移り変わる天気のように様々な感情が表現された1st EP。その作家陣には、どついたるねん、KNOCK OUT MONKEY、BACK LIFT、POT(※五十音順)といった強力なロック・バンドが名を連ねた。メロコア、ポップ・パンクを中心とした楽曲の数々は、提供アーティストの個性が発揮され、それぞれのカラーを持っているにもかかわらず作品としてのまとまりを感じさせる。それは、このEPのテーマ性だけでなく、メンバー4人の声が立ってきたことで、歌声で作品をひとつに束ねられるようになったからだろう。リード曲はHold Out Hope提供の「BY MY SIDE」。現行のUSポップ・パンクのテイストを取り込んだサウンドに乗せる、複雑な恋心を繊細なタッチで表現した歌唱に注目したい。
自身初のツアー"#BOLT関東デマス ~初ライブツアーの巻~"のツアー・ファイナルと、恵比寿LIQUIDROOMで行われた"B.O.L.T ONE MAN LIVE 「Voyage」"の2本立てという豪華な映像作品。前者は、初のツアーでの経験を経て成長した4人の姿と、パフォーマンスの充実っぷりが見どころ。2ndアルバム『Attitude』を引っ提げてのツアーということもあり、同作の全曲が収録されているので、CDと共に楽しみたい。後者は、高井千帆のラスト・ティーン・ライヴというメモリアル公演。高井自身が考案した、四季をモチーフにパート分けが施されたコンセプチュアルなセットリストで、"Voyage"のタイトル通りに、メンバーと共に季節を旅する気分を味わうことができる。
表題曲「More Fantastic」は、桜井日奈子主演のBSテレ東 真夜中ドラマ"ごほうびごはん"OP主題歌に起用され、SILENT SIRENのサウンド・プロデューサーとして知られるクボナオキが提供。B.O.L.Tらしい疾走感溢れるロック・ナンバーで、料理用語を巧みに取り入れながら恋愛に絡めた歌詞が目を引く、キャッチーでエネルギッシュな1曲だ。"空想よりも現実のほうがファンタスティックだ"という根底にあるテーマも深い。秋田のバンド Hold Out Hopeが提供したカップリングの「Reborn」は、B.O.L.Tが主軸とするポップ・パンクの中でもよりヘヴィなイージーコアをベースに、エレクトロニックな上物が映える。つい口ずさんでしまうエモーショナルなメロディは秀逸だ。