Japanese
she9
2021年06月号掲載
Member:なみだじゅり(Vo) AMI(Gt) yuzu(Ba) 苑(Dr)
Interviewer:秦 理絵
-苑さん、yuzuさんは初めてのスタジオのことって覚えてます?
苑:私はもともとガールズ・バンドを組みたいって思ってたんですけど、専門学校のときに、周りに楽器をやってる女の子があんまりいなくて。やっとガールズ・バンドを組めたっていうのが素直に嬉しかったですね。
yuzu:苑のことは専門学校のときから知ってたけど、ふたり(じゅりとAMI)に会うのは初めてだったから、緊張してたんです。だけど、実際に会ったら初めてじゃないみたいな......。
苑:うん、わかる。すぐに打ち解けたよね。
yuzu:それがすごく嬉しかったです。
じゅり:すぐ仲良くなれたんですよ。特にAMIに関しては、ずっとギターを探してたから、相当ハードルが上がってたんです。でも、会ったら、絶対この子でOKだって思ったよね。
苑:思った!
じゅり:顔がかっこ良すぎて。"この子、タイプだー!"とか思ってました(笑)。
-ははは(笑)。結成当時、"こういうバンドになりたい"っていうイメージはありましたか?
じゅり:最初は探り探りでしたね。でもやっていくなかで、共感できるような、リスナーに近い存在になれたらって思うようになっていきましたね。遠い憧れというより、近くで応援できるようなバンドになれたらいいなって。
-音楽性としては、どういったものを目指したいと思いましたか?
AMI:みんな好きなジャンルがバラバラなんですよ。だから、こういうジャンルをやろうみたいなのはないんですけど。みんなで持ち寄ったもので作ってる感じですかね。
苑:聴いてきた音楽がバラバラだっていうのを前向きに捉えて。
じゅり:それを逆に武器にしてね。
苑:そう、やっていきたい気持ちはありますね。
じゅり:ゆくゆくはいろいろなジャンルを取り入れて、なんでもできるバンドになりたいんですけど。今は私たちの音楽を聴いて、純粋に楽しい気持ちになってくれたらいいなっていう気持ちが強いので。それが「最強★ピース」や「BPM」なんです。
-なるほど。具体的にそれぞれどんな音楽がルーツなのか聞かせてもらえますか?
苑:私はこれしかないって感じなんですけど、L'Arc~en~Cielがルーツですね。
-何がきっかけで聴くようになったんですか?
苑:母のお姉さんが実家に来たときにラルク(L'Arc~en~Ciel)のDVDを見せてくれたんです。そのときに、言葉にできないんですけど、ビビッとくるものがあって。それまでバンドに全然興味がなかったんですけど、母と一緒にハマって、CDを聴くようになっていったんです。
-そのとき観たのはライヴDVDだったんですか?
苑:いや、全然音楽に関係ない、(メンバーが)イントロドン! をしてるような。
じゅり:そうなの!?
苑:最初は"何この人たち?"と思ったんですけど、同じ人たちがPVではかっこ良く演奏してるのを観て、"すごい!"って感動したんです。
-苑さんから見て、ラルクのどんなところがすごいと思いますか?
苑:それぞれの個性が爆発してるのもそうですけど、自分がバンドをやるようになってから見ると、改めて技術がすごいなと思いますね。やっぱり(自分がドラマーなので)ドラマーのyukihiroさんが好きなんですけど。yukihiroさんのドラミングってすごく精密で、正確すぎるほどで。無駄のない動きが美しいんですよね。
-yuzuさんはどうですか?
yuzu:私は、勉強や部活がすごくつらかったときに、BUMP OF CHICKENを聴いたのが音楽を始めたきっかけですね。歌詞を見て初めて泣いたんです。
-なんていう曲で?
yuzu:「才悩人応援歌」っていう曲です。そこからライヴDVDですごく楽しそうに演奏されてるのを観て、私も音楽を始めたんですよ。で、中学生のときはギターをやってて、専門学校ではシンガー・ソングライター・コースに入ったんですけど、自分には合わないなって悩んでて。"どうしよう?"ってなってるときに、学園祭で組んだバンドでベースをやることになったんですよ。そこで、"あ、私はベースだ"と思ったんですね。
-ベースも弾けたんですね。
yuzu:ベースは、高校生のときに、Nothing's Carved In Stoneのひなっち(日向秀和)さんを知って、今までのベースの概念が変わったんです。こんなに爆音で聴こえる、かっこいいベースがあるんだって感動して。一応ベースは買ってみたんですけど、弾いてなかったんです。で、その学園祭で弾いて、私も.........おこがましいですけど、ひなっちさんみたいなプレイができるように頑張りたいって思うようになったんですよ。
AMI:女版ひなっちみたいにね。
yuzu:なりたいです(笑)。
-AMIさんのルーツはなんですか?
