Japanese
キングサリ
Member:天神・大天使・閻魔 あやさ 蝶羽 れい 栗原 えみる ネ兎 ねう 村咲 ちい
Interviewer:山口 哲生
6人組アイドル・グループ、キングサリがアルバム『SURVIVE』を完成させた。MOSHIMOの岩淵紗貴(Vo/Gt)と一瀬貴之(Gt)が代表を務めるNoisy内レーベル Noisy IDOLからリリースされた本作は、MOSHIMOの岩淵と一瀬や、岡田典之(空想委員会/Ba)、松永天馬(アーバンギャルド/Vo)など、結成時から共に制作をしてきた作家陣が楽曲を提供。"生きる、活きる、イキる、熱きる、射切る"の、5つの"いきる"をコンセプトにしている彼女たちらしいエネルギッシュなロック・ナンバーから、新規軸となるエレクトロ・チューンまで、2024年1月16日に恵比寿LIQUIDROOMで開催される初のバンド・セット・ワンマン・ライヴ"キングサリ BAND SET ONEMAN LIVE Survive the new world"をより熱い空間にすること間違いなしの全12曲になっている。Skream!初インタビューとなる今回は、最新アルバムはもちろんのこと、個性豊かなメンバーたちが活動を通して感じているキングサリというグループの特徴や今後の展望、そして初のバンド・セット・ワンマン・ライヴの意気込みまで、じっくりと話を訊いた。
"キングサリってこんな感じ"っていうイメージを飛び越えたことに、全員が挑戦できる
-2022年4月のデビュー・ライヴ("グサリといきるwww")から約1年半が経ったわけですが、活動してきたなかで、キングサリというグループの強みや特徴はどんなところにあると感じているのか、おひとりずつお聞きできればと思っているんですけど。
閻魔:マジか。
一同:はははははは(笑)。
蝶羽:じゃあ私から(笑)。ひと言でまとめるのが難しいんですけど、やっぱり歌や曲をすごく大事にしているグループかなと思いますね。みんなボイトレ行ったり、もともと歌がうまいメンバーを集めていたり。曲もバンドの方々に書いていただいていたりして、お金もかかっているので(笑)。
-(笑)曲が上がってくる中で、この曲いいなとか、好きだなと思うことも多いですか?
蝶羽:多いです。今回のアルバムに「Cuteness Nemesis」という曲があるんですけど、それは今までのキングサリとはまったく違う曲になっていて。私たちはいろんな曲をやっているイメージもあるから、それもまた面白いですね。ひとつのコンセプトに縛られていない感じも魅力かなと思います。
栗原:れいが"ひとつのコンセプトに縛られていない"って言っていた通り、本当に自由というか。曲もアイドルっぽくなくて、普通だったら"好き"とか"嫌い"とか、かわいい言葉を使ったりすると思うんですけど、"やっちゃうぞ?"とか"I KILL YOU"とか、アイドルが言わないような歌詞もあるし、結構強めに当たっちゃうところがキングサリの良さかなと思います。あと、メンバーもそれぞれ強みを持っていて。れいは美大に通っていて絵も描けるし、私もデザインをやっていたりして、グッズのデザインをあやさとれいと私の3人でやっていたり、ちいは振付を考えてくれていたり。そうやって自分たちで作り上げているところは特徴なのかなと思います。
-自分たちで振付やデザインを手掛けるようになったのはどういうところからだったんです?
栗原:"グッズ・デザインやりたいです"って言ったら"じゃあやって"って(笑)。それで初期からずっと作っている感じですね。"やってみたいことある?"って言われて、自分たちが言ったことがどんどん実現されている感じがして、本当に自由に好きなことをやらせてもらってます。
-では、閻魔さんが思うキングサリの強みや特徴というと?
閻魔:"○○っぽい"みたいな例えがしづらいグループかな。だいたいアイドル・グループって1個、2個、3個ぐらいは"○○っぽい"っていう例えがしやすいっていうのがよくありがちだと思うんですけど、うちは"○○っぽい"っていう例えをしづらいし、例えられているのもあまり目にしない印象がある。
-そういう状況は嬉しかったり?
