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THE MAD CAPSULE MARKETSの上田剛士によるソロプロジェクト。その肩書きからくるイメージを裏切らないハードでデジタルな作品で、その緻密なプログラミングには脱帽する。やはりKYONOのソロプロジェクトWAGDUG FUTURISTIC UNITYと違うところは、聴いた人が一緒に歌えるようなポップな曲が多いということ。改めてTHE MAD CAPSULE MARKETSはKYONOと上田剛士の絶妙なバランス感覚の上で成り立っているバンドなのだなと実感した。軍隊のマーチのリズムをベースに、"平和"を題材とした「Peace!!」や、トランシーでBPMの速いリズムにポップな歌の乗せ方が印象的な「Freedom」など、聴き所満載。ラウドロックアレルギーのインディーロックファンにも是非オススメしたい作品だ。
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ブラジル出身のガールズ・バンド、CSSの4枚目『Planta』は、彼女たちのダークに振切れた一撃が痛快な意欲作。サンパウロ出身という肩書きから、全世界の男共のラテン娘に対する勝手な幻想の犠牲となってきた(あるいはそれを上手く利用してきた)彼女たちだが、唯一の男性メンバーであったAdrianoが抜け、本当の意味でのガールズ・バンドになったことも影響しているのだろう、今作はアルバム名が示す様に、彼女たちのナチュラルで赤裸々な有りの侭の姿が記録されている。サウンドは打ち込みの比重が高く、ダークでエレクトロ感を全面に出した内容に。クラブでの男漁りにも飽きた、そろそろ私たちを適当に扱ってきた男たちに復讐をしてやりたい……そんな怒りすら感じさせる凄みのある作品だ。
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今年のSUMMER SONICに出演が決定している、ノルウェー出身のDATAROCK。セカンド・アルバムの今作は、彼らのトレードマークである“赤”がそのままアルバムタイトルとなった。ジャケットも、ブックレットも、盤も赤で統一という徹底っぷり。エレクトロニクスを駆使したダンサブルなポストパンクを基調に、ファンキーなサウンドでガツンと踊らせてくれる「Give It Up」は新たなフロアアンセムとなるか!?因みに、「True Story」の歌詞はTALKING HEADSの曲名が羅列されている。マイナーコードが主体で神経質さがぷんぷんと漂っているが、速いBPMとコンパクトにまとめられた曲群はとても聴きやすい。ギターのフレーズが覚えやすくセンスがいいのも好感色!ライブが楽しみ。
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2008年のFUJI ROCK、そして昨年のSUMMER SONICでの圧巻のライヴ・パフォーマンスを観て彼らの虜になったという人は多いはず。今や夏フェスの欠かせない顔になったGOGOL BORDELLOからニュー・アルバムが登場。今作はパンク・ロックとジプシー・ミュージックを織り交ぜた多国籍なパーティー・サウンドを鳴らしている。一曲目の「Pala Tute」はヴォーカル、Eugeneの濃厚な歌声にヴァイオリンが哀愁漂う旋律を奏でる魅力が詰まったキラー・チューン。そして彼らのごった煮とも言えるミクスチャー・サウンドを華麗にまとめあげたプロデューサーRick Rubinの手腕も光る。夏がやってくるのが楽しみになって来ました。
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ロンドンから登場したギターレス3ピースバンド、GOLDEN SILVERSのデビューアルバム。60、70年代のSOUL、FUNKの香りが漂うエヴァーグリーンな楽曲と、抜群のコーラスワーク。と言っても、何一つ古臭さくない、まさに、2009年に生まれた新たなブルーアイドソウル。先行シングル「True No.9 Blues(True Romance)」は、まるでディスコクラシックの如く、妖艶なGROOVEを持っているし、そうかと思えば、「Arrows Of Eros」のキッチュな遊び心、そして「Magic Touch」のピュアなポップネスまで、その軽やかで洗練されたセンスには、ただただ脱帽。しかも、洗練が全く嫌味ではなく、あくまで自然体なところは、都会育ちならでは、なのかな。夜遊び上手な伊達男達のデビューアルバム。
