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INTERVIEW

Japanese

"KITASAN ROLLING"主催 阿部 友和×the quiet room×オレンジスパイニクラブ 鼎談

2023年03月号掲載

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茨城、栃木、群馬の北関東3県を"ROLLING"する新たな大型ロック・フェス"Slipstream presents KITASAN ROLLING 2023"が、この春初開催される。茨城で記念すべき第1回が行われることとなった本イベントの見どころについて迫るべく、主催のKITASAN ROLLING実行委員会 フォールーラー 阿部友和、そして同フェスへの出演が決定している茨城出身の2バンド the quiet roomとオレンジスパイニクラブから各フロントマンに登場してもらい、取材を敢行。コロナ禍の空気を吹き飛ばすような強力ラインナップの本イベントはもちろん、北関東の音楽シーンへの熱い想いも溢れる鼎談となった。

主催代表:KITASAN ROLLING実行委員会 フォールーラー 阿部 友和
the quiet room:菊池 遼(Vo/Gt)
オレンジスパイニクラブ:スズキユウスケ(Vo/Gt)
Interviewer:稲垣 遥


"今俺たちがいるぜ"みたいなのを改めて作っていければ、改めて北関東の魅力や、こんなバンドがいるぞって伝えていきたい(阿部)


-"KITASAN ROLLING"は今回初開催されるフェスなので、そもそもどんなイベントなのかというところからまずは阿部さんにお聞きしていこうと思います。茨城、栃木、群馬の北関東3県を巡る新しい大型ロック・フェスティバルということですが、今回この北関東3県をフィーチャーしたフェスを開催しようとなったきっかけはなんだったのでしょう?

阿部:"KITASAN ROLLING"は、弊社(株式会社フォールーラー)の"Slipstream"というプロジェクトの一環で、フェスの他にラジオ番組、イベント、オーディションと北関東3県で展開をしています。北関東3県で音楽を志す人にとって、どうしても北関東って、ここからどう発信していいのかわからないって人が多い土地だと思っていて。東京があって、北関東をスルーして仙台に行ってしまうみたいな。でも北関東にもいいバンドがいていろんな才能が埋もれているんじゃないか、そんな危機意識もあって、"Slipstream"ってプロジェクトを進めています。ラジオ番組も10年くらいやってきて、オーディションも3年、栃木、茨城とやってきて今年は群馬で開催する予定になっているんです。で、その一番の目標となるところで、"KITASAN ROLLING"というフェスを立ち上げようとなりました。北関東で育った人たちも出演するフェスになりますし、大きなイベントにしてここを目標にしてもらおうっていうところと、北関東の音楽ファンに向けて大きなフェスを作りたいという思いがありましたので、そこを大きな目標として立ち上げたところです。

-"Slipstream"自体が北関東3県にフォーカスしているのもあるとは思うのですが、フェスが毎回同じ会場じゃなくて、複数の県を毎年移動していくというのは新しいですよね。

阿部:北関東でやっていく意味っていうのが、それぞれの県のいいところがあるんですよね。特徴とか県民性とか。そこが繋がっていけばいいなってメインに考えてます。テレビ番組とかだと栃木、群馬、茨城って小競り合ってる県とか意識し合ってて交じり合えないみたいによく言われるんですけど、それをひとつ大きな枠組みと捉えて、北関東には"今俺たちがいるぜ"みたいなのを改めて作っていければなというところで。今回the quiet roomやオレンジスパイニクラブもそうですし、栃木ではpolly、群馬ではFOMAREにもご協力いただいて、改めて北関東の魅力や、こんなバンドがいるぞっていうのを伝えていければいいなと考えてます。

-バトンを繋いでいって、3県がひとまとまりになっていくような感じですね。

阿部:そうですね。

-今回1回目が茨城になったのは何か理由があるんですか?

