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INTERVIEW

Japanese

MIGMA SHELTER

 

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Member:ブラジル タマネ ユイノン ワニャ+ ナギムー メリサ スイミイ

Interviewer:宮﨑 大樹

物語を終わらせないための物語というか、進み続ける覚悟を持って作り上げた作品


-「Any Colours」の楽曲全体の印象はいかがでしょうか?

ブラジル:切なげなメロディあり、攻め攻めイキりパートあり、語りパートありですごく展開が面白い曲です。

タマネ:"OZ"シリーズ全体を通して言えることではあると思うのですが、楽曲の展開がすごい(個人的に一番?)めまぐるしい......! と思いました。終幕を表すかのようなモノローグが印象的です。私はやっぱりラップ・パートが好きです!

ユイノン:"みんなめちゃめちゃ踊っちゃうんじゃない?"って思った! 竜巻の中を想像した、暗いけど虹が見える。

ワニャ+:この曲を聴いてるとすごい誇らしい気持ちになります、最高のメンバーでしょって。

ナギムー:楽曲テーマに通ずるところがあるのですが、率直な感想としては、"エンディングに相応しすぎる~~~!!! エンドロールが見える~~~!!!!!!"と思いました。初めて聴かせていただいたとき、冒頭が流れた瞬間"ミュージカルやん"と思って、そこからまた1秒たりとも飽きさせない怒濤の展開が始まり、改めて"(これひとつで)物語やん......"と納得しました。

スイミイ:落ち着いているが内に秘めた思いが燃えている。

メリサ:とにかく初めて聴いたときはたくさん踊る曲だなと感じました。ラップも入っているのでとてもカッコいい!

-「Any Colours」についても、歌詞の印象や気に入っているフレーズを聞かせてください。

ブラジル:"ドロドロにしたい!"という歌詞が2回出てくるのですが、メリサとナギムーの個性が爆発していてどちらも最高です。

タマネ:"晴れ晴れした帰路 思いを馳せるはレンガの黄色"、"長めの散歩終わらせる三歩 私は今何色"がすっごい好きです!

ユイノン:"七色をぶちまけたいんでしょう?"。

ワニャ+:みんなで繋いでいくラップ・パートが"この物語を私たちのものにしてきた"感があって好きです。

ナギムー:これもまた前述の話に通じるのですが、音で物語をしているのに加え、歌詞での回収具合がまた天晴れで、映画を踏まえたうえで歌詞を読み直すと"えっ気持ち良ーーーー!"となるくらい丁寧に細かに物語をおさらいしてくれています。具体的には各々自身で読み解いてもらったほうがきっと楽しいと思うので触れないでおきますが、ラップ部分は特に気持ちがいいと思います。気に入っているフレーズは"Any Colours"と"The ending's gray"です。映画"オズ"のモノクロとカラーを行き来して主旨を際立たせる演出が大好物だったので、キメの重要な部分でそこを回収してくださり"そうだよな~♪"と思いとても嬉しかったです。

スイミイ:"You will become beautiful gray"="あなたは美しい灰色"、つまり何色にでもなれるというフレーズが胸に響いた。

メリサ:みんな優しく歌ったり、ラップはカッコ良くとか、キメるところをキメててカッコいいので1曲に対していろんな感情が湧き出ると思います。気に入ってるというか印象的なフレーズは"ドロドロにしたい!"です。レコーディングしたときはタニヤマ(ヒロアキ/サウンド・プロデューサー)さんも笑ってたぐらいのとてもおかしな感じだったので、逆に使われると思わなかったのでむしろ気に入りました。

-「Any Colours」についても、聴きどころやレイヴでの見どころを聞かせてください。

ブラジル:最後にスイミイとブラジルによる"語り"があり、MIGMA SHELTERでは珍しいパートなのでぜひ聴いてもらいたいです。

タマネ:実はまだ振付レッスン前なので、"ここを見て! お客さんがやってるところを見せて!"みたいなポイントはまだないのですが、現段階では最後のモノローグがどんな構成になっているのかがとても楽しみです。