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先行シングル「Call」は、攻撃性を内包したダークな世界観と中毒性のあるリフが耳に残る"これぞ、まさしく新時代のKASABIANビート!"という楽曲。2022年にリリースした前作『The Alchemist's Euphoria』では、Serge Pizzorno(Vo)にフロントマンが変わったことで、いい意味でも悪い意味でもどこかトゲが抜け落ちたような印象があったが、今作は本当に解放感のある自由なロック魂に満ちていて、ギラギラとしたアグレッションもある。もちろんヘヴィなビートに振り切った楽曲ばかりではなく、UKオルタナ、ギター・ロックの魅力を引き継いだメロディアスな楽曲もあり、これまでの彼らの百戦錬磨のライヴ猛者っぷりがわかる作品に仕上がった。
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Tom Meighan(Vo)脱退後、初のフル・アルバムとなる本作。新たに外部からヴォーカルを招くことなく、メンバーのSerge Pizzorno(Gt/Vo)がリード・ヴォーカルも務めたことにより、KASABIANのKASABIANたる要素が欠けることなく、うまく前に進めた印象だ。サウンドにはまとまりがあるし、それでいて常に現状打破というかチャレンジングな姿勢を崩さないところはさすが。モダンなエレクトロ・サウンドを意識したアレンジもあって、パンチの効いた激し目の楽曲もトゲトゲしくなく、とても洗練されている。初期には初期の、これまでの彼らには作品ごとの魅力があるのはもちろんだが、いい方向に変化と前進を受け入れていく彼らのポジティヴな魅力が感じられる。
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ギター・ロックの復権どころか、70年代から現在に至るまでのあらゆるビート、グルーヴをロック・バンドの手法とガッツで昇華した作品。Ed Sheeranのモンスター・ヒット・アルバム『÷』の全英1位を9週でストップさせた理由もそれだろう。初期作品を想起させるポスト・パンク的なビートからファンクネス溢れるサビに解放される「Ill Ray (The King)」での幕開けから、BLONDIEとも符合するセクシーで美しいメロの「You're In Love With A Psycho」、ROXY MUSICやDavid BowieのグラマラスなR&Rを底に感じる「Good Fight」や「Comeback Kid」、ザ・UK的なメロディを持つ「All Through The Night」。淡く薄いトラック全盛だが、グランジ×ダンスの肉体性と完成が求められている証左が本作の高評価に顕在した感がある。
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まったく、彼らはリスナーを飽きさせることを知らない。約2年振りのリリースとなる4枚目のオリジナル・アルバムは、KASABIANの活動の集大成であり、新たな力が凝縮された作品だ。怪しく不穏な閉塞感、獲物を虎視眈々と狙うような危険度。ひたすらに不気味な空気を醸し出すストリングスは、おどろおどろしくも美しい。と思いきや、まどろむ様な優しさ溢れるミディアム・ナンバーや、軽快なヴォーカルが炸裂する人懐っこいキャッチーな側面も。次から次へと目まぐるしいその自由度にどんどん身体も思考も翻弄されて行く。ちなみに"Velociraptor(ヴェロキラプトル)"とは、ティラノサウルスを倒すことが出来た唯一の恐竜。挑戦を止めず、常に攻め続けた彼らが、とうとう最強の猛獣を生み出した。
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前作『Empire』の時代錯誤的とも言える大仰なハード・ロックは、彼らが本来持つ不穏なグルーヴを半減させてしまっていた。しかし、Dan Nakamura(DJ SHADOW等)をプロディースに迎えた本作では、そのグルーヴがより強靭なものとなって戻っている。一音一音がしっかりと聴こえてくる立体的な空間処理が施された結果、驚くべき化学変化が生まれている。このコンセプチュアルなサイケデリック・アルバムで、KASABIANは彼らの築き上げた帝国へと聴く者を連行する。しかし、いびつで不可思議なその世界を受け入れるかどうかは僕達に委ねられている。EAGLESが歌ったあの一節が頭をよぎる。「You can checkout any time you like, but you can never leave」。