阿部:まずは会場選びで、アダストリアみとアリーナというキャパシティ的にも設備的にも素晴らしい会場が茨城にあるぞ、ということで1回目を決めました。

-"KITASAN ROLLING"というイベント名は、会場が北関東3県というところからだと思いますが、ステージ名も"SUKESAN STAGE"と"KAKUSAN STAGE"と茨城にちなんでいてユニークですね。

阿部:そうですね。茨城といえば水戸黄門様でしょというところで(笑)、ちょっと親しみを持ってもらえたらいいなと思い付けさせてもらいました。でも北関東以外の方も地元を感じてもらえるようなイベントを作っていけたらなって考えています。

-"KAKUSAN STAGE"がサブステージになるんですよね。

阿部:そうですね。会場の関係上、メインとサブの2ステージになるんですけど、大小の違いはあまりは考えていなくて、タイムテーブルも被らないように組んでますし、どちらも観に行けるようにしています。

-では、ここからは先ほども話が出た、出演が決定しているthe quiet roomの菊池さんとオレンジスパイニクラブのスズキさんにもお話をうかがっていきますが、まずはこのイベントのオファーが来たときどう感じましたか?

菊池:まずは茨城県の代表と言ったら大袈裟かもしれないですけど、そんなふうに思ってもらえてるんだなっていうのがひとつ嬉しくて。地元のバンドの代表としていいライヴができたらなとは思っています。

スズキ:菊池さんと似ているんですが、僕も茨城県のバンドとして認めてもらったじゃないですけど、そういうふうに思ってオファーしていただいて、僕らは初めて水戸で大きなフェスに出るんで、期待に応えられるように頑張ります。

-クワルー(the quiet room)は自身でも茨城で主催イベント"New Flag Festival"を開催していますよね。

菊池:そうですね。本当に"Slipstream"とほぼ同じ理由というか、やっぱり茨城にもいいバンドがたくさんいますし、地元を盛り上げていきたい気持ちは昔から強くて、コロナ禍でなかなか地元も積極的に盛り上げることができなかったので、どんどん盛り上げていきたいなってところで自分たちでもイベントを組んだんですけど、それに加えてこんなイベントにも誘ってもらえて、本当に嬉しく思ってます。

-オレンジスパイニクラブも茨城出身ですが、地元でこういった大きなフェスが立ち上がることについてはいかがですか?

スズキ:茨城ではあるんですけど、地元が水戸から少しだけ離れていて、でも高校の頃からライヴで水戸には通っていたんです。クワルーとも昔からやっていたので、茨城を選んでくれて嬉しいですね。

-地元民からして会場のアダストリアみとアリーナは馴染みがあるところだったりするんですか?

菊池:いや、今回初めて出ますね。

スズキ:僕らも初めてですね。

-そうなんですね。それ以外に地元でよく出てたライヴハウスとか、思い入れのあるライヴハウスってなると?

菊池:昔からよく出てるのはmito LIGHT HOUSEと水戸SONICというところで、そこのふたつのライヴハウスが僕らにとってホームですね。そこから北関東とか茨城を盛り上げていけたらいいなって思ってます。

スズキ:オレンジスパイニクラブは改名してるんですが、その前から特に水戸SONICにはお世話になってて。mito LIGHT HOUSEは僕らにとっては敷居が高いというか、なかなか出られないライヴハウスだったんですけど、やっと最近出させていただけるようになったんです。水戸SONICはクワルーとの出会いもそこでしたし、個人的に特に思い入れが強いですね。

-阿部さんは、クワルーとオレスパ(オレンジスパイニクラブ)にはどんな印象を持っていますか?

阿部:どちらも茨城を代表するバンドだと思って前々から注目してましたし、これからもどんどん上に上がっていくバンドだと感じてオファーさせていただきました。

菊池スズキ:ありがとうございます!

阿部:先ほどライヴハウスにお世話になったっていう話があったと思うんですけども、mito LIGHT HOUSEさんも水戸SONICさんも、"KITASAN ROLLING"のポスターを持って行ったら"うわっすごいなこのイベント! 地元のバンドも出演するんだね!"と応援してくれてますし、楽器店さんやスタジオさんにもポスターを持っていくと、"クワルーさんこのスタジオ使ってもらってたんですー!"とか言ってもらったりして、地域のみなさんが認識してるし、応援してくれてるんだなってところをすごく感じて、嬉しいですね。

-まさに地元がひとつになっている感じでイベントの目的と合っていていいですね。

阿部:ほんとに茨城のみなさんには協力していただいて、お世話になってます。