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INTERVIEW

Japanese

私立恵比寿中学

 

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メジャー・デビュー10周年を記念してエビ中(私立恵比寿中学)が完成させたアニバーサリー・アルバム『中吉』。ファン投票をベースにメンバー/スタッフで構成したCD1には、転校していった歴代メンバーの歌声が入り、10年の歴史が詰まっている。そして、2022年の新曲4曲やリレコーディング曲、新たに制作された「エビ中出席番号の歌 その3」が収録されたCD2には、現体制で最新のエビ中を表現した。エビ中は、このアルバムで過去を抱き締め、現在から未来を描いていく。


メンバー:真山 りか 安本 彩花 星名 美怜 柏木 ひなた
小林 歌穂 中山 莉子 桜木 心菜 小久保 柚乃 風見 和香
インタビュアー:宮﨑 大樹 Photo by 濱谷 幸江


例えば、おばあちゃんになったときに、またみんなで集まって聴いて懐かしめるような1枚になったと思います


-ベスト・アルバム感もあり、最新のエビ中も感じられるメジャー・デビュー10周年記念作品『中吉』が完成しました。CD1は、ファン投票をベースにメンバー/スタッフで構成したそうですけど、トラックリストを見てどんなことを思いましたか?

真山:それぞれの曲に対しての思い出が私たちにもあるけれど、同じようにファミリー(※エビ中ファン)のみんなにもあって、それが共感できるような並びだったので、私たちのライヴでの熱を感じてくれてたことに嬉しくなりました。

安本:ライヴのセットリストみたいな印象を受けて。やっぱりエビ中のライヴに来て、好きになってくれたみなさんが選んでくれた曲なんだなって感じがします。

星名:そうだね。ライヴでイントロが流れると、"わっ!"て、みなさんの歓声が上がるような曲が入っている印象があります。

柏木:全部がライヴで盛り上がるというより、後ろのほうは6人時代のアーティスト感が強いものが入っているので、今までのエビ中の歴史を辿れるトラックリストにもなっているんじゃないかなと思いますね。

小林:このアルバムから1曲、このアルバムから1曲って投票したのが集まっているから、普段じゃ絶対にこういうアルバムにならないだろうなという曲がたくさん詰まってるのが新鮮でした。

中山:いろんなジャンルが組み合わさっているから、"オススメは?"と聞かれたときに、"とりあえず『中吉』を聴いてライヴに来てね"って薦めやすいアルバムだなと思います。

-選ばれて意外だった曲はありますか?

真山:ないです! 強いてあげるならば、「ラブリースマイリーベイビー」は去年リリースした『FAMIEN'21 L.P.』にも収録しているので、人気だな~と思いました! ありがたいですね。

安本:私は「PLAYBACK」。

星名:「PLAYBACK」は意外だよね! 昔はライヴでよくやっていたんですけど、他の曲に比べたらやっていなかったんです。それを知ってくださって、好きって言ってくださっているのは、ずっと見てくださっている感じがしてすごく嬉しいですね。

-逆に、入らなくて意外だった曲はありますか?

小久保:「イヤフォン・ライオット」(『FAMIEN'21 L.P.』収録曲)とか。

安本:たしかに。9人になって最初の曲だからね。

真山:「手をつなごう」(2013年6月リリースの4th両A面シングル『手をつなごう/禁断のカルマ』収録曲)は大切なタイミングで歌ってきましたし、エビ中の曲を褒めていただける機会になった曲かなと思っていたので意外でした。ライヴでぜひ聴いてください!

柏木:あと「禁断のカルマ」(『手をつなごう/禁断のカルマ』収録曲)とかも。

一同:あぁ~!

-たしかに、アーティスト色が強くなる流れ以前のライヴ・アンセムがあまり入っていなかったのは少し意外でした。「禁断のカルマ」、「梅」(2013年1月リリースの3rdシングル表題曲)とか。

星名:ファンの方も好きな感じが変わってきているのかなと思いますね。

-アーティスト性が高まっていったことに対して、受け入れられているのがわかりますよね。それにしても、10年間のリリース順に曲を並べてひとつのセットリストになるのはエビ中のすごさだと思います。

星名:そうですね。それに違和感がないというのがすごい。久しぶりにライヴに来てくださった人から"まだあの曲やってるんだね"とか、そういう声を聞くんです。自分たちでは意識していなかったけど、昔の曲と今の曲を分け隔てなく選んでいるんだなと思って。いろんな曲と出会わせてもらっているぶん、セットリストでも繋がるものが多いんだなと思うとありがたいです。

-それと、転校していったメンバーの歌も入っていて、写真のアルバムを見ている気持ちになったんですよ。

星名:その言葉めっちゃいいですね。

安本:ね。メモメモ(笑)。私たちの声も成長期の声だったりするから思い出深いです。

柏木:成長を感じるよね。

真山:私自身、最近のエビ中の活動に対して写真のアルバムを作っているようだと感じていました。奇遇ですね(笑)。"人に歴史あり"と言われるように、グループに対しても歴史があって、その時間経過によってたくさん変化していったグループだと思っています。そこにはいつもすぐそばにファミリーがいて、スタッフさんがいて、たくさんの愛を浴びながら活動できている証みたいな作品を作ることができて、すごく嬉しいです。時期的にも柏木の卒業を意識し始める時期にリリースなので、卒業アルバムのようにもっと時間が経って......例えば、おばあちゃんになったときに、またみんなで集まって、聴いて懐かしめるような1枚になったと思います。

-ここゆののか(桜木&小久保&風見)の3人にとって、CD1で思い出深い曲はどれですか?