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"心臓が止まるほど美しい"と評されたデビュー作『Hopes And Fears』から10年を経たUK発の4ピース、KEANE。作品は毎作UKチャート1位となり、日本でもこれぞUKロックたる叙情性の高い鍵盤サウンド、繊細で憂いがあり、かつ大らかでアンセム的なメロディ・ラインが人気の彼らの、初のベスト・アルバム。2枚組で、1枚はシングルや定番曲のベスト・セレクション、もう1枚は初CD化となる曲などをセレクトしている。泣きの琴線に触れるだけでなく、ブライトで高揚感のあるスケール感たっぷりのサウンドもこのバンドの真骨頂。ドラマ性の高い王道感を、正攻法で形にしてプレイするというアプローチがリスナーの裾野を広げている。この真っ直ぐな姿勢を磨いた、重厚な10年が詰まっている。
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イギリスのピアノ・ロック・バンドKEANEによる4枚目のオリジナル・アルバム。サポート・メンバーだったJesse Quin(Ba)が正式加入してから初の作品となり、全英チャートにおいて前作に続き初登場1位を獲得している。時間に囚われず制作されたこともあり、イギリスの伝統的なロック/ポップの精神を継承した正統派サウンドと、真摯に歌に取り組んだTom Chaplinのヴォーカルは、のびのびと響き渡る。彼の歌声の凛々しさやたくましさは、歌そのものの素晴らしさを伝えようという思いから生まれるものだろう。どこまでも伸びやかな歌が紡ぐメロディが耳に佇み、聴き手の視界を広げていく。きらびやかなピアノとふんわりとしたストリングスがその歌を包み込み、優しく温かい雰囲気を作り出している。
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エレクトロ系中心の仏レーベル、Kitsunéの名物コンピ『Kitsuné Maison』の最新版。筆者にとってKitsunéといえばニューレイヴ。今から7年ほど前、KLAXONSやDIGITALISMらを中心としたニューレイヴ・ムーヴメントが巻き起こったとき、Kitsunéは世界で最も重要なレーベルだった。嗅覚の鋭い音楽好きはみんなこのコンピをチェックしていたものだ。今は時代の中心にいるわけではないけれど、着実にいいものを届けるレーベルとして確固たる地位を築いている。今作は収録アーティストが全体的にしっとりと静謐な世界観を持っていて、"アガる"だけじゃない豊潤な時間を堪能できる。個人的にはJAWSとNIMMO AND THE GAUNTLETTSという2組の英バンドがツボ。
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ニュー・レイヴ=インディー・ロックとダンス・ミュージックの融合の先駆者による4年ぶりの新作。メタル/ハードコア畑のプロデューサーとして知られるRoss Robinsonと組み、ロック色濃いサウンドに挑んだ前作から一転、今回、彼らが目指したのはダンス・ミュージック回帰。それはJames Murphy、Tom Rowlands(THE CHEMICAL BROTHERS)に加え、今をときめくErol Alkan、GORGON CITYも起用したプロデューサー陣の顔ぶれからも明らかだが、ポップ・アルバムを作ることをテーマにエレクトロなサウンドやR&B/ディスコの影響を大胆に取り入れ、強烈に"今"を印象づける曲の数々は、ひょっとしたら前作以上に物議を醸すかもしれない。メロウな作風とは裏腹にバンドの野心が窺える問題作だ。
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昨年はADELEが一位を獲得した、BBC SOUND of 2009に選ばれた超大型新人LITTLE BOOTSことVictria Hasketh。ブラックプール出身の彼女は、5歳の頃からピアノに親しみ、後々シンセオタクとなっていくほど、鍵盤に愛情を注いでいる人だ。ネクストMADONNA、KYLIE MINOGUEなどと噂されているが、LITTLE BOOTSの音作りにはもっと手作り感があり、人間らしい温かみを帯びている。それこそがLITTLE BOOTSの大きな魅力なのだ。透き通った歌声と、キラキラとしたスペーシーなエレクトロ・ポップ・ソングの数々は、玄人から大衆までの心をがっちりと掴むだろう。LILY ALLENを手がけたGreg Kurstinがプロデュースに名を連ねているのも納得。尚、彼女の愛器は「メイド・イン・ジャパン」ヤマハのテノリオン。今年のSUMMER SONICは、LADY GAGAとセットでチェックすべし!
