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INTERVIEW

Japanese

マコトコンドウ

2023年10月号掲載

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作詞作曲、アレンジなどのクリエイティヴを自ら手掛けるネオ・ソウル・ポップ系マルチ・トラックメーカー マコトコンドウが、初のフル・アルバム『いききる』を配信リリースする。2022年7月から約1年間、毎月楽曲を発表してきたマコトコンドウの"今"を伝える内容となった1枚。ネオ・ソウル、ジャズ、ファンク、R&B、ソウル、ヒップホップなどバラエティに富んだ楽曲で構成された本作について訊くべく、メール・インタビューを実施した。

-Skream!インタビュー初登場ということで、改めて自己紹介や、現在までの活動の経緯など教えてください。

マコトコンドウです。福岡県の久留米市出身のミュージシャンです。作詞作曲、アレンジなどをしたり、歌を歌ったり、トロンボーンやキーボード、たまにギターも弾いたりもします。イラストを描いたり、簡単なアニメーションなども作ったりしています。これまでの活動として、取り立ててご紹介できるものはありませんが、母親がピアノ/エレクトーンの先生だったこともあり、小さい頃から身近に音楽がある環境で育ちました。でもそんなに子供の頃は音楽には興味はありませんでしたが、小学校のときに合唱団に所属していたり、中学校で吹奏楽部でトロンボーンを始め、それから高校の吹奏楽部、大学ではビッグ・バンドを演奏するジャズ研究会というサークルに入るなど、わりと大学卒業するまでは音楽とずっと繋がっていたとは思います。ただ、大学卒業後は会社に就職し、営業職として働いてたのでこれといった音楽活動は行っていませんでした。でも2019年頃になんとなく会社を退職してしまって、本を読んだりゲームしたり絵を描いたりなどして過ごしていたんですが、"本当に将来どうする?"というモラトリアムな気持ちを何か形として残したいなと思い、なぜか曲を作り始めたことが本格的に音楽を始めたきっかけです。ちなみにこのときに作った曲のタイトルは"WAKARANAI"(2020年2月配信リリースの2ndシングル)です。

-ルーツとなるアーティスト、よく聴いていた音楽など教えてください。

今まで聴いてきたり、触れてきたアーティストにはほとんど影響を受けているのではないかと思っており、ルーツとなるアーティストを挙げるのは難しいですが、黒人文化をルーツとする音楽にはすごく影響を受けてると思います。よく聴いていた音楽を一部挙げるとすればトロンボーン奏者の村田陽一さんやOriginal Loveの田島貴男さん、Eric Clapton、PJ MORTONなどはよく聴いていましたし、上原ひろみさん、Joe Sample、松田聖子さんなどは母親の車の中でよく聴いていましたので今でもすごく大好きですね。他にも、TAKE 6、cero......などなど挙げると本当にキリがないです。

-"「ネオソウルポップ系マルチトラックメーカー」マコトコンドウ"の音楽性について教えてください。

いろんなタイプの音楽を作りたいなという気持ちがあるので、これといった音楽の方向性を決めているわけではありませんが、できるだけ"日常や生活を感じられる"&ポップな楽曲を作ろうと心掛けています。

-2022年7月から2023年8月まで毎月1曲のペースで新曲を配信リリースされていますが、どのような経緯で連続リリースをすることになったのでしょうか。

2019年から作曲活動を始めて、2020年に本格的に音楽を真剣にやっていくことを決めるのですが、ちょうどその頃に音楽業界の方に目を掛けてもらいました。環境的には恵まれていたと思うのですが、いろんな事情でその方のもとを離れることになり、ちょうどそれが2022年の春でした。その業界の方の後ろ盾もなくなり、またそれまでの音楽活動も順風満帆というわけではなかったので、現状を打破しなければという思いがあり、もがいていました。何かアクションを起こさなければと考えていて、そんなときに"とりあえずいっぱい曲をリリースしよう"となんとなく決めちゃって、じゃあどうせなら1年間毎月やってみようと軽い気持ちでリリースを始めましたね。毎月リリースすることがこんなにも大変だということは2ヶ月目で気がつきましたよ(笑)。

-10月11日配信リリースの1stフル・アルバム『いききる』完成おめでとうございます。ベスト盤と呼んでも過言ではないのでは、と思えるほどに充実した内容の本作ですが、作品が完成した今の率直な気持ちや、特に思い入れのある楽曲などあれば教えてください。

ありがとうございます!! "いいアルバムだ!"と胸を張って言える作品ができたと思います。このアルバムの内容は、新曲1曲(「いききる」)を加えているだけで、他の曲は連続リリースの中で出したシングル曲ということもあり"アルバムにしてまとまりがあるのかな?"と不安でしたが、通して聴くとなぜかまとまりがあるアルバムになりました。不思議です!

