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LIVE REPORT

Japanese

リュックと添い寝ごはん

Skream! マガジン 2020年08月号掲載

2020.06.28 @Streaming+

Writer 三木 あゆみ

音楽プラットフォーム"Eggs"のアーティスト・ランキングで常に上位にランクインし、同世代を中心に人気を集めているリュックと添い寝ごはんが、無観客配信ライヴ"ワンコイン青春旅記"を開催した。3月に高校を卒業、1stミニ・アルバム『青春日記』をリリースし、4月から初の東名阪ツアーを行う予定だったが、新型コロナウイルスの影響により中止に。鮮度抜群の青春が詰まったミニ・アルバムを引っ提げ、"さて、ここからだ!"というときに起きた思いがけない出来事。きっと彼らは早く楽曲を届けたかっただろうし、こんな生活の中で、聴いてくれる人たちに少しでも寄り添いたいと考えていたのかもしれない。今回の配信ライヴは、メンバー発案により実現したという。画面越しだけど久々のファンとの再会、久々のライヴということで、ゆったりとラフなアコースティック編成で、そして嬉しいお知らせ盛りだくさんで、彼らなりのハッピーな1時間を届けてくれた。

画面の前で待っていると、しばらくして温かみのあるログハウス風の会場と、いつもと違う雰囲気にまだ慣れてない様子の3人の姿が映し出される。"早速、始めまっていきましょう"と、松本ユウ(Vo/Gt)が"早速"噛んでしまったりして、初めての配信、初めてのアコースティックにちょっと緊張しながらも、1曲目「サニー」からライヴがスタート。"大好きな音楽を 圧もなく楽しみたいから"、"僕ら/歩み続ける"など、今の状況にも重なるような言葉が心に沁みてくる。アコギ、ベース、カホンと歌のシンプルな構成だからこそ、彼らの持ち味であるピュアなグッド・メロディがより核を見せてくるようだ。続いて、青春のカケラを大切に抱きしめるような「グッバイトレイン」では、少し緊張もほぐれてきたのか、堂免英敬(Ba)と宮澤あかり(Dr)が身体を揺らしながら軽快なリズムを刻む。キメの部分もばっちりで、3人のグルーヴはアコースティックでも健在だ。

"いやぁ~緊張するわコレ。でも楽しいです"と松本が話しながら、トークのコーナーへ。今回は事前にTwitterのハッシュタグ"#ワンコイン青春旅記"で、"あなたの青春の思い出"を募集しており、寄せられた投稿の中から気になったものをメンバーがピックアップ。恋愛エピソードを楽しそうに紹介したり、自分たちの高校生活の青春エピソードを交えたりしながら、公演タイトル"青春旅記"の通り、様々な"青春"で盛り上がった。また、ゆるっとした雰囲気で新グッズも紹介。和気あいあいとしたムードにほっこりとしたところで、次のパートに。

アコースティックだし、タイトルに"ワンコイン"が付いてるから、演奏するかも? と期待していた「500円玉と少年」。もともと弾き語りの音源だが、松本の口笛に加えて、堂免によるミニグロッケンと宮澤によるゴーヤ(の形をしたマラカス)の音が彩りを添え、キュートな煌めきを纏い、また違った味わいに。そして、視聴者からの質問コーナーなどを経て、ラストは「青春日記」を演奏。"今の僕にしか/描けない日々を"という意志、鮮やかで儚い景色がふんだんに詰まった歌を松本がまっすぐに歌い上げ、記念すべき初の配信アコースティック・ライヴを締めくくった。

いろいろなことが渦巻いている世の中で、日曜日の夜、ナチュラルにリラックスした空気でライヴを届けてくれた彼ら。癒されながらも、"明日も頑張ろう"と思えた視聴者も多かったのではないだろうか。直接会うことはできなくても、何か心に温かいものを残してくれるような配信ライヴだった。リュックと添い寝ごはんは、今回のライヴ内で、8月26日に渋谷TSUTAYA O-nestで初のワンマン・ライヴ"ワンマンショー in お茶の間"を無観客配信で行うこと、そして8月に新曲を配信リリースすることをサプライズ発表。ワンマンは、今年1月ごろからすでに計画されていたそうだが、コロナの影響で配信ライヴに変更となったという。それでもメンバーの表情は明るくポジティヴで、初めてワンマンができること、音楽を届けられることが楽しみで仕方ない様子だった。そんな彼らの純粋な"音楽を届けたい"という想い、そしてこれからも続いていく彼らの"青春"をまだまだ追いかけていきたい。

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