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INTERVIEW

Japanese

LEEVELLES

2024年02月号掲載

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Member:小川 紘輔(Vo) 川﨑 純(Gt) 宮地 正明(Ba) 髙木 皓平(Dr)

Interviewer:藤坂 綾

昨年8月、1stデジタル・シングルで「ヨルヲカケル」でメジャー・デビューを果たし、同年10月には2ndデジタル・シングル「地獄の沙汰も愛次第」をリリース、12月には東京と大阪にてワンマン・ライヴ"ありえ音ぇ♪!今年メジャーデビューの新人バンドが話題沸騰中の月曜ドラマのオープニングを担い、そのオープニング映像がSNSで大きな話題を巻き起こしている中、突然の「トクメイ」を受けて急遽ワンマンライブを行う事が決定!!タイトルは曲にちなんで「地獄の沙汰もライブ次第」師走のご多忙の時期ですが是非足をお運び頂けますようお願い申し上げます!!"を行い、着々と進化を遂げるLEEVELLESが、今年1月から放送中のアニメ[姫様"拷問"の時間です]のエンディング・テーマとなるニュー・デジタル・シングル「明日は明日の風が吹く」をリリース。"誘惑"をテーマに描かれたその世界は、その言葉とは裏腹に、身体全体の力がふっと緩むような、そんな優しさで満ちている。バンドの新たなアプローチともなる今作について、4人に話を訊いた。


誘惑や煩悩に負けることが人間らしくもあり、その人間らしさが愛おしい


-アニメの原作はご存じだったんですか?

川﨑:"(少年)ジャンプ+"が大好きでずっと読んでたので、"姫様("拷問"の時間です)"も連載開始から読んでました。そこでアニメになるっていう話を知って、これは楽しみだな~と思ってたらコンペの話が来て。だから実際決まったときは、メンバー全員めちゃめちゃ嬉しかったよね。

小川:"えーーーーー!?"ってね。

川﨑:コンペに参加してからしばらく期間が空いたんで、ダメだったんだなと思ってたら決まったっていう連絡がきて。

小川:いいお知らせがありますって(笑)。

川﨑:めちゃめちゃいいお知らせでした(笑)。

髙木:僕はコンペの話が来てから原作を読んだんですけど、あのマンガって入口がちょっとおどろおどろしいじゃないですか。だから読んでなかったっていうのもあるんですけど、読んでみたらめっちゃ面白くて。そのアニメにこうやって関わらせてもらえてありがたいし、アニメのタイアップは僕にとってはひとつの大きな夢でもあったので、めちゃめちゃ嬉しいです。

小川:実際決まったときは正直実感が湧かなかったんですよ。でも初回放送を観て、"あー、ほんとに僕らが歌ってる"って(笑)。エンディングの画がめちゃめちゃかわいいんですけど、その後ろで僕らの曲が流れてるというのは、言葉にはできないくらいの感動がありました。

宮地:コンペに挑むときのメンバーの熱量が高かったから、選ばれたときはやっぱり嬉しかったし、アニメのテーマ・ソングというのは音楽をやっていくなかで憧れでもあったんです。自分が観てたアニメに使われてた曲ってすぐに思い浮かぶじゃないですか。そういうものに自分たちの曲が起用されたっていうのはありがたいことですよね。

-曲作りはどのように進めていったんです?

小川:テーマが"誘惑"なんですよ。誘惑というか、煩悩というか。誘惑ってあまりいい言葉として使われるイメージがないじゃないですか。例えば誘惑に負けたとか、誘惑に負けないように頑張りますとか。でも、誘惑に負けることって別に悪いことではないんですよね。誘惑に負けたからってその日が最悪な1日になるわけでもないし、誘惑や煩悩に負けることが逆に人間らしくもあって、その人間らしさがあるから愛おしいというか、愛があるというか。アニメも誘惑と闘うというところが根底にあるので、そういう人間らしさみたいなものを出しつつ、聴いてくれる人たちがもうちょっと気楽に歩めるようになればいいなって。気合を入れすぎずに、失敗すらも楽しんで人生を歩めたらいいなと思って作りました。