-リード曲でもありアルバム初収録の新曲「いききる」は、"「生きる」「生きていく」ことを綴った、マコトコンドウの人生哲学ソング"とのことですが、タイトルのひらがな表記にはどのような意味がありますか? また、改めて楽曲のコンセプトや込めた思いについても教えてください。

「いききる」には"生きる"と"生きる(をやりきる)"、そして"息が切れる(途絶える)"という意味があったりします。このタイトルを読んだ人がいろんな意味で捉えることができればいいなと思い、すべてひらがな表記としました。仏教について明るいわけではありませんが、仏教には"生死(しょうじ)"ということばがあるみたいで、それに近い感覚でこのタイトルを感じ取ってほしいという思いもあります。日々の生活や暮らしには、未来へのワクワクもあるし、正直不安、不満もあるかもしれません。そんな単純じゃない感情に振り回されながら、僕たちの暮らしってイヤでも続くんだなと感じています。でも、過去があって、そして未来があって、だからこそ今がある。そんな"今"を受け入れて、そして生きる、"いききる"ことがもしかして僕らが"生きている意味"なんじゃないかなと......。この楽曲を聴いた方が、それぞれの暮らしや日常、生き方を、そして"これから"を少しでも認める、受け入れることができたら嬉しいなと思い「いききる」を作りました。

-音楽だけでなくイラストやアニメーション、朗読なども自ら手掛けられており、"すべての道はJAZZに通ず。"という井たくま氏との対談ポッドキャストも毎週更新されていますね。とても多彩な活動をしていらっしゃいますが、ご自身が今後より力を入れていきたいことや、一番好きな(および性に合っていると感じる)活動はどれだと思いますか?

いろんな活動の原動力は"やってみたい"それだけですね。なので今のところコレに力を入れたいと考えているものはありません。全部好きな活動なので全部楽しんでやっています。ただ最近は、声を褒められることや、詞(作詞)を褒められることも増えてきているので、それを生かした声のコンテンツや文章のコンテンツなども新たに始められたらいいなと思います。

-自身のライヴの一番の強みはなんだと感じていらっしゃいますか。

正直あまりわかりませんが、歌ったり鍵盤を弾いたりトロンボーンを吹くところでしょうか。

-自身のMVで特にお気に入りのMVと、見どころについて教えてください。

「空気清浄機」(Dir:SHIN Kato/2022年7月配信リリースの6thシングル)、「人生はラブコメじゃない」(Animation:MINAMI/2023年8月配信リリースの20thシングル)、「玉ねぎが目にしみる」(Animation:Reiko Ogasawara/2020年4月配信リリースの4thシングル)。この3つのMVはすごくお気に入りです。これらのMVは各クリエイターに作ってもらったもので、楽曲の魅力が何十倍にもなっているのでぜひ一度観てほしいです。

-今後の活動の予定や告知事項など教えてください。

10月11日にアルバムをリリースしまして、10月19日にアルバム全曲の視聴会を渋谷のEdge EndというDJバーで行います。また、アルバム・リリース記念ライヴも12月3日に東京・下北沢のmona recordsで開催します。共演は、いつもお世話になっているバンド"東京センチメンタル馬鹿野郎"さん、そしてスペシャル・ゲストに、僕の憧れの"ゆいにしお"さんをお迎えします。ライヴに向けていろいろなものも準備していますので、ぜひ足をお運びいただけますと嬉しいです。

-今後の展望や目標を教えてください。

ブルーノートのステージでライヴをやってみたいという目標は音楽活動を本格的に始めた頃から掲げている目標のひとつですね。また、僕自身"音楽が人類を救う"なんて大きなことを思っているタイプではないですが、僕の音楽を聴いて少しでも前向きになれたり、心地よいと感じてくれる人がいるのなら、その人たちに向けてこれからも音楽を続けていきたいと思っています。

-最後にSkream!読者にメッセージをお願いします。

この記事を見て少しでもマコトコンドウに興味を持ってくださいましたら、ぜひ音源やSNSもチェックしていただけたら嬉しいです!

RELEASE INFORMATION

マコトコンドウ
1st FULL ALBUM
『いききる』

[Yamaha Music Entertainment Holdings, Inc.]
2023.10.11 ON SALE
配信はこちら

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