閻魔:嬉しい。何かに例えられやすいって、あんまりいいことじゃないっていうか。"○○っぽい"って言われるってことは、その"○○"のほうが印象的なわけであって、"○○"の側にいれるほうがグループ的にはいいと思うので。だから、どこか他のグループが"キングサリっぽいよね"って言われたらいいなっていう感じ。
-ねうさんはいかがでしょうか。自分たちの強みや特徴というと。
ネ兎:私も個性的っていうのが一番強みかなと思っていて。曲をメインで書いていただいているのがMOSHIMO(の岩淵と一瀬)さん、空想委員会の岡田さん、天馬さんなんですけど、それぞれ曲調が全然違うし、今回のアルバムも作曲家さんたちの個性が光る曲、それぞれのリード曲が集まっていて。あとはメンバーの衣装も統一感なく、それぞれ個人で考えていてみんなバラバラだから、ライヴを観てくれた人から"個性で殴られるような感じだった"って言われることもあって。それぞれが本当に魅力的で、個性的で、いいグループだなと思います。
-いいですね、"個性で殴られる"。
ネ兎:なんか、圧があるみたいな。キングサリは5つの"いきる"をコンセプトにしているんですけど、メンバーそれぞれが自分なりの"いきる"を模索しながらライヴをしている感じがして。いいですよ、キングサリ(笑)。おすすめです。
あやさ:個性が強い=軸がブレないっていうところがあると思うんですけど、でもキングサリは、軸はブレないけど柔軟性もあるというか。キングサリってツンツンしているようなイメージがあるけど、例えば"ちょっとトーク・イベントがあるから出て"って急に言われてもみんな出ますし、ちゃんと面白い話をみんなが回せたり。あとはタンバリン選手権("にしたんクリニックタンバリンダンス選手権")に出たり、コンセプト・ライヴで全力でお芝居したり("演出の世界 -世界観-『監獄キングサリ』")、周りが思っている"キングサリってこんな感じ"っていうイメージを飛び越えたことに、全員が挑戦できる。そこの柔軟性が、他のグループとはちょっと違うかなと思います。みんな頭が堅くないというか、何にでもすぐにトライできるような感性を持っているし、挑戦したものから吸収して成長できる子たちしかいないなって。そこが強みというか、自慢できるところかなと思います。
-ルールではないにしても、ムードみたいなものがあるんですか? 柔軟性を持とうとか、やれることはやってみようとか。
あやさ:"はい!"って渡されたら"やるしかねぇ!"っていう感じというか(笑)。
ネ兎:嫌なときは嫌だけどね(笑)。
閻魔:私、タンバリンやりたくなかったから、絶対にやらなかった。
ネ兎:そうそう(笑)。
あやさ:でもそのとき、閻魔ちゃんは歌を歌ったんですよ。役割として歌を歌う人が絶対に必要で、(閻魔が)びったりじゃないですか。だから与えられた仕事の中で、"私はこれだな"っていうのをそれぞれが見つけるので、何があっても大丈夫(笑)。とりあえず対応できますっていうところがめっちゃいいなと思います。
ネ兎:あと、(タンバリン選手権は)ちゃんと優勝したしね。
蝶羽:結果を残した!
あやさ:そう! ちゃんと結果も残せます!
-大事なことですね。ちいさんはいかがでしょうか。キングサリの特徴や強みというと。
ちい:なんだろう......飽きないグループですね。"このグループはだいたいこういう感じの曲"みたいなイメージがあるけど、いろんな作曲家さんが作ってくださっていて、それぞれ全然違うので、"こんな曲もあるんだ!"とか。あとはコンセプト・ライヴでアコースティック・ライヴ("キングサリConcept LIVE Acoustic LIVE -歌-『Daydream』")をしたりお芝居をしたり、いろんなことに挑戦しているし、歌割もだいたいこの子が多いとかもあんまりなくて、みんなそれぞれサビを歌ったりすることも多いので、そういうところも応援していて飽きないと思いますね。
-新しい挑戦が多いから、ご自身としても活動していて飽きない?
村咲:そうですね。曲によって自分の歌い方を変えれたりするのも楽しいです。
-では、ここからは12月13日にリリースされたアルバム『SURVIVE』についてお聞きしていきます。アップテンポでパワフルな楽曲が基本的には多いですが、それこそお話に出ていた「Cuteness Nemesis」みたいな新規軸の楽曲もあって、かなり濃い1枚になりましたね。今回のアルバム制作にはどういった気持ちで臨みましたか?
