ミニ・アルバム『love is alive』から約3年ぶりのフル・アルバム。過去曲でもサポートしていた雲丹亀卓人(ex-Sawagi)との「愛していた、これは本当」、YUKIやいきものがかり他を手掛ける湯浅 篤との「アネモネ」など初のコライト曲や、バンド・サウンドが基調となったなか、アレンジ面ではESME MORIとのタッグでmihoro*としては初めてメロウなトラックで歌う曲もありと試みのある作品になった。20代半ばの現在地から見える、変わらないものと変わりゆくもの、大人になっていくことやそこで生じる心の機微を、どちらも大事に歌に落とし込んだ。とてもリアルな体温が宿った曲が並ぶ。10代の頃からあった繊細さ、ちょっとした頑固さも、時を経てチャーミングに描かれている。柔らかな声と飾らない等身大の歌がフレンドリーな1枚だ。
昨年秋、初の全国流通盤『Re:』をリリースしたSSW、mihoro*が今作『love is alive』でメジャー・デビュー。10代から活動を始めて、等身大のリアルな思いや恋愛の曲を多く描いてきた彼女が今作に詰め込んだのは、タイトルにもある愛のストーリーだ。うまく思いが通じ合わないもどかしさや、自分だけがいっぱいいっぱいでから回っている惨めさが滲む瞬間、「馬鹿な女」では自嘲気味に"貴方を好きな私が嫌いだった"とも歌う。自身の体験がもとになっているわけではないというが、そこで描かれる主人公たちの気分、眼に映る情景はとてもリアルで、そんなところが共感を呼んでいる。今の私、いつかの私が見つけられる曲だろう。現在放送中のドラマ・エンディング・テーマ「ミヤコワスレ」も収録。