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INTERVIEW

Japanese

Mississippi Khaki Hair

 

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Member:Taito Kimura(Vo/Gt)

-今回のアルバム『From Nightfall till Dawn』のアートワークは、画家の鎌田 昇さんが手掛けていますけど、鎌田さんを起用したのはTaitoさんですか?

そうですね。僕が高校生ぐらいのときからインターネットではある程度知り合いで。昨年、個展に出向いて生で見て、カッコいいなぁと思いました。キャラクターのある絵で、僕の描く絵とは違ってバチンとくる強さがあって。そこに惚れ込んだのと、アイコニック且つ侘しさがあるのが今回の作風にも合うかなと思い、ぜひお願いしますという形でオファーさせてもらいました。

-"骨"のアイディアもTaitoさんが?

そうですね。これは鯨骨なんです。クジラの頭の骨で。それをモチーフに描いてください、という形でオファーを出しました。

-フル・アルバムは今回が初めてですよね。これまではEPでのリリースでしたけど。

単純に、時間とか労力をしっかりペイするという習慣があまりなくて。大阪時代は特に曲者なバンドだったと思うんですよ。活動が安定しない、メンバーすら安定しなかったので。そういう意味で、大きな作品とか、コンセプトを持った一貫した作品とかは作れませんでした。だから、とりあえずデモとしてあげておこうということで、SoundCloudだったり、ストリーミングだったりにEP作品として出していましたね。

-アルバムのタイトル"From Nightfall till Dawn"は直訳すると"日暮れから夜明け"という意味です。

Mississippi Khaki Hairのアイデンティティは、夜っぽさというか、夜のバンドだなぁと思って。日が沈んでからやがて昇るまで、みたいな感じでタイトルを付けました。

-今回、プロデューサーとして岩本岳士(QUATTRO/Vo/Gt/Key)さんが入っていますけど、外部の方がプロデュースをするのは初めてですよね?

初めてですね。すごく勉強になりました。僕は良くない意味でもかなり芸術家肌だったのかなと。絵描き的な自己完結で、なお且つワンマンだったと思うんです。どうしても視野狭窄に陥るというか、狭い範囲だけに執着してしまう。そういうところを、レンジを広げて新しいアイディアとノウハウで打開していくというか、それがすごくハマっていたかなと思います。

-今までの作品だと、ギターやシンセの音がそれぞれ独立していた感じだったんですけど、今回はまとまって作り上げているように思えました。

そうだと思います。そこに関しては僕に適性がないというか、そういうのができないタイプなんです。今まではフレーズとフレーズ、もしくはノイズとノイズみたいな形で、それぞれをぶつけ合う形だったんですけど、今回は同じ方向に出力するというか。フレーズとかも、ある種ハモりであったり、互い違いになってたり、共和する、共鳴する形を岩本さんが大事にしていたのかなと思いますね。そこには僕も同意して、取り入れていった形です。

-今回、アルバムのコンセプトはあったんですか?

プロダクトとしてのコンセプトは、今までの曲プラスこれからの曲も入れて、Mississippi Khaki Hairがここまで来たよっていう場所をしっかり提示したいなと。アート作品としてのコンセプトは、セイレーン伝説です。いわゆる人魚伝説を少しモチーフにしているところがあって。それがクジラのジャケット写真にも結びついてるんです。歌詞もわりとそういう感じで。

-海とか水とかのモチーフが多いですよね。

そうですね。そのために歌詞を書き直したりもしていて。「Hurts」の最後にサイレンが鳴るところとかも、セイレーン伝説として一貫した作りにしています。ダークで救いのない物語でありながらっていう、ひとつのモチーフとして使っていて。

-収録曲は「Rusty Sapphire」、「Phone Call」、「True Love」が再録で、あとは新録ですね。

今までライヴでやってた勝負曲なんかもすべて織り込んだので、しっかり作り込みました。リード曲の「Gravity」、「Moonshadow」とかはアルバム前提で作っています。

-「Phone Call」と「True Love」は、1st EP『Meaningless Kisses & Hatred』(2017年リリース)と2018年のデジタルEP『Lunarian』にも収録されていますよね。バンドとしても相当思い入れの強い曲ですか?

(思い入れが)ありますね。

-改めて再録した理由はなんだったんですか?

流通という意味や、多くの人の目に触れるという意味では今回が1枚目なので、代表曲として入れてます。こういう曲を入れておくことで、ひとつのベンチマークというか、基準点になるかなと思うんです。作品としてもまとまりを出すために、バンドとして取っ散らからないようにという意味でも「Phone Call」と「True Love」は入れましたね。あと、単純に再録したかったんです。曲として好きなので新しく録ってみたくて。勝負曲としてずっと使っていた曲だからこそ、プロデューサーの手腕が効いたかなと思います。

-新曲で特に思い入れのある曲はどれですか?

やっぱり「Moonshadow」ですかね。歌詞には、女の子を口説くような主題はあるんですけど、ニュアンスとしては"逸脱"というのが大きくありまして。歌い出しが"Leavin' the town I used to live"――住み慣れた街からの脱出とか、僕らにシンクロしている部分はあるかなと思って。大阪から出てきて、東京ではコロナで全部フリーズしたけど、もがきながらも今までのモノから脱却していく、みたいなものがありますね。「Moonshadow」ではMVを撮っています。オーソドックスながら、すごくいいMVになりました。

-では最後に、リリース後の予定や今後の目標はありますか?

12月1日と19日にライヴがあります。1日("THE PURSUIT OF HAPPINESS")はNo Buses、Tomato Ketchup Boysとの3マンを配信でやらせてもらおうと。なので、全国から観ることができます。19日([Mississippi Khaki Hair 1st full album "From Nightfall till Dawn" Release Party])は大阪で、もともとホームだったSOCORE FACTORYで有観客のワンマンをやろうかなと。鬱屈とした時代というか、時勢ではありますけど、自分たちらしく、進歩的にやっていきたいなと思います。