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Ryo Hamamoto (4)
- 2016.07.13
- Ryo Hamamoto×神谷洵平(赤い靴)対談インタビュー公開。孤高のシンガー・ソングライター Ryo Hamamotoソロ作リリース記念、プロデュースを手掛けた盟友・神谷との対談実現
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最低限の音が鳴っていれば歌が引き立つのか? そんな根本的な揺さぶりをかけてくるほどRyo Hamamotoの音楽は、そもそも彼が持っている悲しさや虚しさ、可笑しみなどの"知覚"を解像度高く最大限に表現するため"だけ"にあるように思う。Track.1「Last Train Home / 終電」の素なギターの1音と震えるような彼の声が聞こえてきた瞬間に、そのあまりの純度の高さに自分の鎧のようなものが瓦解していく感覚を味わう。大別すればアメリカン・ルーツ・ミュージックがオルタナティヴな回路を経て着地した数々の普遍的な音楽と同質の手触りがあるのだけど、歌詞の固定観念を軽く突破した、そのオリジナリティが聴き手それぞれの心の奥底と共振するはずだ。あらゆる感情が温度や記憶とともに鮮明に立ち上がる。 (石角 友香)
バンド名義の前作から4年ぶり、ソロ名義としては2007年に発表したアルバム以来9年ぶりとなる今作。2年リリースが空くだけで驚かれる日本の音楽シーンをベースにすると"どんだけマイペースやねん"とツッコミたくなるが、そういうスパンで発表される作品こそ当たりくじを引くことが多い。まさにコレがソレ。今作は、思いつくがままに作ったという全9曲を収録したオムニバス映画のような1枚。中でもTrack.9「カリブに配属 / Fata Morgana」は"自分が納得するまで故郷を探せ"と訴えかけてくるような楽曲なのだが、歌詞を歌い切ったあとのラスト1分が同作一番のハイライト。声が声でなくなるその瞬間は本当に鳥肌ものだし、"音楽を奏でることが自分の故郷"だと言い切るその感性にも惚れ惚れするはずだ。とにかく、まずはじっくり聴いてほしい。(白崎 未穂)