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LIVE REPORT

Overseas

TAHITI 80

2010.08.07 @千葉マリンスタジアム&幕張メッセ

Writer 沖 さやこ


昨年のSUMMER SONIC東京公演でもBEACH STAGE出演だったTAHITI 80。だが残念ながら昨年は豪雨の影響でやむなくキャンセルとなってしまった。観客にとっても、メンバーにとっても、この日はリベンジの思いが強かったのではないだろうか。

夕焼けと青空が滲む18時過ぎのBEACH STAGE。強過ぎず、弱過ぎない潮風が吹いている。何とも申し分ないシチュエーション。海も砂浜も空も彼らを歓迎しているようだ。

「Here Comes」で幕を開ける。軽やかでしっかりとした硬質な音にまろやかなXavier Boyerのヴォーカルが重なる。「Unpredictable」「Soul Deep」「All Around」と次々に良質なサウンドが送り届けられるわ、水色と橙のグラデーションの空は美しすぎるわ、潮風は優しいわ……これぞまさしく極上のリゾートではないだろうか。遠く海の上には一番星、そして東京のビルの群れ。BEACH STAGEから見えるもの全てがTAHITI80の味方だった。

ファースト・アルバムに収録されている「I.S.A.A.C.」など、新旧織り交ぜたセットリストで幕張の浜が彩られる。ライヴ中盤に差し掛かり徐々に夜に近付いていく。彼らの音色は空の色に合わせて、どんどん大人のムードを醸し出す。このさり気無さはベテランバンドのなせるテクニックだろう。どんどん胸の中がときめいていく。
ラストは名曲「Heartbeat」。勿論観客は大合唱だ。終わった頃にはすっかり夜。TAHITI 80は私達が忘れていた、心の中に埋もれてしまった大切なきらめきを、目の前に優しく差し出してくれた。これぞ究極のポップ・サウンド。

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