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MERCURY REVといえば、世界一のプロデューサーと言っても過言ではない名匠Dave Fridmannがレコーディング・メンバーとして籍を置くことでも知られるロック・バンド。しかし、7年のインターバルを挟みリリースされた今作『TheLight In You』に、Daveはスケジュールの都合で不参加。そういった背景でJonathan DonahueとGrasshopperのみで制作された今作からは、より密な空気感と円熟したヴァイヴが感じ取れる。作品は冒頭の「The Queen OfSwans」から穏やかに立ち上がり、全体を通してユーフォリックな祝祭感とソフトにロックする甘美なサイケデリアが横溢する。安穏とした流れに差し込まれる「Sunflower」のホット・グルーヴィンな異物感もいいスパイスに。聴き疲れも飽きも少ない末長く愛聴できる秀作だ。
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素晴らしい。前々作『Nights Out』では脱臼エレポップで一晩の夜遊びを描き、続く『The English Riviera』では70年代AORをも消化し、優雅な箱庭ポップを展開。そんな己が道を突き進むMETRONOMYの新作は、『Nights Out』や『The English Riviera』にあった煌びやかさは薄れ、全体的にメランコリックな印象を聴き手に与える、今までで最もパーソナルな質感を持った作品に仕上がっている。アルバム全体を、まるでアンビエント・テクノのように繊細なアトモスフィアが覆っている上に、単音で奏でられるメロディはどれも切なく、曲によっては爪弾かれるギターの音色が哀愁を誘う。『Love Letters』というタイトル通り、まるで古い友人から1通の手紙を受け取ったかのような親密さを感じさせるアルバム。誰もが抱える心の孤独にそっと寄り添う傑作だ。
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前作から2年という、バンド史上最も短い期間でリリースされる完全セルフ・プロデュース/レコーディングによる7枚目のアルバム。2015年にBo Madsen(Gt)の脱退という大きな変化に立ち止まることなく、むしろその変化や直感が素直に閉じ込められた作品だ。時間をたっぷりかけ創り上げるという彼らの従来の制作スタイルを打ち破ることに挑戦した本作は、ツアーでのエネルギーや閃きが、ギター・サウンドやより開放的になった歌詞にストレートに表れている。彼ららしさを失わないまま、「Carry Me To Safety」に代表される、エネルギッシュなのに繊細、それでいて以前より壮大になった印象を与える楽曲ばかり。永遠に続くものなどない――変化が目まぐるしい現代だからこそ、長い期間を空けずに彼らが届けたかった思いが感じられる1枚だ。
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FLAMING LIPSとの来日公演も記憶に新しいMEWからクリスマス・プレゼントが。結成から14年、バンドの歴史を網羅したベスト盤『Eggs Are Funny』である。代表曲はもちろん、メジャー・デビュー以前のレア音源や先日の公演で披露され話題となった新曲「Do You Love It?」も収録。さらには歴代のビデオ・クリップをコンパイルしたDVD付きというから、もう最強盤である。愛らしくも透徹な歌声、壮大な構築美、北欧の冷気漂う叙情性、アーティスティックな映像と、オリジナリティ溢れる世界観はいかにして描き出したのか?そんな進化/深化の過程を辿るように聴くとおもしろい。「Repeaterbeater」を音源では収めなかったのは彼ららしいひねくれセンスだろう。そろそろ“デンマークの至宝”という枕詞から、“デンマークの世界遺産”に認定しては?
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ベーシストの脱退というアクシデントもあり、何と4年ぶりのリリースとなるMEW の5枚目のアルバム。まず何よりも、ブラッシュアップされたリズム隊が叩き出す多彩なビートに驚かされる。これまでのMEWにはなかった軽快なリズムの上をカラフルでドリーミーな音世界が広がっていく。特に、ダンサブルなM-9 ~M-11の3曲は、MEWの新境地とも言える出来。基本的にループするように連なって行くメロディは、螺旋を描きながら、さらに高みへと聴く者を誘っていく。アルバム全体を通してどこか醒めた質感の前作から一転、本作では温かみのあるサイケデリアを描き出している。ニューゲイザー、エレクトロ・シューゲイズ勢ともシンクロする極上のドリーミー・ポップ。
