Overseas
GENERAL FIASCO
2010.08.07 @千葉マリンスタジアム&幕張メッセ
Writer 沖 さやこ
これでもかという晴天に恵まれたSUMMER SONIC 2010!会場に着き遅めの朝食を採り準備は万端。メッセ内にある3ステージの中で最大のキャパシティを誇るMOUNTAIN STAGEへ向かう。
北アイルランドの新星GENERAL FIASCO。今年アルバム『Buildings』で世界デビューを果たしたことは記憶に新しい。このアルバムを引っ提げ世界各地のイベントに出演。今回SUMMER SONICでもその期待度は非常に高く、だだっ広いMOUNTAIN STAGEには徐々に人が集まっていく。
1曲目「Dancing With Girl」。彼らの持ち味である、シンプルでストレート、かつエモーショナルなギター・ロックが炸裂する、自己紹介には持ってこいの楽曲。暑さが吹っ飛ぶくらいの音の抜けの良さである。それに加えVo&BaのOwen Strathernの華奢な体から絞り出されるハイトーン・ヴォイスは、夏の水浴びのような心地良さと爽やかさがある。彼の実弟であるEnda Strathernとのツイン・ヴォーカルのシンクロ度は芸術的。血の繋がりだけでは語れない絆を垣間見る。
「Sinking Ships」ではOwenがアコギ1本で弾き語りを披露し、荘厳な空気に。その後に演奏された「Ever So Shy」で一気に逆ベクトルへ持っていく。その手腕は実に見事であった。「Ever So Shy」はもともと疾走感が強い楽曲だが、この日はそれに加えとんでもない熱量を発し続けていた。ラストの「Rebel Get By」までそのエネルギーを絶やすことはなかった。
約40分間、常にバランスを崩さず走り抜けたGENERAL FIASCO。純粋に音楽を楽しんでいる彼らだからこそ成しえるごくごく自然なことだったのかもしれない。だがこの大舞台でそれをやってのける度量は見事。1年後またこのステージで彼らを見てみたい。
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