川﨑:"Be alright"だね、"Be alright"。

小川:突然(笑)。

髙木:最近しょっちゅう言ってるからね。

川﨑:なんかあったら"Be alright"って。

小川:言いすぎでちょっと腹立ってくるんですよ。

-ふふふ、一気に気持ちが軽くなる言葉ですよね。

川﨑:大好きなんですよ。ライヴでみんなに言ってほしいんです。

-いいですね。

川﨑:でも歌詞はかなり難航したよね。

小川:難航しましたね。誘惑に負けてもいいじゃないかって言いましたけど、僕らの曲でそれに似たテーマ、等身大でいいんだとか、自分らしくていいんだって、そういうテーマの曲があるんですけど、どうしてもそういう方向に行きがちなんですよ。でも今回はそのふたつとはちょっとニュアンスが違って。

-はい。

小川:等身大でいいっていうことと誘惑に負けていいっていうことの、このふたつの違いがすごく難しくて、書いてると傾向的にどうしても自分らしくていいんじゃないかっていうほうに行っちゃうんです。例えば、誘惑に負けて失敗した出来事があったとして、それを糧に頑張ろうっていうのとは違うんですよ。失敗しても、誘惑に負けても、それはそれ。明日は明日の風が吹くから、それはまた別物として気楽にいこうよっていう曲にしたかったんです。

-あー、なるほど。それはすごく難しいかも。

小川:そうなんです、そこがすごく難しくて。自分らしくていいってなるとまた違うテーマになっていってしまうから、起結の部分がまた変わっていっちゃうし。

川﨑:2~3個ボツになってるんですけど、そのなかで"明日は明日の風が吹く"っていう言葉が出てきたときにようやく方向性が見えたんですよね。

小川:ちょっと強制力があるじゃないですか。自分らしくていいとか、等身大の自分でいいとか、失敗が糧になって明日を作るからっていう肯定の仕方って強制力があるというか、厚かましいというか、だから前に進もうっていう感じになっちゃうみたいな。

川﨑:そういうテーマ自体は悪くはないんだけどね。

小川:今回歌おうとしてたこととはちょっとズレちゃうよねってね。失敗があるからそれでも歯を食いしばってということではなくて、失敗しちゃったけど、それは気にせずにまた明日新しい日を迎えようよって、そういう気軽さが欲しかったんです。その気軽さを表現するのがすごく難しかったんですよね。

川﨑:"明日は明日の風が吹く"っていう言葉が出てきて、そのあとに"Be alright"が出てきて、このふたつがこの曲のキーワードになったのかなとは思いますね。

-"明日は明日の風が吹く"というのはどのタイミングで出てきたんですか。

小川:これはわりと制作の最初のほうで出てきてたんですけど、このタイトルに決まる前に、"人生賛歌"とかいったん違うタイトルが出てきてたんですよ。どちらにせよ人生を楽しもうよっていうタイトルではあったんですけど、やっぱりタイトルって重要じゃないですか。パッと見たときにわかりやすくて、且つフックがあるものにしたくて。となると、"明日は明日の風が吹く"って強い言葉だし、わかりやすいし、タイトルを見ただけで"きっとこういうことを言いたいんじゃないか"ってわかると思ったんですよね。なのでこのタイトルにしました。

川﨑:誰もが知ってる言葉だし、"風と共に去りぬ"に出てくる言葉でもあるし、これはいい作品になるなという確信を得たワードでしたね。

髙木:人生の深い話や重い話にいこうとする傾向がLEEVELLESにはあるんですけど、今回は人生じゃなくて日常に対する肯定のニュアンスを選ぶということが難しかったですね。でも"なるほど、こういう書き方もあるんだ"、"こういう軽い感じでもいけるんだ"っていう新たな発見が僕の中ではあったし、今までのLEEVELLESにない新たなアプローチだなと思います。

宮地:もとのデモ曲はもうちょっと優しい感じだったんだよね。

川﨑:アレンジ的にね。

宮地:優しくてきれいな雰囲気の曲だったんですけど、もうちょっと楽しくノれる方向にしようということで今の形になったんです。肩の力抜いて聴けて、みんなで歌いたくなる感じにしたくてね。

川﨑:もとのデモよりはノリやすいというか勢いのある感じ、軽快な感じになりつつ、歌に関しては優しさもありつつね。

小川:どんどん良くなっていったよね。ギター・ソロもあとからつけたりして。

川﨑:なんでもありというかね、何を取り入れても"Be alright"な感じで(笑)。すごく欲張りな曲というか、もちろん歌詞に関してはひとつのテーマを大事にして書いたんですけど、曲のアレンジや全体に関してはやりたいことをやって、各々のプレイもちゃんと自分を表現できてるし、自分の想う「明日は明日の風が吹く」にできたんじゃないかなと。