードのあるヴォーカルも光る。
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メジャー1stシングルであり、自主制作盤も含めると4thシングルとなる今作。ジャケットや収録内容など、これまでのシングルのコンセプトを受け継ぎながら、新しい挑戦も多々見える。特に「ヤバみ」は、ギミックが増えてパワーアップした演奏もさることながら、読み解き方次第で風刺的でシニカルな歌詞としても、時代性を肯定する歌詞としても受け取れる作詞センスには舌を巻いた。メッセージ性だけでなく語感重視のセクションを織り交ぜたり、それをアッパーで中毒性のある楽曲に乗せるところもソングライター こやまたくや(Gt/Vo)の遊び心だろうか。暗号のように交錯する言葉と音のロジックが痛快だ。ザ・ヤバT的なメロコア・ナンバー「寝んでもいける」、ミディアム・テンポに挑戦した「肩 have a good day」とカップリングも充実。
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2015年から快進撃を続ける3人組が、初の全国流通盤となるメジャー・デビュー・アルバムをリリース。大阪の大学生のあるあるネタなどを綴った歌詞が注目されがちな彼らだが、魅力はなんと言っても楽曲の良さ。例えば「無線LANばり便利」は、90年代的な直球メロコアやミクスチャー・センスを継承しながらも、そこに2010年代の若者ならではの価値観の歌詞、琴線に触れるメロディ、男女ツイン・ヴォーカルを乗せている。過去の焼き増しにならない革新性が彼らの強力なオリジナリティだ。新録された既発曲はアレンジもマイナー・チェンジし音も厚く進化。ミュージカル風の楽曲、おしゃれギター・ロック×キーボード、ラウド・ナンバーなど、3ピースの常識をぶっ壊す痛快なサウンド・アプローチはエネルギーに満ちている。