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INTERVIEW

Japanese

Nornis

2024年06月号掲載

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Member:戌亥とこ 町田ちま

Interviewer:高橋 美穂

-先ほどからおふたりとも歌が大変だったとおっしゃっていて。そういうなかで言うと、3曲目のケンカイヨシさん作詞作曲「ジョハリ」は、かなりテクニカルだと思いますが、どうでしたか?

戌亥:もう、ほーんとに大変でした(笑)!

町田:(笑)

-ひと際声が大きくなりました(笑)。

戌亥:ほんとに(笑)。ディレクションの際に"感情をなくして、癖をなくして、やる気もなくして、全部なくして"っていう指示があって。極限まですり減らした結果、歌っているときの感覚としては、したことがないけれど幽体離脱みたいな(笑)。遠くのほうから客観的に歌っている自分を眺めているような。全部をなくして歌うという経験がなかったので、あとで聴いて、こんな歌い方をしていたの!? って感じました。町田の歌い方とのギャップもあると思います。

町田:町田側はディレクションの際に"ここは楽しそうに歌って"、"ここは嘲笑うように歌って"、"アナウンサーみたいな感じで"とか、いろんな要望をいただいて。だいぶ情緒不安定な人になっていましたね(笑)。淡々と歌う戌亥とこと、とにかく様子がおかしい町田ちま、みたいな感じになっています(笑)。

-どちらもこれまで聞いたことがない難しそうなディレクションです。ここで高い壁を越えられたような実感もあるんじゃないんですか?

戌亥:どうなんですかね? 壁をぶち抜いて走っていった、ぐらいな感じです(笑)。

-もしかして、おふたりにとって「ジョハリ」って、未だ捉えどころのない不思議な楽曲なんでしょうか。

町田:一応レコーディングの前に説明していただいたんですけど、だるさ的なものを出してほしいって聞いていたのに、町田側は情緒不安定なディレクションだったから、"これはいったい!? わからない!"ってなって、今もわからないです(笑)。

戌亥:ライヴでも、いろんな世界観が見せられる楽曲だと思います。"今日の「ジョハリ」はこうだった"みたいな(笑)。

町田:いろいろ出てきそうで楽しそう!

-でも、生でいろんな人格に入れ替える町田さんも、オーディエンスを目の前にしながら感情をなくさなきゃいけない戌亥さんも、大変ですよね。

戌亥:どうなるんでしょうね。町田は表情がコロコロ変わって、私は真顔でじっとしているかもしれない(笑)。乞うご期待で!

-はい(笑)! 4曲目は初回限定盤と通常盤で楽曲が違っているので、まずは初回限定盤の「just wonder」について。これは堀江晶太(PENGUIN RESEARCH/Ba)さんの作詞作曲ですが、ロックな激しさ、エモーションを感じます。こちらのディレクションはどんな感じだったんでしょうか?

町田:ちょっとしたものはあったんですけど、それを上回るくらいたくさん褒めていただきました(笑)。

戌亥:たしかに(笑)。めちゃくちゃ褒めてくれた。いただいたときは、Nornisにしては攻めた路線の楽曲だと思ったんです。ラップみたいなのもあるし、最初は想像がつかなかったんですよ。録るときも、いろんな歌い方を試した記憶があります。でも、そのときもずっと褒めてくれました(笑)。

町田:とこちゃんのラップって、あまり聴いたことがないというか、過去にやったことある?

戌亥:ラップというラップはないと思う。

町田:だから新鮮だったし、新しい戌亥とこを見られた気がします。

-戌亥さんは、"私ラップやるの!?"みたいな戸惑いはなかったんですか?

戌亥:"ラップみたいなこともやってみたいね"とは前々から軽く話していたんですよ。謎にチャレンジ精神だけはあるので(笑)。だから、"ついにラップをするときが来たぞ!"っていう(笑)。まぁ、ゴリゴリのラップではないけどね。

町田:そうね、オシャレ系の。

戌亥:これからさらにラッパーに近づいていこうと(笑)。

町田:どこに行くのかな(笑)?

-(笑)でも、声質的にも違和感なかったですよ。

戌亥:あら、嬉しい。

町田:声に合うもんね。

-町田さん的には、「just wonder」はいかがでしたか?

町田:ちょっと戦隊モノ感があるというか、そのぐらいの熱さがある楽曲だと思います。

戌亥:たしかに!

-そういう意味で、この楽曲もライヴが楽しみですね。

戌亥:そうですね。拳を上げてほしい!

町田:いいねぇ!

-ライヴと言えば、通常盤の「Shangri-la」も"Sha la la"と口ずさめそうですし、聴いていてライヴが楽しみになったんですよね。

戌亥:バレちゃいましたか(笑)。まさしく、ライヴ会場でみんなと歌えるような楽曲が欲しいっていう話をしていて、且つ、明るいけれどエモーショナルな感じの楽曲がいいよね! って作っていただいたんです。ぜひ"Sha la la"って歌ってほしいですね。あと、クラップも入っているんですけど、スタッフさんにも参加してもらって録ったんです。

-すごい楽しそう!

戌亥:まぁ、スタッフさんが一番楽しんでいたんですけど(笑)。

-(笑)でも、スタッフさんは最初のオーディエンスですからね。そういう方たちが盛り上がってくれたお話をうかがうと、ライヴでも盛り上がる予感がします。町田さんは、歌っていても楽しかったですか?

町田:楽しかったです。Nornisの楽曲って落ち着いたものや暗めのものが多いなかで、この楽曲は明るいので新鮮でしたし、気合も入りました。

-続く5曲目「innocent flowers」は和楽器バンドの山葵(Dr)さん作詞作曲ですが、これまたカラフルでポップな楽曲になっています。この楽曲をいただいたとき、どう思いましたか? 

戌亥:明るーい! って思いました(笑)。ほんとにNornisの楽曲ってミステリアスとか壮大なものが多いので、こういう爽やかで明るい雰囲気は珍しい。ふたりともレコーディングのときに、歌声に憂いがあるねって言われることが多いんですけど、それでこの明るい楽曲を歌うとどうなるんだ? という実験みたいな気持ちもありました。

町田:町田は、明るく歌うことが前々から苦手で。ただ、これはみんなの背中を押すような楽曲なので、明るい歌い方に向き合わなきゃ! って思いながら、すごく笑顔で歌いました。

戌亥:明るかったよ(笑)!

町田:良かった(笑)。