AMI:私は、親が車の中で流してたMONGOL800をずっと聴いてますね。『Message』っていうアルバムだったんですけど。その頃のモンパチ(MONGOL800)はメロコアっぽい感じだったから、ゴリゴリなやつを聴いてました。今聴いても"いいな"って懐かしくなりますね。
-ギターを持つようになったのも、モンパチの影響ですか?
AMI:それはまた別なんです。もともとお父さんが趣味でやってたので、家にギターがあって。小学5年生のときに、"Mステ(ミュージックステーション)"でSCANDALを観て。「DOLL」でメジャー・デビューしたときだったんですけど。女の子が楽器をやってる! っていう衝撃がすごくて。家にギターがあるし、じゃあ、ギターやろうかなっていうのがきっかけでした。
-AMIさんは、she9を組む前に"バンドを転々としてた"って言ってましたけど、それもガールズ・バンドだったんですか?
AMI:全部ガールズ・バンドでしたね。
-どうしてガールズ・バンドにこだわりたいと思うんですか?
AMI:なんでだろう......かっこいい女性が大好きだから、ですかね。
-苑さんも、"ずっとガールズ・バンドを組みたかった"って言ってましたよね。
苑:そうですね。"女だけでもいけるぞ!"っていう気持ちがあるので。そういうところかなと思いますね。
-なるほど。話が逸れちゃいまいたけど、最後にじゅりさんのルーツを教えてください。
じゅり:私の場合、苑みたいにこれ一択っていうのがなくて、数えたらキリがないぐらいたくさんのアーティストに影響を受けてるんですけど。強いて言うと、私は歌の中で歌詞に注目してるので、歌詞で影響を受けてるのはクリープハイプさんとか、aikoさん、中田ヤスタカさん、片平里菜さん、野田洋次郎(RADWIMPS/Vo/Gt/Pf)さん、川谷絵音(indigo la End/ゲスの極み乙女。/ジェニーハイ etc.)さん、ヤバイTシャツ屋さん、あと、チャットモンチーさんですね。
-あ、実は「BPM」を聴いたとき、クリープハイプは好きそうだなと思いました。
じゅり:本当ですか!? めっちゃ嬉しい。
-ざっとまとめると、00年代以降の邦ロックの影響が大きそうですね。しかも、尖ってる人たちが多いし。あえて、ゲス(の極み乙女。)とかindigo(la End)とかじゃなくて、川谷絵音さんっていう挙げ方をしたのはどうしてですか?
じゅり:川谷絵音さんの書く歌詞は全部好きなんです。ジェニーハイもすごくいいし。
-この並びにヤバT(ヤバイTシャツ屋さん)を入れてるのも幅が広いですね。
じゅり:自分で明るい曲を作るようになってから......言い方が正しいかわからないんですけど、"こんな適当なことを歌ってるのに、歌詞として成立するのがすごいな"って思うようになったんです。"そこ歌詞にする!?"みたいな部分が面白いんですよね。
-ふざけてるようで、時々すごくぐっとくることを歌ったりしますもんね。
じゅり:そう! そうなんです。
-she9ではピンヴォーカルですけど。シンガー・ソングライターのときはピアノの弾き語りだったんですよね。ピアノはずっとやってるんですか?
じゅり:4歳のときにピアノを習い始めたんです。そのきっかけがテレビのCMで流れてる"ドレミファソーラファミレド"だったんですよ。で、中1のときに軽音部でバンドを組んで、キーボード・ヴォーカルをやっていて。そこから今に至る感じですね。
-話を聞いていると、この4人で音楽を鳴らそうと思うと、まとめるのが大変そうですね。
じゅり:そうなんですよ(笑)。
-でも、ロックなバンド・サウンドっていうのが共通項なんだろうなとは思いました。あと、歌詞に重きを置いて音楽を聴くタイプのメンバーなんだろうなって。
じゅり:たしかに(笑)。今言われてそうだなと思いました。自分たちでは気づけてないんですけど。
LIVE INFO
- 2025.01.18
- 2025.01.19
- 2025.01.20
- 2025.01.21
- 2025.01.22
- 2025.01.23
- 2025.01.24
- 2025.01.25
- 2025.01.26
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
ASP
Skream! 2024年09月号