Japanese
プランクスターズ
Skream! マガジン 2023年05月号掲載
2023.03.17 @豊洲PIT
Writer : 藤坂 綾 Photographer:saru、さいちょー、ポテ ヤマムラ
"BUTTER DOG SUMMIT"と題し、タイ、韓国、イギリス、アメリカ、台湾の5ヶ国を回るワールド・ツアーを展開したプランクスターズが、キャリア史上最大のキャパとなる豊洲PITにてツアー・ファイナルを開催。ソールド・アウトで満員の会場を、圧倒的なパフォーマンスで魅了した。
ステージに設置されたスクリーンに、メンバーがタイを旅しているかのような映像が流れると会場からはざわめきが。タイの民族衣装を身に纏ったメンバーが登場し、「スッギョー!!」が始まると、そのざわめきは大きな歓声へと変わった。ワールド・ツアーに合わせリリースされたアルバム『BUTTER DOG SUMMIT』より、まずはタイ曲でライヴはスタートする。曲が終わるとすぐさま映像が流れ、衣装チェンジしたメンバーが再び登場し、次は韓国曲「PiKA Pika」を披露。キレッキレのダンスにフロアはさらに熱くなる。その後もそれぞれの国をイメージした映像と衣装でイギリス曲「ROCKNROLL FUCKIN TONIGHT」、アメリカ曲「君にバイブスを」、台湾曲「ウォーアイニー」と立て続けに歌い、凝った演出でステージを展開していく。
場所を日本に戻し、サーカス小屋をイメージしたステージにセット・チェンジ。「PEW (Physical Education Warehouse)」、「NEMUTAI」、「雨、あの日見たニョロゾ」と間髪入れず披露していくなか、途中エンマチャチャが見事なジャグリングを見せたり、半端ないレーザーやスモークがステージを彩ったりと目が離せない状況が続く。何よりパンチある5人のパフォーマンスに圧倒されっぱなしだし、目が回るほどとにかく楽しい。
ここで改めましてとひとりずつ自己紹介。ツアー・ファイナルへの想いをカン・ニャンが語ったあとは、「おちおめがれま」でさらに一体感を増し、「プランクスターズです。」ではトランポリンでジャンプするメンバーに負けじとフロアも飛び跳ねまくり、「愛しさと切なさと心強さと温もりと君と私と犬と猫と田舎のじいちゃんばあちゃんと昔一緒にカードゲームしてた友達と年越しは絶対一緒に過 (以下略」へ流れ、ここでいったんブレイクかと思いきや、「ソイヤッサ!林くん」では神輿を担ぎ、「絶対エンジェル」ではステージからはみ出しそうな人数のバックダンサーを招き入れ、「DARLING DARLING」ではとうとう事務所の代表が登場して歌ってしまうという破天荒なステージングに。もう愛と笑いが止まらない。
代表を交え、ここでいくつかの重大ニュース発表。"借金返済全国ツアー"、[世界ツアー"BUTTER DOG SUMMIT 2"]、"Zepp東名阪ワンマンツアー"の開催決定など数々の嬉しいニュースが発表され、メンバーもファンも喜ぶばかり。そして、ステージ・セットに合わせ、ゾウやピエロ、ライオンといったサーカスにまつわる新衣装にステージ上で生着替えをする5人。せっかくなのでと全員で記念撮影をし、メンバーひとりひとりが改めてこの日への想い、プラスタ(プランクスターズ)への想い、そしてファンへの想いを告げる。その言葉のひとつひとつからは、口には出さずともここまでの道のりが容易でなかったことが窺えるし、全力で必死にやってきた想いも伝わった。これまでの想いが溢れるなか、この日のために作ったという新曲「とよぴ」を歌い、本編は終了。アンコールは「UFO UFO」と「MACH DRIVE TIME!」。これでもかというほどのレーザーと金銀のテープ、そして止まない大声援に包まれ見事なクライマックスを迎える。
"自由奔放悪ガキアイドル"をキャッチコピーに、これまでも散々悪ガキぶりを見せてきたプランクスターズ。その活動の裏には、誰にも見せない姿や想いがあったりもするだろうし、楽しいだけじゃないのももちろんだろう。それでもただひたすらに我が道を突き進み、様々な人たちを巻き込み続け、この日豊洲で素晴らしい景色を作り上げた。「とよぴ」で見せた涙と、それ以上に堂々とした姿が印象的だったツアー・ファイナル。彼女たちの惜しみない行動力がこの先どこへ繋がっていくのか、今後の展開に期待するばかりだ。
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