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INTERVIEW

Japanese

空想と妄想とキミの恋した世界

2021年01月号掲載

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Member:仲谷 瑠夏 有沢 ありさ 松樹 マユウ 中山 みる 今井 なぎさ

Interviewer:荒金 良介

"絶対的オシャレエモカワ"をキー・コンセプトに掲げた、空想と妄想とキミの恋した世界。彼女たちが12月3日にライヴ会場限定の初CD『未成年とか。』を発表した。ファッション、ヴィジュアル、サウンド面において、一貫したこだわりを感じさせるアイドル・グループで、今までいそうでいなかった独自のポジションを築き上げている。特にゴシック風味とエモ系バンド・サウンドの融合は、他とは一線を画したオリジナリティを見せつけ、今後の活躍に要注目と言えるだろう。1月17日に渋谷TSUTAYA O-WESTでのワンマン・ライヴを控えている彼女たち5人に、これまでの歩みと、これからの展望について話を訊いた。

-2018年12月にステージ・デビューしたそうですけど、当時のライヴを振り返ってどんな印象を持っていますか?

松樹:緊張しかなかったです。私はアイドル活動をするのが初めてで、新宿ReNYでライヴをやったんですけど......会場も大きくて、お客さんも一杯だったので、めちゃくちゃ緊張しました。

有沢:ライヴ映像を観ると、表情もガッチガチで(笑)。当時は精一杯に頑張っていたけど、今振り返ると恥ずかしいですね。だからこそ、成長できているのかなと。

仲谷:デビュー・ライヴのときはとりあえずダンスもみんなについていくので必死でした。とにかく歌やダンスをミスらないようにしようと思ってました。今はそれにプラスして、表情や表現力まで考えられるようになりましたね。今思うと、当時はレベルが低かったなって。

中山:えぇと、(当時のライヴ映像は)観たくないです! 私もアイドル活動をするのが初めてで、言われたことをやっていただけなんですよ。右も左もわからない状態でステージに立って......ガチガチだし、お客さんの顔も見られなかったですね。ライヴの記憶自体があまりないです。これからたくさん頑張らなきゃいけないと思いました。

-2019年にオリジナル・メンバーがふたり抜け、今井さんが加入する流れになるわけですよね?

仲谷:そうですね。初期のメンバーで空想(空想と妄想とキミの恋した世界)をやっていた頃は迷走してたんですよ。ライヴも月20本ぐらいやっていたし、その中でファンの方にどうやって飽きさせないライヴを見せるのかは大変でした。そこでお笑いの方向に進んだりして......楽曲はかっこいいのに、全部自分たちで崩しちゃったところもあったんですよ。やめたメンバーふたりが面白系だったから、そういう方向にライヴも向いてましたね。そのふたりがいなくなり、新しく入ったふたり(今井、堀井美佑)は真面目だったので、そこでかっこ良く見せようとみんなでギアチェンジしました。

-グループの方向性を決めるのも、メンバーのキャラや性格によるところが大きいんですね。空想は"絶対的オシャレエモカワ"というコンセプトを掲げているので、お笑いっぽい要素をやっていた時期があるとは思ってませんでした。

仲谷:当時はコンセプトなんてまったく考えてなかったです(笑)。とりあえずお客さんを飽きさせないようにしなきゃ! って。

-今井さんは空想に対して、どんなイメージを持っていました?

今井:ちゃんとした事務所に入るのも初めてだったし、メンバーに対しても怖いイメージがあったんですよ。最初の頃は敬語も使って......馴染むのに時間はかかりましたね。ステージ・デビューから3ヶ月後に加入したけど、その3ヶ月は大きいなと。追いつくのに必死でした。

-どれぐらいで馴染むようになったんですか?

今井:半年ぐらいかな?

仲谷:自然と馴染んでいったよね。

松樹:空想はみんなあり得ない人見知りだから、時間がかかったのにはそれもあったのかなと。

仲谷:初期メンバーふたりの脱退後に新メンバーが即合流したので、私たちも気持ちが整理できなかったんですよ。

-今の体制になり、グループはどういうふうに変化したと思います?

仲谷:当時カフェに集まって、みんなで"クールにしよう"って話し合ったんですよ。この曲はかっこいいから、みんなで統一した表現にしようとか。でも、「キミの恋した世界」は明るいテンポの曲だから、明るめでみんなを巻き込むように笑顔でやろうとか。それを話したのが去年の冬ですね。

-曲によって、自分たちの見せ方が徐々に固まってきたと。今年はライヴができない日々が多かったと思うんですが、改めてグループとして見直したところもありました?

仲谷:考える時間は多かったですね。今年の後半はみんなと腹を割って喋って、見つめ直せたんじゃないかと。振り返ると、成長できた1年になったと思います。ライヴの本数も多すぎると、追い詰められちゃうというか、余裕がなくなってくるんです。同じ気持ちでやっているつもりだけど、多すぎると、一本一本に対する気持ちが減っちゃうのは事実だから。ライヴが少なくなることで、一本一本も見つめ直せるし、レッスンの時間も増えましたね。

-腹を割って、どんなことを話し合ったんですか?

今井:堀井がやめたことがきっかけで、みんなが思ってることを正直に話しやすくなったと思います。自分たちに危機感を抱いて、このままじゃいけないと感じましたからね。どうにか立て直さなきゃって、前向きな気持ちがより強くなりました。

松樹:今までは深いところまで話さなかったんですよ。でも、やっと話せる関係になりました。コロナでいろいろあったけど、思い返したら無駄じゃなかったなと。

有沢:みんなでご飯に行くことも増えて、普通に仲良くなりました。前はご飯に行くこともなかったから。絆は深まったと思います。

中山:風通しは良くなったと思います。今はグループ全員で情報を共有して、前に進むことができているので、やりやすくなったって感じますね。

-そして、12月にライヴ会場限定で初のCD『未成年とか。』が出ました。もともと4月に出す予定だったそうですが、やっと出せるという気持ちが強いですか?

中山:「廻廊」はレコーディングや振り入れからお披露目まで半年も時間が空いたので、振りも全部忘れちゃって。ファンの方からも"いつCDが出るの?"と聞かれてましたからね。

今井:このCDが空想の代表作になればいいと思います。

仲谷:うん、「未成年とか。」はみんな思い入れのある曲で、オーディションでも課題曲になっていたし、それを聴いてかっこいいと思ったメンバーがほとんどですからね。ファンの人も好きな曲だし、「未成年とか。」は空想を代表する1曲です。