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THE BOHEMIANS (16)
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幕開けの「the earnest」のイントロ、陽性のオルガンとギター・リフや軽やかに高鳴るキックから、今作が心躍る最高の旅になることを約束してくれる。このキャッチーで高揚感たっぷりのロックンロールに続く「火薬!火薬!火薬!」は爆裂なアンサンブルが炸裂! さらに「ロックンロールジェントルメン」ではスピード感に溢れながらも洒脱な香りを纏ったロックンロールが、甘美な世界へと誘う。酸いも甘いも噛み分けた大人の余裕が漂い、毒っ気や皮肉をよりポップに、スマートに練り込んだそのサウンドは、噛む程に刺激や味わいが濃いものとなった。前作から約3年の時を経て、いい大人の尖りや遊び方を身に付けたバンドの最新形が詰まっている。(吉羽 さおり)
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今年1月、the pillowsの山中さわおが主宰するDELICIOUS LABELに加わった現代のグラム・ロック5人組が山中のプロデュースの下、完成させた4枚目のアルバム。60年代のブリティッシュ・ロックをただ再現するだけでは飽き足 らず、絶妙なデジャブ感とともにヒネリを加えたロックンロールが彼らの持ち味。その人を食ったようなセンスは好き嫌いが分かれそうだが、それこそがロックンロールが持つ諧謔と表裏一体のクリシティシズム。その点、ややクールすぎるきらいはあるものの、アーリー・ジャズ調のTrack.6「shyboy」、ピアノが転がるロックンロールのTrack.11「SUPER THUNDER ELEGANT SECRET BIG MACHINE」といった若干異色とも言える曲が流れにいい感じでデコボコを作っている。(山口 智男)
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さすがはメジャー・デビュー作! 全てがスケール・アップしている。まず、タイトルからして素晴らしい。“ロックン・ロールはアイドルから始まる”、“スターになる前に、アイドルになりたい。”という心意のもと冠されたこの言葉は、ギラギラとした成功願望すらもセンセーショナルなキャッチ・フレーズとして作用させている。思えば、THE BOHEMIANSというバンドはインディーズ時代から、“ロック・バンド”という要素を、アイドル的にアイコン化して表現することに長けていた。そして、本作は、メジャー・デビューというステップすらも一つのコマーシャルとして、作品のスケール・アップの一端を担う要素として取り込んでしまったわけだ。インディーズという地下を飛び出し、更にモダンに、セクシーに。高揚感の嵐が吹き荒れる!(島根 希実)
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どぎついアイメイク、カラフルで奇抜だがどこかモダンなファッション、まるでキッチュなグラム・ロックのようなルックスのアーティスト写真がやけに印象的だったのだが、良い意味で、全てがそのビジュアル通りであった。軽快なブリティッシュ・ビートに胸をきゅんとさせるスウィートなメロディ。どことなく懐古的な臭いを漂わせるのはリズム&ブルースのこぶしも効いているからだろうか。舌ったらずで、けだるく、時に甘えたようにも聴こえるボーカルは、曲に“パンチラ”的なポップでキュートな色気を与えている。楽曲のみで、アートワーク的な部分も堪能したような印象を受けたのは、詳細なアーティスト情報もまだない彼らだが、既に徹底した独自の美学を持っているからだろう。バンドの個性と主張をたっぷりと詰め込んだ、まさにファーストアルバムにふさわしい作品。(島根 希実)
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