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INTERVIEW

Japanese

redmarker

2024年06月号掲載

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Member:いっ太(Gt/Vo) 斗夢(Ba) サネトモ(Dr)

Interviewer:吉羽 さおり

2022年5月にスタートし、昨年には自身の企画ライヴを立ち上げ、"出れんの!? サマソニ!? 2023"を通過し"SUMMER SONIC 2023"のO.A.として出演、また様々なサーキット・イベントなどにも出演するなど勢いを増しているredmarker。90年代オルタナ/グランジの香りをさせつつ、キャッチーなポップ・パンクやインディー・ロックを3ピースならではの鋭いアンサンブルで聴かせるredmarkerが、1stアルバム『redmarker (the red album)』をリリースした。やっていることはちょっとひねくれているが、何かにとらわれることなく、思うままに音を形にした衝動感がまっすぐ突き刺さる内容で、THE BEATLESで言えば"ホワイト・アルバム"(『The Beatles』)、WEEZERで言えば"青盤"(『Weezer』)のような、バンドにとってシンボリックな作品になるアルバムだ。インタビューは初めてという3人に、音楽性やアルバムについて話を訊いた。

-まずはバンドの成り立ちからおうかがいしていきたいのですが、まだ結成から2年と間もない感じですよね、どんなふうにスタートしているんですか。

いっ太:ベースの斗夢と僕は高校が一緒で、軽音部でやっていて。卒業して一緒に音楽系の専門学校に入学したんですけど、そこでドラムのサネトモと出会ってバンドをやろうかとなりました。

-いっ太さん、斗夢さんは高校の軽音部ではどんなバンドをやっていたんですか。

斗夢:オリジナルもやってましたね。

いっ太:あとはNIRVANAとかもやってました。その頃は英語の歌しか歌いたくねぇみたいな感じで。

-みなさんの世代で高校時代にNIRVANAのコピーをするバンドってあまりいないんじゃないですか。

いっ太:全然ウケなかったです(笑)。でも好きだったし、思春期だったからたぶん、人と同じことをやりたくなかったみたいなところもあって。

-サネトモさんも高校時代からバンドをやっていたんですか?

サネトモ:そうですね。その頃は重い、メタルっぽいものをやってました。ウケないやつです(笑)。

-専門学校で出会って、なぜこの3人で結成することになったんですか。

いっ太:サネトモは顔がかっこ良かったので、声を掛けたんです。入学式のときにドラマーいねぇかなって感じで探していたら、"あいつかっこ良くね?"となって。そのときはドラマーかどうかもわからなかったですけど、ドラマーだといいねって斗夢と話していて、いざ声を掛けてみたらドラマーで、パートも揃ったしすぐにスタジオに入ろうという。で、音を合わせたらめちゃめちゃ良くて。

サネトモ:学校のロビーみたいなところでナンパされましたね。いっ太が作った曲を聴かされて、"こんなのやってるんだけど"って。いいやんと思いました。

-いい巡り合わせでしたね。それぞれのルーツというのはどうなんですか? 実際一緒にやってみて近い感覚はあったんですか。

いっ太:僕はMr.Childrenですね。小学生の頃はミスチル(Mr.Children)だけ、それ以外の音楽は聴かないっていうくらいで。ミスチルってキャリアが長いバンドだから、僕が小学生の頃にはすでにたくさん曲があったんですよね。それを聴いてたら日々終わっていくので、ずっとミスチルを漁って聴いてました。

サネトモ:僕は、Crossfaithかな。中学生まではそんなにバンドのものを聴いてなかったんですけど、高校生くらいから聴き始めて、そこからONE OK ROCKとかラウド系にハマりました。ドラムは小学生くらいのときに出会っていたんですけど。

いっ太:僕も高校のときはサネトモと同じようなバンドを聴いていましたね。だから始まりは違うんですけど、好きな音楽は一緒という感じです。

斗夢:自分はバンドを始めたのが高校時代で、いっ太と出会ってからだったんですけど、そこで初めて合わせたのがNIRVANAの曲だったので、ルーツというか思い入れのあるバンドというとNIRVANAなんですかね。

-いっ太さんが曲作りを始めたのはいつ頃からですか。

いっ太:小学校のときに伝説の曲を1曲作って、中学校のときも1曲作って......みたいなペースでやっていて、サネトモに会ったときに聴かせたのは、マジでバンドをやりたいなと思って作っていた曲でした。まずこういうメロディでって歌から作るんですけど、アレンジについてはベースとドラムのことはよくわからないので丸投げという感じで。あまりそこまでこだわってないです。

