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the cibo (8)
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2017年に現体制となった神戸発の3ピース、the cibo。真夜中の習慣と冠した今作では時間も、夢と現との感覚も曖昧な深い夜のときを描く。もつれ合っている記憶と感情をひとつずつ丁寧に解いて、大事な思い出としてラベリングをしたり、あるいは煮えたぎったままの未整理の感情としてその様を観察したりする、その贅沢で痛みも伴った濃いひとときを様々なギター・サウンドで表現している。ヒリヒリとした楽器のバトルが瞬間パッケージされたような「禁断の果実」や、「秘密は夕凪と共に」、そして、「三月、涙がこぼれそう」では旅立つあなたに向け、その歌が遠くまで轟くようにアンサンブルのボリュームを上げる。言葉とは裏腹な気持ちを音に込めた、一筋縄でない思いが端々で表れたリアリティのある作品だ。(吉羽 さおり)
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神戸発の3ピース・ロック・バンド the ciboが、結成から7年、満を持して完成させた初の全国流通盤。それがいきなり全10曲のフル・アルバムになったところにバンドの意気込みが感じられる。「今宵、駆け落ちる前に」含む再録4曲に新曲6曲を加えた内容は、バンドのこれまでとこれからを物語る集大成にしたからだったという。海外のオルタナ・リバイバルにも共鳴する轟音の演奏とナイーブなだけに止まらない文学的な歌詞に加え、様々な可能性を追求する挑戦が、"歌が最優先"と語るいわゆる歌モノのギター・ロックをユニークなものにしている。耳に残るメロディーはもちろん、多彩なリズム・アプローチを含むアレンジや、単に心情吐露だけで終わらない歌詞の語り口にも、ぜひ耳を傾けていただきたい。(山口 智男)