Overseas
THE SPECIALS
2009.08.07 @千葉マリンスタジアム&幕張メッセ
Writer 佐々木 健治
2トーン・スカの元祖、THE SPECIALS。まさかの再結成、そしてSUMMER SONIC出演というニュースに歓喜した人も多いはず。しかも、THE SPECIALSのプロデュースをしたElvis Costelloに続いての登場という、何とも粋な流れ。
Terry Hallを筆頭に、全員がスーツを粋に着こなしたTHE SPECIALSが遂にステージに登場すると、割れんばかりの歓声で迎えるオーディエンス。
一曲目の「Do the Dog」、続いての「(Dawning of A) New Era」と最初から飛ばしてくるTHE SPECIALS。27年というブランクを感じさせないハイ・テンションな演奏。キレのあるホーン・セクションもリズム隊もタイトなビートを生み出して行く。そして、あまり動かずに熱を込めて歌うTerry Hallと、ステージの上をところ狭しと走り回るNeville Staples。もう夢のような光景だ。
少し後ろの方で知人達と観ていたので、周囲はゆっくり観ている人も多かったが、とてもではないが、じっとなんてしていられない。前方の熱狂は言うまでもなく、僕達も踊りまくっていた。
「Too Much Too Young」「It's Up to You」「Gangsters」そして、MCでElvis Costelloへの感謝と敬意を述べてから「Rat Race」、さらには「Monkey Man」とThe Specialsが繰り出すビートに飲み込まれていく。
「君が黒人だろうと、君が白人だろうと、そんなこと彼を嫌う理由にはならないし、闘う理由にもならない」と歌う「Doesn't Make It Alright」では、NevilleとTerryがその肌の色の違いを示すように手を掲げる。とても誇らしそうな彼らの表情で。
その後も、「Concrete Jungle」「Stereotype」、イントロで思わず前方に突っ込んでしまった「A Message to You Rudy」と、緩急をつけながらも、ひたすら興奮し続けるしかないライヴ。極めつけの「Little Bitch」での盛り上がりは、言うまでもない。
最後の「Ghost Town」まで、THE SPECIALSという伝説を2009年に目撃しているという興奮が会場中を包んでいた、ピースフルで熱狂的なライヴ。酸欠になりそうなほどに踊り倒した、今年のSUMMER SONICのベスト・アクト。
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