ユイノン:静かな歌からバキバキラップになるところでキマリます。

ワニャ+:振り入れがまだなので振りがついたらまたイメージが変わりそうだけど、"物語の最終章"をしっかり届けられるパフォーマンスをしたいし、単体でも素敵な曲だから爆踊れるフロアにしたいです。

ナギムー:まだレイヴで披露してないため想像で回答いたします。私は歌が大好きなので、この曲もAメロの"緑の指は深く"~"笑み有る流離い"の部分が、歌い方のニュアンスも含めてとても好み且つ歌う人によって雰囲気がグッと変わるところも面白いのでぜひ注目してほしい......! 自分としても大好きな歌い方ができたので聴いてほしい......! と理性では思うのですが、この曲はとにかくどこを切り取っても音が気持ち良すぎる楽しすぎるので、おそらく何も考えられなくなってしまうし、"なんでもいいから踊れ!!!!!"という気持ちにこちらもなってしまうだろうなと思います......。いっぱい楽しみましょうね!

スイミイ:カッコいいラップ。

メリサ:今回はラップが長めなのでメンバーそれぞれのラップをぜひ注目してみてほしいです。

-『OZ three』のジャケット写真は、花の中から人間の腕が出ている、意味深なものに仕上がっていますね。このジャケット写真にどんな印象を受けていますか?

ブラジル:私もお客さんと同じく、Xに載せられたタイミングで初めてジャケット写真を見たので、"なんだこれは(笑)?"と思いました。真ん中から出ているのは田中さんの手でしょうか? 花に埋もれて助けを求める田中さんの手をメンバーが箸で摘もうとしている、とかだったら面白いですね。

タマネ:これ本当に知らないんです! なぜなんでしょう? 下のほうに箸らしき何かがあるのも面白いなと思っていました。個人的に花が散ってるのは魔女の命が散ったから、手が出てきているのはドロシーが魔女を倒したことや自分の欲しかったものを手に入れて、まさにもとの世界に帰る瞬間を表しているのかな? って勝手に解釈してます(笑)!

ユイノン:竜巻、刺身、ミミミユだ! トルネードに巻き込まれてる人、バイバイって手を振っててエンディングっぽくしてる!? わからないです。

ワニャ+:お花に吸い込まれているようにも見えるけど、何かを掴みにきてるのかなって思ってました! なんなんだ!?

ナギムー:最初の率直な感想は、"左上のマグロみたいなやつ美味しそうだなー、肉かなー、いやマグロだなー"でした。全然わからなかったですが無理やり考えると、バラは竜巻且つドロシーの人生、花弁を散らしながら(「Brave」)巻き込まれていく手はドロシーで、中心に向かうほど、つまり巻き込まれるほどモノクロから色づいていく(「Any Colours」)。そうして落ちる世界は緑で埋まる"Emerald"の都、"オズ"の世界。などと考えましたがやっぱりマグロが気になって気になって......。

スイミイ:狂気。人間の誕生。

メリサ:初めて見たときは助けを求めている手なのかなとか、"オズ"の世界に迷い込んで抜け出せなくなっちゃった人なのかなと勝手に思ってました。私は楽しいほうがいいので抜け出せないほうがいいですね。

-"オズの魔法使い"を題材にした3部作を総評して、ミシェルにとって、聴き手にとって、それぞれどんな作品になったと感じますか?

ブラジル:MIGMA SHELTERにとっては、確実に前へ進み続けるための作品でした。物語を終わらせないための物語というか。進み続ける覚悟を持って作り上げた作品です。聴き手にとっては、レーレやミミミユの参加した最後の作品だったのでやはり寂しい気持ちも大きいと思いますが、これまでの思い出もこれからの希望も詰まった作品として大切にしてもらえたらとっても嬉しいです。

