Jack Whiteの70年代ブリティッシュ・ハード・ロック愛が3度炸裂! THE KILLSの女性シンガー、Alison Mosshartらと組んだ4人組が5年ぶりにリリースする3rdアルバムは、7インチ・シングルとしてリリースしてきた4曲のリミックスおよびリマスター・バージョンに新曲8曲を加えた全12曲を収録。ある意味、時代錯誤であることがテーマのひとつだったに違いないが、それを徹底的に追求したからこそ、ヒップホップの影響、エキゾチックなメロディ、レゲエのリズムが絶妙なアクセントとして効いてくるわけだ。ダイナミックなギター・プレイを披露しているDean Fertita(QUEENS OF THE STONE AGE)はもっと注目されてもいい。彼が加えるオルガンの古色蒼然たる音色も雰囲気ものだ。
WHITE STRIPESのJack WhiteとTHE KILLSのViviを中心とした新プロジェクト、THE DEAD WEATHER。この組み合わせでブルース/サイケ・ガレージをやるって、そんなの悪いわけがないけれど、それにしてもとんでもないことになっている。Jack Whiteという底なしの才能の箍が完全に外れている。音数最小、音量最大なリズム隊が生み出す凶暴な暗黒グルーヴとへヴィに歪み、軋みまくるギター。そして、Viviのダーティでドスの効いたヴォーカルが絡み合い、とぐろを巻く轟音サイケデリック・ガレージ。今が一体何年なのか分からなくなるが、そんなことはおかまいなしに、どこでもないどこかへぶっ飛ばされる異形の轟音ブギ。