サネトモ:送られてくるデモはベースとドラムは簡単な、8ビートの感じで。

いっ太:曲として成り立つくらいの感じですね。あとはやってくれという。

-そこからアレンジについては主に3人でスタジオでやっていくんですか。

いっ太:そうですね。

-結構アナログな作り方をしているんですね。

いっ太:そうですね、今はいい感じにミックスしてます。最近はデモを作り込むこともあれば、シンプルにスタジオでバッと合わせたり、先にスタジオで生まれることもあったり。DTMを始めたのは専門学校に入るタイミングくらいで、パソコンとか嫌だったんですけど、これだと早いなって思いました。その場その場の方法でやってますね。今3人で合わせちゃったほうが楽だなってときは、じゃあこんな感じでとか伝えてやったり、これはうまく伝わらないだろうなというときは、家で作ったり。

-3人で最初に作った曲ってどういう曲ですか。

いっ太:最初は、「paranoia」(2022年5月配信リリースの1stシングル)ですかね。あれはredmarkerが始まる前から作っていた曲で。

サネトモ:最初にいっ太に聴かされたのが「paranoia」と「popstar」で、2曲ともジャンルが違ったので、いいなと思ったんですよね。

-こういうバンドになりたい、こういう音楽をやりたいというヴィジョンは結成時にあったんですか。

いっ太:最初にスタジオで何を合わせるかっていうときに、まずNIRVANAやAge Factoryをやろうとなって。Age Factoryはふたりに教えてもらったんです。スタジオ練習までに曲を覚えるなかで俺もめっちゃハマって。だから3人共通していいなっていうバンドは、Age Factoryですね。編成も同じだし、意識もしていると思います。

-歌心があるバンドですしね。

いっ太:Age Factoryを聴いて、日本語で歌うのがいいなってなったんです。それまで英語で歌っていましたけど、英語ができるわけでもなくて、ただ日本語でどうかっこ良く伝えられるかがわからなかったんですよ。Age Factoryを聴いて、日本語でもめちゃくちゃかっこ良くできるんだってわかって、自分たちも日本語でいこうとなりました。

-日本語で歌詞を書くようになると、より歌詞へのこだわりが出てきそうですが、どういうことを大事にしていますか。

いっ太:僕が全部書いているんですけど、今の若い子ってあまりお説教みたいな、ど根性みたいな歌は好きじゃないと思うんです。だから響きはチャラく、でもちゃんと聴けばめっちゃ核心的なことを言ってるみたいな歌が良くて。今の時代に合わせつつも、俺の小言をチャラく歌ってる感じです。ふざけてるなって感じる人はそれでいいし、ちゃんと聴いてくれる人は実はこういうことなんだなと思うくらいがちょうどいいですね。

-アレンジ面についてはどうですか。アルバムは結構幅広い内容で、それでいて、3ピースらしくいい塩梅で引き算ができているアレンジだと感じているんですけど、そこはやりすぎないようにとか、さじ加減を見ながら組み立てているんですかね。

いっ太:大したもんじゃないんですけど、いい意味で"適当"なんですよね。まずは直感でやってみて、今レコーディングしてくれているエンジニアの人はやりたいことを汲んでくれて、俺がなんとかするからって言う人なので、信頼していて。直感的にパッとバンドで合わせて、そのままのアレンジでレコーディングをして、蓋を開けてみたら、それこそ引き算された洗練された感じになっているんです。今のところはうまくいってるかなと思います。

-そんな感じなんですね(笑)。

斗夢:シンプルがいいんですよ。難しいと弾けないし、シンプルなほうが弾いてて気持ちがいいし、ライヴでも楽しいですしね。

-今回のアルバム制作はいつ頃からスタートしているんですか。

いっ太:昨年末くらいです。前作の『on the edge』(2023年リリース)というEPまでは、自分らでよくわからないままやっていて。今の時代、サブスクで聴けないと広がっていかないので、とりあえずこんなバンドやってますというのを、自分たちでソフトで作ってやっていたんです。クソみたいな音源でしたけどね。でもお金もないしレコーディングもできないので、いったんこれで出そうというものだったんです。最近ようやくレコーディングできるようになってきて、そうなると新しい曲と既存曲との差が激しくなってしまって、前に出した曲はいったん消そうと。でもいい曲もあってもったいないから、それを再録しつつ、新しい曲も作ってアルバムにしようという感じだったんです。既存曲が半分くらいあるので制作としてはサクサク進んでいました。

-最初にサネトモさんに聴かせた「popstar」もアルバムで再録となりましたが、生まれ変わった感じですかね。

いっ太:音がいいですね。当時は、音が悪くても曲がかっこ良ければ良くねぇ? と思っていたんですけど、音楽を知れば知るほど音が大事だなって。あとは当時は打ち込みでやるしかなかったんですけど、ドラムも生で録ってます。サネトモが叩いたものができたときは、マジで嬉しかったですね。

-「popstar」などは今のリアルなポップ・パンク・サウンドっていう感じですね。

いっ太:そのあたりも特にこういう感じでってエンジニアの人とは話さないんですけど、感覚的にわかってくれていますね。