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グラミー受賞のインディー・バンド、PHOENIXの約5年ぶりの新作となる7thアルバム。長年のコラボレーターで2019年に亡くなったPhilippe Zdarにインスパイアされ、ロックダウン期間にルーヴル宮内の美術館でレコーディングが行われたという異色のバックグラウンドを持つ作品は、PHOENIXらしい多幸感の中にどこか寂寞とした雰囲気が漂っている。きらびやかなシンセ・ポップを聴かせる「Alpha Zulu」、VAMPIRE WEEKENDのEzra Koenig(Vo/Gt)をフィーチャーし切ないメロディが心地よい「Tonight」、重心を落としたエレクトロ・サウンドを展開する「All Eyes On Me」など、甘酸っぱさとほろ苦さが同居する、グッと洗練されたポップスが奏でられている。
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2006年にデビューしたスコットランドの若きSSW、PAOLO NUTINIのセカンド・アルバム。いきなりROLLING STONESの前座に抜擢されるなど、デビュー当時からその才能を高く評価され、最近では、THE VIEWの新作にも一曲、ゲストで参加もしている。デビューアルバムも確かにいい作品だったが、正直なところ、こんなに深みのある作品を創るとは思っていなかった。OTIS REDDINGやTOM WAITSといった至高の歌い手を彷彿とさせる深みと、若々しいポップセンスが見事に同居している。ソウルフルなバラードからニューオリンズ、そしてスカまで、様々なジャンルに挑んでいるが、どんなスタイルにおいても、彼の才能が遺憾無く発揮されているタイムレスな作品集。
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2008年の11月に結成されたばかりのロンドン出身の4ピース・ポスト・パンク・バンド。PATTI SMITHを彷彿とさせるJamieのハスキーなヴォーカルと7 0 年代のゴス・サウンドをブラッシュ・アップさせた攻撃的かつ中毒性のあるビート。元Dior HommeのデザイナーHedi Simaneのお気に入りという事からも第2のTHESE NEW PURITANSの誕生とも言えるだろう。ただTHESE NEW PURITANSは新しいビートを取り入れようとしているのに対し、彼らはもっとメロディアスでロマンティック。そしてファッション紙の表紙を飾るほどの抜群のルックス。「彼らがスターになる前に」どうぞチェックしてみて下さい。
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元ON!AIR!LIBRARY!のAlejandraとClaudiaの美人双子姉妹とSECRET MACHINESの元メンバーであるBenjamin Curtisによるドリーム・ポップ・グループ。2010年、2ndアルバムをリリースしたあと、双子の片割れClaudiaが突如脱退。そして、2012年より新作の録音を進めていた中、BenjaminはT細胞性リンパ芽球性リンパ腫を患い2013年、逝去。彼が残した最後の音源を元に完成。"始めから終わりまでラヴ・レター"だという今作は、美しいヴォーカルと浮遊感ただようドリーミーなサウンドが溶け込み、まるで白昼夢を見ているよう。持ち味でもある見事なコーラス・ワークはもちろん、シューゲイザー、エレクトロニックなどを飲み込むSCHOOL OF SEVEN BELLSの集大成となっている。まさにベスト盤だ。
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US/UK問わず、ここ最近のインディー・ロック界隈、特にエレクトロニカに接近しているような音楽は80年代のディスコ・ビートに回帰しているような印象を受けるが、このSCHOOL OF SEVEN BELLSの新作も同様に爽快なディスコ・ビートが鳴り響く快作だ。しかし、彼らの強みはそのダンサンブルなトラックの上に乗せられた、確かな歌心であろう。浮遊感のあるシンセのドローンと、時に小気味良く時にノイジーなギター・サウンドが作り上げるある種不安定な音世界の中、幾重にも重ねられながらも力強さを失っていないAlejandraの歌は、確かなメロディ・センスとポップネスの両方を持ち合わせている。内省的なまま立ち止まることなく、彼らの音楽は力強く外を向いている、そんな風に思わせてくれる良作だ。
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来年デビュー15周年を迎えるフランスのポップ・マエストロ・バンドの前作から約3年半ぶり、通算6作目となる新作アルバム(日本先行リリース)。全編に亘りリバーブがかかり奥まった定位から聴こえてくるヴォーカル、Xavier Boyerの声は一聴すると女性のようにも聴こえるし、80年代のシンセ・ポップを彷彿とさせる音作りが懐かしくもあり新鮮でもある。ダークで妖しげなメロディの「The God Of The Horizon」、ゆったりと時が流れるようなドリーミー・ポップ「Solid Gold」など時代も性別も超越して理屈抜きで楽しめる、じっくり聴いてほしい極上のポップ・アルバム。2013年のFUJI ROCK FESTIVALで彼らを目撃したファンは必聴。