タマネ:『OZ one』のインタビューの際にもきっとお話ししたのですが、以前のアルバム(2020年リリースの『ALICE』)に"不思議の国のアリス"というテーマを、そして今回物語という繋がりでどうして"オズの魔法使い"を持ってきたのか。"(不思議の国の)アリス"はひとりの女の子がいろいろな人物と出会って、経験して、戦って、自分の世界に帰ってくる話。対して"オズ"は、ひとりの女の子が、それぞれ足りないと思っているところを抱えた仲間と出会って、お互いを思いやり助け合いながら魔女を倒して、自分の欲しかったものも見つける話。まさにこれまでの私たちが必要としていたもので、これからの私たちにも必要な教訓だったと思います。おかげでMIGMA SHELTERはグループとして強くなることができました! 初めて観る方でも見どころがわかりやすい曲が詰まったシングル3部作なので、お客さんが独自に発見した沸きどころもたくさんレイヴ中に見られて嬉しかったです。そういう意味で、その日のセットリストに入っていると着火剤になるような曲が多かったかな? と今になって思うので、よりレイヴを楽しめるきっかけに、ファンのみなさんがしてくれたのではないかと思います!

ユイノン:3部作を通して、卒業があったり新しい仲間が加わったり、いろんなことがありました。たくさんの人で作り上げてきたMIGMA SHELTERをこれからも新しい物語で繋いでいくんだって思った作品になったと感じました!

ワニャ+:私は自分に足りない部分だったり、でも本当はそんなことはなかったりを一緒に感じたり感じさせてもらいながら進んできたので、グループにとってもそういう作品になっていたら嬉しいし、聴いてくれるみんなの希望になるような作品にできていたらなって思います。

ナギムー:『OZ one』は、魔女の内面やドロシー、ライオン、木こりなどが抱える問題にフォーカスしたプロローグ的作品。『OZ two』はさらに詳しくそれぞれのキャラを深掘りすると共に、物語のテーマに少しずつ迫っていく作品。『OZ three』はようやくドロシーに辿り着き、彼女の物語、現実社会と逃避してきたオズの世界との両方を行き来する冒険を総括的に振り返る作品。

スイミイ:明るい未来を感じさせる作品になったと感じる。個々というよりグループ全員で作り上げるステージ、作品となったと思う。

メリサ:ミシェルにとっては冒険をした作品だと思いましたし、聴き手にとってはそれぞれの解釈でミシェルなりの"オズの魔法使い"を楽しめる作品になった気がします。

-ミシェルはこれまでに"不思議の国のアリス"、"オズの魔法使い"というふたつの物語を題材にした作品をリリースしてきましたが、今後何かの作品を題材にするとしたら、どんな作品をテーマとしたいか、理由とともに聞かせてください。

ブラジル:"メアリー・ポピンズ"を題材にしたら楽しそうだと思います。映画とは違い、原作のメアリー・ポピンズは気難しく高慢で冷たい魔女です。そんなメアリー・ポピンズになりきる曲があってもいいですし、例えばメリサやスイミイがそんな彼女に振り回されてあたふたする曲があってもかわいいと思います(笑)。また、物語の中で主人公たちが訪れる様々な非現実的な空間は、音としてMIGMA SHELTERが表現したらかなりハマると思います。踊りをやめられない牛や、人間が檻の中にいて動物が外にいる逆動物園などをモチーフにしたら、すごく遊べる曲ができそうです。

タマネ:"メアリー・ポピンズ"は面白そうだなと思いました。作品の中に様々なメッセージが込められているのもそうですが、"Supercalifragilisticexpialidocious"って言ってみたいので。

ユイノン:宮沢賢治の"銀河鉄道の夜"。夢の中で不思議な世界を旅する幻想的な物語がMIGMA SHELTERに合うと思った。

ナギムー:"ヘンゼルとグレーテル"。怪しげだけど目の前で繰り広げられる誘惑に抗えられず、よくわからないうちに快楽に堕ちていく感じがミシェルっぽいな~と思ったのと、単に自分がこういった、飴につられてとんでもないことに......! みたいな不気味さが大好きだから。それに、父親の苦悩とその末に愛を思い出す歌や、己の欲のことしか考えず最後には報いを受ける継母や魔女の歌、知恵と不屈の心で何度も起死回生を遂げる兄弟の歌、お菓子の家という甘い罠の歌、ミシェルで聴きたい歌のイメージもありすぎる......と思いました。

スイミイ:"白雪姫"。人間関係のドロドロを描いたら楽しそう。

メリサ:いろんな物語に出てくるヴィラン(悪者)をテーマに何かやってみたいです。物語ってハッピー・エンドで終わることが多いと思いますが、バッド・エンドも面白いなと!

