2ndアルバム『WEEKEND WARRIOR』から1年2ヶ月振りにリリースされた80KIDZの新作は、iTunes限定配信の5曲入りデジタルEP。ワンマン・ツアーから4ヶ月に渡るDJツアー、FUJI ROCK FESTIVALへの出演と怒涛の2011年を駆け抜けた彼ら。今作はその充実っぷりを凝縮させたと言って良いだろう。クールでスマートなバンド・サウンドは更に鋭さを増し、アコースティック・ギターは流麗な旋律を奏で、エレクトロ・サウンドも美しく輝きを放つ。両極端な魅力を持つ音が融合する様は、流星のように優雅であり刹那的で、そのなめらかさと居心地の良さ、そこはかとなく漂う物悲しさに催眠状態にかかったような気分に陥った。今年春にリリース予定の3rdアルバムへの期待も高まる作品だ。
FUJI ROCK FESTIVAL '11やROCK IN JAPAN FES.2011への出演が決定し、破竹の勢いの80kidz。エレクトロには珍しい楽器を使ったライヴ・パフォーマンスが注目を浴びる中、彼らもう1つの彼らの魅力、大評判だったリミックス集『This Is My Works 01』から1年半ぶりの第2弾が登場。誰もが知る「Pirates of the Caribbean」のテーマ曲「He's A Pirate」のカバーからマニアックな洋楽インディーズまで、今回も幅の広い選曲で楽しませてくれる。人気スクリーモ・バンドFACTの「Why...」も80kidzの手によって、原曲とはまた違ったジャンルを超えた楽曲の魅力を開花させている。また、初音源化となる「VOICE」のセルフ・リミックスはファンならずとも聴き逃せない。
DAFT PUNKは永遠に語り継がれるだろう。多分、JUSTICEも。でも、それ以外のエレクトロ勢って、もちろんいいのはたくさんあるんだけど、3年後どころか1 年後にいるかどうかも微妙なんじゃないかと感じてしまう。善し悪しの話じゃなくて。で、それは置いといて。80kidzは、日本においては間違いなく一つの起点になっているアーティスト。デビューアルバム『This Is My Shit』で見せた確たる個性は"勝ち"以外の何者でもなかったし、その先が更に楽しみなる、とても頼もしいものだった。これまでに彼らが手掛けたリミックスの数々を集めたこの作品も、一聴しただけで80kidzのそれだと分かるものばかり。全曲において快楽性が高く、原曲のもう一つの完成系としてパーフェクトに仕上がっているものばかりだ。