あやさ:新曲が4曲入っているんですけど、全部違うジャンルになっていて。例えば「王様デスゲーム」は、れいちゃんが初めて落ちサビを歌っていて、自分の気持ちをTwitter(X)に載せたりしていたんですけど、そういうのを見て"こういうことあったな"ってストーリーや、自分の感情を歌に乗せられたらいいなって思ってました。「王様デスゲーム」だったら"王座は私のものだ!"みたいな強い気持ちを持った女の子として歌ってみようかなとか、「Cuteness Nemesis」は楽曲派みたいな感じなので海外っぽいニュアンスで歌ってみようかなとか、そういう遊びも伝わればいいなって。このアルバムでまた違う一面というか、"アイドル"キングサリじゃなくて"アーティスト"キングサリと思わせられたらかっこいいなと考えてレコーディングしてました。
-れいさん、「王様デスゲーム」のお話がありましたけど。
蝶羽:曲を貰う前に"れいちゃん、次の曲あたりで落ちサビかも"ってプロデューサーから言われていたので、「王様デスゲーム」が来たときに"この曲か!"って。"お前の涙も心も全て報われますように"っていう歌詞があるんですけど、今までボイトレとか頑張ってきた思いと重なるところがあったりしてすごく気持ちがこもったし、「一矢報いて」も(作詞作曲の)岡田さんが誰にでも当てはまるような歌詞を書いてくださっているので、もちろん私にも重なるところがあって。なので、歌詞を見てその気持ちになって歌うのをすごく大切にしてました。
閻魔:たしかに「一矢報いて」は上の人間が歌詞とメンバーの性格をはめにきてるなって、めっちゃわかりやすかった。
蝶羽:実際にそうらしいよ。
閻魔:うん。いつもそうだとは思うんだけど、そこがもうあからさまに来てると思った。
一同:ははははは(笑)!
閻魔:れいの"救われることになるでしょう"とか、あとは"譲れない自分らしくいられる場所"とか。
ネ兎:この1年間で作曲家の方たちと交流することも多かったから、たぶん作っている人もみんなの性格を把握してきていて。それを曲に入れてくれるから、歌う側としても気持ちを込めて歌える曲がかなり増えたなと思います、最初の頃に比べて。
あやさ:「王様デスゲーム」の"FeeL 悲しみの中 小さな私だけど"っていうパートは"絶対にこれ私じゃん!"って。
閻魔:あれはもうそれすぎて、ちょっと"キモっ!"って思った♡。
一同:はははははは!
あやさ:(笑)でも、私は"私じゃん!"と思って嬉しかった。曲を作る際に、メンバーひとりひとりの顔を思い浮かべながら作ってくれたんだろうなっていうのがわかるから、そこに作曲家さんの愛も感じるし、そうやってチームで作っているところがキングサリだなって思いました。メンバーだけ、運営だけ、作曲家だけ、それぞれの思いじゃなくて、全員の思いとか、支え合っているみたいなのがいいな、素敵だなって。
-ちいさんは、より感情を込めて歌えた曲というと?
ちい:私的には「ぼくらのSTORY」ですね。MOSHIMO(の岩淵と一瀬)さんに作っていただいた曲なんですけど、これまでは盛り上がる感じの曲が多かったんですけど、ちょっとエモくてゆったりした感じの曲が来たときに、私、本当に泣いちゃって。そのことを直接お伝えもしたんですけど、それぐらいめっちゃいい曲だなと思いました。この曲の歌割は私からなんですけど、それも嬉しかったです。
-ねうさんがより強く気持ちを込めて歌えたり、グッときた瞬間というと?
ネ兎:私は「一矢報いて」の"最後のチャンスが今この手の中に/過去も今も全て抱きしめ さぁ飛び出そう"とか。
閻魔:(ネ兎に)はめてるねぇ。
ネ兎:曲を作ってくださった岡田さんと、れいちゃんと私の3人で対談させてもらって、その動画も出ているんですけど、そこが"あまりにも私すぎて"って話したら"そこはねうちゃんのことを思って書いたから、運営さんがはめてくれた"っていう話をしていて。やっぱり歌詞を書くときに、メンバーそれぞれの気持ちを考えながら書いてくれているっていうのはすごい嬉しかったですね。それはさっきちいちゃんが言っていた「ぼくらのSTORY」もそうで。これは私たちだけじゃなくみんなにも当てはまると思うから、歌っている側も聴いている側も泣いちゃうぐらい心に来る曲が、今回のアルバムにはいっぱい入っていると思います。
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