-もうすぐ2023年が終わりますが、今年はグループにとってどんな1年でしたか?

ブラジル:昨年末にワニャ+とユイノンの加入、ナーナナラの卒業があり、年が明けてレーレの卒業、ナギムー、メリサ、スイミイの加入、ミミミユの卒業があり......まさに激動の1年でした。しかし、何かを失うたび得られたものも確実にあり、より良い方向に向かっていっていると思います。メンバーの変動があるたび、私たちは常に"今"のMIGMA SHELTERを過去最高のものにすべく必死に足掻いてきて、それを実現させてきたつもりです。ここからはこの7人で、"今"のMIGMA SHELTERを最高のものに仕上げていきます。見守っていてくれたら嬉しいです。

タマネ:昨年末から考えると、長期間一緒にやってきたメンバーのナーナナラ、レーレが卒業し、5月の終わり頃から2ヶ月活動休止期間を設けることになり、ナギムー、スイミイ、メリサが新たに加入して、オリジナル・メンバーであるミミミユさんが卒業するというグループとしての形が次々と変わっていく激動の1年でした。それでも常に3部作である"OZ"の物語は変わりなく続いていくし、決してつらくて押し潰されそうになるといったようなことはなかったです。頼れるメンバーのおかげ、"OZ"のおかげ、そしていつもミシェルの未来を応援してくださるみなさまのおかげでしっかりと前を見据えてこの1年を切り開いて来られたと思います。明るくポジティヴなエネルギーを、フロアとステージで送り合えるようなレイヴがたくさんできるようになったのが今年一番嬉しかったです✌。

ユイノン:MIGMA SHELTERに加入しての1年間、たくさん成長できた気がします。卒業や活休でいろんなことを1年の中でやってきて、1年が1年に感じなかったです(笑)。

ワニャ+:変化の1年だったと思います。ミシェルのグループの形も大きく変わったし、レイヴのやり方とかメンバーとの関わり方も少しずつ変わってきたと実感しています。

-2024年の活動に向けて、目標や意気込みを聞かせてください。

ブラジル:体制を立て直し、どんどん加速していきたいです。現体制ならではのパフォーマンスを磨くことはもちろん、TikTokの投稿数を増やしたり、YouTubeにダンス・プラクティス動画を載せたり、レイヴ以外にもできることは全部やるつもりです。

タマネ:今年の11月にオリジナル・メンバーとして本当に長い期間MIGMA SHELTERを体現したミミミユさんが卒業しました。これまで一緒に活動してきたメンバーを含めMIGMA SHELTERを創ってくださった、応援してくださったすべての方々に敬意を払って、これからのMIGMA SHELTERもどんどん突き進んでいくので一緒に楽しいことしたいし、ついてきてね! という思いです。たくさんの人に伝染させていきたいです!

ユイノン:たくさんレイヴをしたい! 長尺とか深夜とか楽しいイベントにたくさん出たいです! それで、今のMIGMA SHELTERも好きになって楽しんでもらいたい。個人的にはもっと個性爆発してお客さんをぽかぽかでメロメロにしたい♡。

ワニャ+:グループではDJパーティー("東京激ロックDJパーティー EDGE-CRUSHER Vol.176")に呼んでいただけてミシェルを初めて観てくれた方も楽しそうに踊ってくださっていたのがすごく記憶に残っていて、そういうアイドルさん以外も出演されているイベントにもまた呼んでいただけるようになりたいし、いろんな場所で輝けるように活動を頑張っていきます! 個人ではいろんなことに触れたり、今までは感じなかったり制御してしまっていたものも私の中に入ってきた2023年だったから、2024年はたくさんアウトプットができるように頑張りたいです!

スイミイ:ミシェルのレイヴを観て、"明日も頑張ろう"と前を向けるような、人にエネルギーを与えられるようなパフォーマンスをする。

メリサ:まだ加入して数ヶ月しか経っていないですが、2024年はもっといろんなことに挑戦してみたいです。たくさん失敗してたくさん強くなる! が目標です。