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グラスゴーを代表するインディー・ロック・バンドの重鎮が放つ6年ぶり10枚目。いつもどおりNorman Blake(Vo/Gt)、Raymond McGinley(Vo/Gt)、Gerard Love(Vo/Ba)が4曲ずつ持ち寄り、それぞれ自作曲でヴォーカルをとっている。新機軸や明確なコンセプトもなく、ただ機が熟したらセッションして曲作り。こんな"いつもどおり"にたまらなく耳を奪われ、説得力を感じるバンドなんてそういない。Track.1「I'm In Love」の甘酸っぱいメロディと突き抜けるコーラスが幕開けからメロウでうっとり。彼らも50代に突入し、楽曲のトーンも少しミドルエイジがかって三者三様の個性を発揮した幅広さはあるが、極めてバランスが良い。これも意図した仕上がりというよりは長年の活動による阿吽の呼吸だろう。新たな代表作の予感。
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TEENAGE FANCLUBから5年ぶりとなる待望のニュー・アルバム『Shadows』がリリースされる。通算9作目となるこのアルバムは、どこか懐かしくて色褪せることのないメロディとポップで哀愁漂うギターのハーモニーが素晴らしい。5年ぶりだなんて忘れてしまうくらい期待を裏切らない仕上がりになっている。それにしてもこのバンドは90年にデビューして以来、ずっとみんなの心を打ち続けている。変わらないでいられるって意外に難しい。でも結局人は簡単に変わることなんて出来ないし、急に変われたとしてもそのまま満足していられるのだろうか?無理して変わることなんてしなくていい。そう、これは変わらない満足感が味わえるそんなアルバム。
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正直、THE ENEMYの新作にここまで心動かされるとは、我ながら驚きである。ファーストの時点では、その社会派ラッド気質には惹かれるものがあったものの、ソングライティング自体は凡庸に思えたし、セカンドでも、その強い政治的問題意識には敬意を払ったが、そのスケール感を増したサウンドにはあまり馴染めなかった。だが、サードとなる本作には、聴くたびに涙腺を刺激されまくっている。シンガロングなメロディを備えたロック・サウンドに、日々の生活の喜怒哀楽をロマンティックに描いた歌詞を乗せた全12曲。そんな、なんてことないシンプルなアルバムなのだが、こんなにも普遍的な喜びと悲しみを説得力と共に歌い上げることのできるバンド、今やそう簡単にいるわけではないのだ。
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THE HORRORSから3年ぶりの新作が到着。プロデューサーにAdeleやCOLDPLAYも手掛けるPaul Epworthを迎えたことで、独特な耽美的なメロウネスもNINE INCHNAILS的なインダストリアルなテイストも内にこもらず、大きなパースペクティヴで鳴っているのが新鮮。エレクトロニック且つ激しい先行トラック「Machine」もあれば、ギターのクリーン・トーンのカッティングがアーバン・ミュージックの要素も感じさせる「Press Enter To Exit」、スタジアムも似合いそうなドラマチックな「It's A Good Life」など、多彩だがメロディの良さとFaris Badwan(Vo)のクールな色気のある声ですべてに芯が通る。BOOMBOOM SATELLITESやD.A.N.、THE NOVEMBERS好きにもオススメしたい作品。
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THE NATIONALやARCTIC MONKEYSらを手掛けてきたCraig Silveyを共同プロデューサーに迎え、15ヶ月の期間を掛けて制作された、THE HORRORSの3年ぶりとなる待望の4thアルバム。今作はエレクトロニックな要素と、彼らの持ち味でもあるシューゲーズ・サウンドとを巧みに掛け合わせ、これまでの作品よりも明るくポジティヴなものに昇華させている。Track.1の冒頭ではどこかエスニックな雰囲気も醸し、静かに作品の始まりを告げる。ロンドンにてThurston Moore(SONIC YOUTH)をゲストに迎えてのライヴで初披露したことでも話題となった、7分半を超える大作「I See You」も収録されており、アルバムの中でも大きな存在感を示している。
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強烈なキャラクター性を持つガレージ・ロックで世界に衝撃を与えたデビュー・アルバムから早2年。前作の続編となるような作品への期待をいい意味であっさりと裏切る傑作。8分間の先行トラック「Sea Within Sea」でTHE HORRORSが次なるステップへ進んだことは明らかになっていたが、ここまでのアルバムを作ってくるとは思わなかった。プロデューサーに PORTISHEADのGeoff Barlowを起用し奥行きのある、まるで水中にいるかのようなシューゲーズ・サウンドが生み出す独特のグルーブ感。特にアルバムの後半は今までに無かったドリーミーな展開が繰り広げられる。呟くようなボーカルの中にも今回の変化が感じ取れるだろう。アルバム・ジャケットの様に手が届きそうで届かない蜃気楼のような作品。
