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INTERVIEW

Japanese

原因は自分にある。

2023年02月号掲載

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Member:大倉 空人 小泉 光咲 桜木 雅哉 長野 凌大 武藤 潤 吉澤 要人 ※杢代 和人は撮影のため欠席

Interviewer:石角 友香

超高速のメロディックなラップやヴォーカルを7人でスムーズに繋ぎ、しかもその内容は哲学的。これまでもAyase(YOASOBI)や100回嘔吐、すいそうぐらし他、多彩な作家から楽曲提供を受けてきたダンス・ヴォーカル・グループ・シーンきってのユニークな存在"原因は自分にある。"。彼らが"Next phase"を標榜して提示してきたのは、これまでにない王道のバラードや意味を飲み込みやすい青春を思わせる楽曲も含む一方で、高速BPMナンバーもさらに磨きをかけた3rdアルバム『無限の終わり』だ。群雄割拠のシーンの中でも、いい意味で異彩を放つげんじぶ(原因は自分にある。)のパフォーマンスを更新してくれそうな本作や、グループのユニークネスについて話を訊いた。

-今回早くも3rdアルバムで、げんじぶの振り幅の広い音楽性っていうのは浸透してきたと思うんですけど、1st(2021年1月リリースの『多世界解釈』)は聴く人の数だけ解釈があると、そして2nd(2021年12月リリースの『虚像と実像』)はバーチャル・シンガーの方とのコラボレーションも話題になりましたが、今回は何かテーマがあるとしたらなんですか?

大倉:今回"Next phase"というテーマを掲げているぐらいなんですけども、1st、2ndときて4年目に3枚目のアルバムで、2022年の目標であったパシフィコ横浜に向けて活動してきたので、いったんここで"無限の終わり"っていうこともあって、僕たちの3年間の集大成をガッと込めた作品になっています。そして3年間僕たちのことをそばで楽曲制作という形で見守ってくれた久下(真音)さんも、僕たちと同じくらい強い気持ちでこのアルバムを制作してくださっているので、そこの変化っていうのはやっぱり1st、2ndと比べものにならないぐらい大きいんじゃないかなと思ってます。

-先行配信曲もたくさん入っていますが、特にげんじぶ3部作(「青、その他」、「結末は次のトラフィックライト」、「545」)はアルバムとしてまとまったときにすごくいい場所にある気がします。そこでみなさんにお聞きしたいんですけど、各々気に入ってるとかチャレンジしたとかとか、達成感の強い曲を理由とともに教えてください。

大倉:僕は「僕らの世界・物語」が難しかったなと思います。まず音域的な問題もあって、とてもキーが高い曲で。僕らと同世代のクリエーターであるizkiさんが書いてくださったんですけど、「キミヲナクシテ」、そして「貴方に溺れて、僕は潤んで。」に続いてizkiさんに提供していただいた曲の3作目なんです。どんどん僕たちに求められる技量が大きくなっていっていて、その期待も背負いつつ、そしてizkiさんが僕たちと観測者(※げんじぶファンの呼称)の方を見てその気持ちを歌ってくれた、客観的にizkiさんから見たときの気持ちを歌にしてくれた感じがしますね。げんじぶと観測者にとって大切な曲っていうのもあって、完成したときの達成感もすごくあったので、この曲への思い入れはかなり強いかなと思います。

小泉:僕は「青、その他」かな。まず2022年になって初めて配信リリースした曲であって、げんじぶの今までやってきた曲からガラッと変わったのが「青、その他」からかなと。歌い方ももちろんなんですけど、今まで歌ってきたこととだいぶ違いました。レコーディングも結構大変ではあったんですけど、げんじぶのコンセプトというか、音楽シーンに新たな風を吹かせるみたいな意味が込められているので、それがしっかりわかる曲だなって思いましたね。

-これまでのトリッキーな曲に比べるとすごくストレートですよね。歌詞とかアレンジがわりと等身大なのかなと。ところで思ったのが、「青、その他」が美術部っぽいシチュエーションで、「545」はピアノ科みたいな感じで、手が込んでいると思いました。

吉澤:ありがとうございます。僕は「無限シニシズム」ですね。今までもラップを結構やってきたんですけど、その中で今回の「無限シニシズム」が自分の中で一番うまくいったというか、自分なりの表現をすごく示せたんじゃないかなと思っています。今回は低音でラップする部分も多くて、僕の中で自分の武器が低音ラップっていうのがあるので、今回はそれを最大限に生かせたんじゃないかなって感じてます。

-低音のラップってクリアじゃないと聴こえないですもんね。

吉澤:そうですね。難しいは難しいんですけど、久下さんやディレクターさんにもいろいろとアドバイスをいただくなかで学んできたことが、今回で結構できたんじゃないかなと思ってます。

-この曲は要素がすごいですよね。情報量が渋滞してる。

大倉:テーマも難しいので、何回も聴きたくなりますね。

-この曲がリード曲なので、みなさんにもおうかがいしたいんですけど、難しさとか逆にこれができたから面白かった部分とか、1曲目にあることの意味などは感じてますか?

武藤:このアルバムの中で、原因は自分にある。のグルーヴ感が一番あるとしたらこの曲かなって思っていて。で、歌詞の意味を読み取るのに結構頭を使うというか(笑)。レコーディングするときとかに考えたりしたんですけど、やっぱ難しいなぁって、"あぁ、げんじぶだな"って思いましたね。

-たしかにげんじぶっぽい曲ですよね。冷静なスタンスを示唆している世代っていう感じで。歌詞の意味は久下さんに聞くというよりも、メンバー間で共有する感じなんですか?

小泉:自分らで解釈するっていうのがあるので、各々考えています。あとあとダンスを揃えるときに、その曲のイメージ色を決めたりして統一させる部分は統一させます。

-歌詞はそれぞれの捉え方なんですね。でもこれだけのラップと歌メロが交差してるってすごいことだなと思います。

武藤:国語、数学、理科、社会が全部交ざってて(笑)。

大倉:それ知識が小学校じゃない(笑)?

-しかも運動能力というか、3連フロウの歌メロだし。逆にもうスタンダードなんですかね?

小泉:もはや僕らからしたらこっちのほうが慣れてるみたいなとこあるので(笑)。逆にバラードとかになると"感情入れるの難しい"とかなりやすいんです。

-メロディックなラップはもう習慣になってるんですかね。

長野:そうですね。デビューしたときからこういう難しく早口で歌う曲が多かったので、今回のアルバムも「桜Ground」みたいなド直球なJ-POPとか、「Run away」とかのバラードというか王道をやるのは逆に新鮮で。レコーディングはそっちのほうが難しかったなぁっていうのはあります。

-難しいターンができるようになっちゃったんですね(笑)。

長野:そうですね(笑)。最初にそれを練習しちゃったというか。