桜木:「ラブリースマイリーベイビー」ですね。この曲は初めてレコーディングしたというのもあったんですけど、高い音域が出なくて苦労したんです。ライヴでやることが多いので、教えてもらったり、練習したりして音域が出るようになったときの嬉しさとか、そういうのが思い出に残っていてお気に入りの曲です。

小久保:私は「誘惑したいや」と「ハイタテキ!」ですね。合宿のときの最終審査でやる曲だったので、すごく思い出深いです。今年の合宿でも「誘惑したいや」と「ハイタテキ!」と「仮契約のシンデレラ」をやっていましたし。

風見:私は「仮契約のシンデレラ」です。歌い出しのセリフがこの3人(桜木、小久保、風見)で分けられていて。今まではふたり(小林、中山)のパートだったんですけど、3人では面白い感じになっていて、いつも楽しくて好きです。あとは「Anytime, Anywhere」も、"大学芸会(私立恵比寿中学 大学芸会2021 ~Reboot~)"で歌ったのが印象に残っているので忘れられません。

-CD2についても聞いていきたいのですが、こちらにもファン投票の結果が反映されているんですか?

安本:基本的にはそうですね。「パクチー」は大人の人的には入れる予定がなかったけど、ファンの人気がすごかったから"じゃあ入れるかぁ?"って。

星名:"なんでこんなに人気なの?"って言われたもんね(笑)。

-「パクチー」はもともとシングルのカップリング曲ですもんね。

星名:そうですね。でも一番テレビで流れている曲だと思います。パクチー特集とかで。

中山:パクチーを歌う曲なんてなかなかないもんね。

柏木:(ファン投票以外に)大人の意見もあるのかなぁとは思っていて。「スターダストライト」は、いつもだったら歌割を3人ずつで歌っていたんですけど、今回の中吉ver.(※再録バージョン)は、"「大学芸会」でやったバージョンがすごく良かったからそのまま収録しよう"ということで、4人(真山、安本、星名、柏木)のソロ・パート、かほりこ(小林、中山)、3人(桜木、小久保、風見)みたいな歌い分けになっています。なので、また新しい「スターダストライト」が聴けるかなと。これも人気ですね。

-「スターダストライト」は歴史のある曲ですし、再録できて嬉しかったんじゃないですか?

星名:そうですね。最初のころの曲だから、失礼ですけど"歌ってなんだろう?"みたいなときで。今は3人(桜木&小久保&風見)にああだこうだ言っている私たちですけど、私たちが入ったときのレコーディングは、曲を覚えてわーって歌って、できたぁ! みたいな感じだったもんね?

安本:中吉ver.をたくさん録る意図としては、CDになっている今までの私たちの歌に3人の歌を入れると、3人が上手すぎちゃって、6人が下手すぎる状況が生まれるからなので(笑)。3人はすごいんだなって、このアルバムを作るうえでも感じました。

星名:そのときはボイトレとかなかったもんね。今はレコーディングの前にいつもボイトレがあるんですけど、昔は基本的に何もなくて。

安本:私とひなたは早朝組で、最初に録るんですけど、朝だしボイトレもないからカッサカサの声で(笑)。それでも"いいよ! いい感じだよ!"みたいに言われて、勘違いしちゃってました(笑)。

-(笑)CD2には、「エビ中出席番号の歌」の"その3"が収録されていますね。

安本:再録というか、新しく作ることができて良かった曲です。この曲は実際に前山田健一さんとお話しながらみんなで歌詞を作っていて。そういう形をとったのは初めてだったんです。小さいころは前山田さんのイメージで歌詞が書かれていたので、"別にそうは思ってないけどなぁ"とか感じながら歌っていたんですけど(笑)、今回は本当に自分たちの自己紹介の曲になったので、嬉しかったし楽しかったです。

-あぁ、"その3"だけ作り方が違うんですね。

星名:3人(桜木&小久保&風見)が前山田さんとお会いしたことがなかったからですね。昔は私たちと前山田さんの距離がすごく近くて、よくお会いしていたのでイメージがついていたみたいなんです。だけど、しばらくお会いしていなかったし、3人もお会いしたことがなかったので、だったらお互い紹介したほうがいい歌詞が書けるんじゃないかということで、機会をいただきました。

-前山田さんと久しぶりに会ってみてどうでしたか?

真山:お会いするたびに、今期のアニメの話を聞いてくださるんですけど、先日お会いしたときにサウナにハマっている話をしたら、今回はサウナの話になりました(笑)。ちなみにサウナキャラみたいなものの争奪戦があったのですが、選ばれたのは安本でしたね。

-そんな安本さんは、前山田さんとの会話はいかがでしたか?

安本:今までは先生に話し掛けるみたいな感覚だったんです。今ももちろん先輩なので、対等と言うと違うけど、大人になってちゃんとお話ができるようになりました。自分たちが大人になったんだなぁと感じましたね。

-かほりこのふたりは面識がどれくらいあったんですか?

小林:お会いすることはあったけど、みんなほどは関わることがなくて――

星名:その結果(歌穂のことがわからないから)当時(2016年4月リリースの3rdフル・アルバム『穴空』収録「エビ中出席番号の歌 その2」)の(歌穂の部分の)歌詞が"ぽーぽぽぽー"に。

小林:"ぽーぽぽぽー"と"ぱんぱぱぱん"でした(笑)。

中山:私は"さくらんぼ"と"きゅうり"で食べもの攻めで(笑)。

-(笑)今回はより中身がある歌詞になったんですね。

小林:でも"ぽーぽぽぽー"はマストでやらせていただいています(笑)。

-風見さんは、前山田さんと話してみてどうでしたか?

風見:めっちゃ緊張していたんですけど、"こういう感じでどうかな?"と優しく話し掛けてくださって。その場で話を聞いただけですぐにやってくださったので、すごいなと思いながら話を聞いていました。