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今年2月にアルバム『Warrior Sound』をリリースし、日本でヘッドライン・ツアーを敢行したイギリス・ブライトン出身のTHE QEMISTS。このニューEPはアルバムの延長線上にある作品で、バキバキにラウドなビートで攻め立てる「Stepping Stones」に始まり、共にツアーを回ったKORNのカバー曲「Blind」やリミックスなど全6曲を収録。インダストリアルでブルータルなビートを軸に、ノイジーなエレクトロ・サウンドが展開する1枚だ。アッパーな攻撃性はもちろん、KORNの持つ陰鬱とした、地の底から揺るがすパワーをTHE QEMISTSとして表現した「Blind」での、殺伐としたムードがハマッている。個人的にはこのダークネスや、彼らならではのひんやりとした鋭さをさらにエレガントに突き詰めてほしいところがある。そして、その気配も感じるEPでもある。
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2009年にデビューするやいなや、THE PRODIGY直系の大型新人として脚光を浴びたイギリスはブライトン出身のダンス・ロック・アクト、THE QEMISTS。その彼らがライヴ・メンバーだったMCとヴォーカリストを正式メンバーに迎え、前作から6年ぶりにアルバムをリリース。ミクスチャー・ロックをベースにドラムンベースなど、最新のダンス・ミュージックにアプローチしながら、彼らが作り出してきた暴れることもできるダンス・ロック・サウンドにEDM由来の高速ビートを取り入れ、さらに進化を遂げている。映画"ターミネーター:新起動/ジェニシス"のワールドワイド版トレーラーに使われた「Run You」に加え、2013年にシングルとしてリリースした「No More」も収録。6年待った甲斐があると言える充実作だ。
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ここ数年の新人バンド中で、一番といっていいほどの衝撃を与えてくれたのはこのバンドだった。イギリス出身の3人組、THE QEMISTS。ドラムンベースを基調に、ダブ/レゲエなどの要素を加えつつ、ロックバンドらしい生々しさをそこかしこに漂わせている。音数が多く、全体的にハードなので、ガツンとしたラウドロックが好きな人にはもちろん、近年のラウドロックが好きでなくても、RAGE AGAINST THE MACHINEやASIAN DUB FOUNDATIONは好き!というインディーロックリスナーにも間違いなく受け入れられる力のある作品。オリジナルのヴォーカルメンバーはおらず、多数のゲストヴォーカルを迎えているが、特に元FAITH NO MOREのMike Pattonが参加した『Lost Weekend』、Wileyが参加した「Dem Na Like Me」はずば抜けて完成度が高い。
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200万枚を超える1stアルバム『We Started Nothing』の大ヒットを足がかりにマンチェスターのパーティー・シーンから世界に飛び出してきた男女デュオが前作から2年ぶりにリリースした3作目のアルバム。前作は1stアルバムのポスト・パンク/ニュー・ウェイヴ路線から一気に幅を広げた挑戦が印象的だったが、今回はそこから再び方向性を絞って、昔懐かしいディスコ・サウンドにアプローチ。なんでもアルバムを作っていたイビザ島のクラブでEDMばかり耳にした反動だそうだ。「Wrong Club」のPVからは70年代のディスコへの憧れが窺えるが、元DURAN DURANのギタリスト、Andy Taylorが曲作りとプロデュースで参加しているせいか、どこか80年代風にも聴こえ、そんなところがTHE TING TINGSらしいと思わせる。
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デビュー作『We Started Nothing』から約4年、SUMMER SONIC 11の出演も記憶に新しいTHE TING TINGSから待望のセカンド・オリジナル・アルバムがリリースされる。ベルリンで見つけたバーをスタジオに改造し、そこに拠点を移し制作された今作は、本人たちがインタヴューでも語っている通り、異なる音楽性を持つバラエティに富んだ楽曲が揃っている。Katieのヴォーカルやラップも曲によってキュートであったりクールであったり、時に穏やかで時に激しくと様々な表情を見せる。だがどの曲も共通して自然体のポップ・ソング。過剰な無理をせず、世間にも媚びず、自分たちが好きだと思ったことをのびのび行なっている。脱力系でありながらも、一本しっかり筋の通った彼らのライフ・スタイルが具現化された作品と言って良いだろう。