Overseas
BEN FOLDS
2009.07.19 @幕張メッセ
Writer 遠藤 孝行
ASIAN KUNG-FU GENERATIONのベース山田貴洋がカバー・バンドをしていたというBEN FOLDS。自身の前身バンドBEN FOLDS FIVEの楽曲は日本でもテレビドラマに使われていたり、ファンも多い。昨年のFUJI ROCKでのライヴでもBEN FOLDS FIVEの楽曲が多く演奏され、とても楽しいライヴだった。今回のNANO-MUGEN FES.でも一番日本に馴染みのあるアーティストの一人だろう。
二日間ライヴをしたBEN FOLDSだが、エンターテイナーとしての力を思う存分発揮したのは二日目だろう。BEN FOLDS FIVEと同じ、ピアノ、ベース、ドラムというバンドスタイルで登場。一曲目は「Effington」ピアノをまるで打楽器のように中腰で叩く。一気に世界に引き込まれる。ベースとドラムのコーラス・ワークも素晴らしい。間髪入れず流れたのはソロの中でも人気曲である「Zak And Sara」で会場は一気にヒートアップ。美しいピアノの音色とBEN FOLDSの歌声が横浜アリーナに響きわたる。
そこからはテンポをさらに上げ、「Rocking The Suburbs」でハンドクラップを促し、オーディエンスをまるで魔法にかける様にライヴは進んで行く。ピアノという楽器からあんなに多彩な音が出るのかと思わせるほど。日本のライヴでステージから落ちた事を歌った「Hiroshima」、この曲を日本語で歌ってくれるのもBEN FOLDSならでは。そしてファンにも人気のBEN FOLDS FIVEの名曲「Kate」、「Underground」が立て続けに演奏される。特に「Underground」ではイントロでの歓声が凄い。
ここで通訳がステージに登場。通訳を通して、観客を2パートに分けコーラスを歌わせる練習をしてから「Not The Same」。観客はBEN FOLDSの合図に合わせ「アー、アー」とコーラスを入れる。曲が終わると、ピアノの上に立ち指揮者の様に観客のコーラスを操ると、綺麗なハーモニーが広がる。BEN FOLDSの発想も凄いが、まるで合唱団のようにBEN FOLDSに応える観客も凄い。この不思議な一体感に包まれた後は、美しい音色の「Philosophy」でフィニッシュ。ポップ・ソングの力強さと、ショウの素晴らしさを教えてくれる様な、そんなライヴでした。
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