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4月の"地獄盤"に続く"天国盤"はモーサム史上最強のハードコア・ファンタジーだ。その中で彼らはこれまでになく明確にそろそろ本気でヤバい地球についてや、ロックンロール・バンドを続けている根本的なモチベーションについて......を歌っている。もしかしたら順番が逆かもしれないが。藤田勇の現行のさまざまなインディー・ミュージックと呼応するセンスが溢れるのは冒頭の2曲。浮遊するシンセと谷底から鳴るような重低音の対比 が天国どころかバッド・トリップ気味の音像を描く「longlong long」、生命感を帯びた「nuts」。そしてフューチャリスティックなR&Rを経て武井靖典(Ba)渾身の叫び調ヴォーカルが涼しげな演奏と凄まじい対比を描くラストの「Kick Out ELVIS」に至るとき、本作が表現する切実さに気づくことだろう。(石角 友香)
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自由のために何だってやる、自分の責任において......それがパンクだと思っている自分にとって、モーサムは今や世界でも希少種のパンク・バンドだ。曲ができすぎたという理由で2回に分けてリリースする、今回は地獄盤。藤田勇がギターに転向して以降のタガの外れた、でもしっかりユーモアも含んだカオティック・ワールドが"HELL"の名のもとにより濃く集結した印象。ラウドで圧は高いがジャンク感はなく研ぎ澄まされた冒頭の3曲に続いて、武井靖典作曲のヒップホップとダブ要素の強い「カルチャー」、武井がヴォーカルをとる妖しげなエレクトロ・ディスコ「イミテイションシティ」、百々和宏が書く少年の日記のような痛みを伴う「ジャムパンちょうだい」など、時代に擦り寄ることの真反対を行きながら自ずと時代を映している。(石角 友香)
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2012.10.13 @恵比寿LIQUIDROOM
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