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The Florist (12)
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"ギターが轟音で鳴るストレートなシューゲイザー・ナンバーはもはや、その一部でしかない。"とレビューを書いた前作の延長上で、今一度メンバーたちのルーツであるエモ/オルタナ・サウンドも取り入れた3rdアルバム。耽美的なThe Floristの世界に、熱狂と表現することもできるロック的な勢いが加わったところが聴きどころ。そのぶん、曲の幅はニュー・ウェーヴからギター・ポップ、ハードコアまでとさらに広がったが、それが散漫にならないのは、張り詰める緊張のなかアップダウンを繰り返す感情の流れが、最後ポジティヴな「Bell Rings On The Silent Night」で昇華される曲順が完璧だからだ。The Floristの美学の結晶とも言えるそのカタルシス、多くの人にぜひ味わってほしい。(山口 智男)
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オープン・マインドな感性がうかがえる「Disintegration」を始め、"評価を勝ち取る"というテーマが"シューゲイザー"のひと言には収まりきらない多彩な楽曲に実った2作目のアルバム。STARBOARDの今村寛之(Vo/Gt)を中心にエモ/ギター・ロック・シーンで活動してきたメンバーが顔を揃えた4人組。ギター・ロック・サウンドの可能性を押し広げる2本のギターによるスリリングなアンサンブルと、それを支えるしなやかなリズムが音の桃源郷とも言える世界を描き出している。ギターが轟音で鳴るストレートなシューゲイザー・ナンバーはもはや、その一部でしかない。アコースティック・ギターと変拍子を使った「Romance」がアピールする新境地は、前進しようというメンバーの意志の表れ。閃きに満ちた演奏は、今村が紡ぎ出す美しいメロディとともに聴きどころだ。(山口 智男)