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Japanese
前作から約7ヶ月ぶりとなる3枚目のミニ・アルバムが到着。2015年5月に1stミニ・アルバムを発表したクウチュウ戦が、この短いスパンに3枚もの作品を発表。楽曲を生み出すバイタリティはどこから湧き出るのかとその貪欲さに感心するばかり。そんな彼らが放つ今作は、ポップ・ミュージックへの愛が止まらない1枚となっている。プレイ・ボタンを押した瞬間、足をすくわれ音に呑み込まれるかのような「ぼくのことすき」から始まり、ジェットコースターのような展開の後、煌びやかなピアノの音色がまるで魔法を解く呪文を唱えてくれるような「魔法が解ける」で現実世界に舞い戻る。音だけを見つめさせられる引力がものすごく、時間が経つのが本当にあっという間だった。彼らが生み出すメロディの魔法にかかるとマジでヤバイ。
あらゆる物事が理性の支配下に置かれ、画一化/効率化されているスクエアな世の中にクウチュウ戦はクエスチョンを投げかける。初の全国流通作となった前作『コンパクト』から約8ヶ月で届けられた『Sukoshi Fushigi』は、こういった大きなテーマを孕んでいる。とはいえ、収録される6つの楽曲が前作以上に洗練されたポップネスを打ち立てているという点から見るなら、今作を上質なポップ・ソング集と言ってしまうこともできる。はっぴいえんど的ソングライティングと井上陽水の歌心の邂逅とでも言うべき「雨模様です」や、リヨのキュート且つ狂気的なポップ・センスが爆発した「台風」、そしてゆらゆら帝国と同じ純度で"美しさ"を描き出す稀代の名曲「エンドレスサマー」などが収録された今作は、必ずやシーンを揺るがすはず。クウチュウ戦の真の快進撃はここから始まる。
"バーニングSFプログレッシブバーチャルリアリティ神秘ロック"という長い肩書きや多展開の曲調、メンバーのヴィジュアルやライヴでの振る舞いなど、奇抜な要素が人目を引きやすいのはわかる。しかしこのバンドの本質は、歌謡曲から正統に引き継いだ哀しみの感情ではなかろうか。ねっとりとした唄い方のハスキー・ヴォイス、グラスの中の氷のようにきらめくキーボード、泣きのギター&ベース。それらの目線は常に過去、喪失、孤独へと向けられる。音楽ですくい上げた感情は誰かの心を震わせることができるのだと、そんな音楽の魔法があるのだと信じているからこその表現の形だということがよく伝わってくる。不特定多数の"君"へ均質的なメッセージをあてがうアンドロイド・ミュージックへの、麗しき反抗声明。
人間ってもっと感覚的な生き物のはずなのに今は理路整然としすぎている。 そこを突き崩していきたいんです
僕らの音楽は"理想郷の提示"です
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