Overseas
THE MACCABEES
2010.08.07 @千葉マリンスタジアム&幕張メッセ
Writer 沖 さやこ
2005年にデビューを果たしたTHE MACCABEESは、何と今回が初来日。去年発売されたアルバム『Wall Of Arms』の収録曲を中心にステージを展開してくれた。
1曲目「William Powers」。煌びやかで壮大な楽曲だ。1曲の中で表情をガラリと変える鮮やかな音像は、まさしくアート・ロックと呼ぶに相応しい完成度の高さである。呟くように歌うVo&GtのOrlando Weeksは、曲に取りつかれたように静かに身体を動かしギターを鳴らす。その不思議な存在感は目を見張るものがある。
彼らの楽曲は尺がそれほど長くなく、曲の終わり方が唐突である。そしてまとまっているのかまとまっていないのか分からない5人の飄々とした空気。メンバー全員が思い思いに自由にプレイしている。だが、誰の音が主張するわけでもなく、全ての楽器の音がのびのびと美しく溶け合っていく。その美が生み出すダンサブルで軽やかなスケール感にどんどん飲みこまれていく。この絶妙なバランスは彼らにしか成しえないアートだと確信した。良い意味で重くなり過ぎない世界観。静と動が入り乱れる彼らの織り成す物語に陶酔し続けた。
その中でも激しさと眩しいくらいの閃光が差し込むような「Can You Give It?」、Orlandoの低音が静かに響く「No Kind Words」に、ゾクゾクするような胸騒ぎを呼び起こされる。そしてラストに演奏された「Love You Better」。呪文のように何度も繰り返される“Love You Better”という言葉。その言葉がOrlandoの口から発せられる度に情景が明るくなっていくような幸福感で会場が満たされた。
内容の濃い短編小説を次々と読み進めたような30分。終演後の清々しさは格別だった。
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