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INTERVIEW

Japanese

YENMA(ex-Charles)

2020年10月号掲載

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Member:池田 光(Vo/Gt) 深澤 希実(Key/Vo) 渡邉 麻美子(Ba/Cho) 山本 武尊(Dr/Cho)

Interviewer:吉羽 さおり

正直まだまだ足りない、もっと全開にしたい


-また今回の中でもいいなと思ったのが、男女ヴォーカルのデュエットとなった「Blue Monday」です。今のメンバーだからこそ、男女ヴォーカルでの曲をやろうというのはあった?

池田:いわゆるツイン・ヴォーカルの曲は前からトライしたいなと思っていたんです。今、J-POPではツイン・ヴォーカルのバンドって少ないじゃないですか。おしゃれなシーンでは見かけますけど、僕らはみんな歌えるしそれができるので、狙ってやるしかないよなというのはあって。一度、自粛期間中にリモート・バージョンを作って、YouTubeにアップしたんです。そしたらその反応が良くて。何よりメンバーも含め、僕もしっくりときたのがあって、ツイン・ヴォーカルいけるぜって思ったんです(笑)。今後もガツガツ狙っていこうと考えてます。

-男女それぞれの視点がある曲で、まさにうってつけですもんね。歌詞も池田さんと深澤さんのクレジットですが、ふたりで書いているんですか?

池田:初めて一緒に書いた曲ですね。こういう歌詞にしたいっていうことで、1回僕が考えたうえで──

深澤:私が歌うパートは、女心は女にしかわからないと思って(笑)。

池田:女の子に任せたほうがいいなと。で、"こういう女の子になって?"という提案をしたうえで、強い女の子を希実なりに噛み砕いて書いてくれた感じですね。

-では、この女性像には深澤さんの思いが生きている感じ(笑)?

深澤:いやいや(笑)、もちろん私の話ではないですよ。

一同:(笑)

池田:感情移入してたんじゃないの?

深澤:こういう女の人いるよなぁっていうくらいで。

山本:レコーディングでちゃんと気持ち入ってたよ。

深澤:それは楽しかったけどね。

-別れを描いた曲で、女性は前を向いて進んでいってしまうのに対して、男性はどこかすがるような思いがある。

深澤:はい、この男性との温度差があるのが聴いていても面白いんじゃないかなと思って。

渡邉:ただ最後のところはちょっと、女性のずるい感じがあるよね。

池田:そう。でも、これ結構リアルにあると思うんですよ。いかにリアルにするかっていうのはめっちゃ話したもんね。

深澤:ただバイバイっていうのじゃなくて、"でもずっと覚えていて"とか、"明日も忘れないでいて"っていう、女の子のずるさがリアルに歌えたんじゃないかなと。

池田:そのずるさは出してほしかったんですよね。

-それ言われたら、後々まで引きずる要素が満載ですよね(笑)。

深澤:"私はもう好きじゃないけど、あなたは私のこと好きでいてね"っていうくらいの(笑)。もちろん、私はそうじゃないですよ?

池田:何回も言うと、だんだん怪しくなってきたな。

山本:うまかったしね(笑)。

−曲の書き方としても新たな方法で、これからに生きそうな曲ですね。

池田:このスタイルはどんどんやっていきたいと思います。YENMAを象徴するような曲のひとつになりました。

-サウンド面ではどうですか?

深澤:これはもともと、もっとテンポが速かったよね。もうちょっと軽い感じというか。

池田:そういう面でも、松岡さんとディスカッションを重ねて、この歌詞でこのアプローチだったらBPMを下げてみようかとか、一緒に試しながらやっていきました。

深澤:あとはイントロのドラムがいい。

渡邉:あれはいいね。めちゃくちゃいい。

深澤:あれで一気に「Blue Monday」の世界に引き込むっていう。

山本:ドラマーとしては、そこは聴いてほしいところですね。

渡邉:ベースに関しては、「Blue Monday」は私の中で初めてやるようなジャンルで。ちょっとウエットな感じの、微妙なテンポ感や温度感が難しかったです。それこそレコーディング中も松岡さんと一緒に、ここはこういう長さでとかをひとつひとつお話ししていって。リズムやグルーヴはレコーディングで試行錯誤を続けながらやっていきました。

-そしてリード曲となる「シャンデリア」です。勢い良く気持ちが奪われてしまう瞬間を、ポップにカラフルに描いた曲なんですが、なんでまた、"君"が"シャンデリアに乗ってやってきた"なんでしょう?

池田:これは正直に申し上げると、当時の僕に聞きたいです(笑)。でも、降ってきたんですよ。鼻歌でギター弾きながら作ることが多いんですけど、そのときに"シャンデリアに乗って"と歌っていて。

渡邉:普通、人はシャンデリアに乗ってこないぞって思いましたけど(笑)。

池田:でも、シャンデリアに乗ってやってきたというのが、僕の中ではすごくキャッチーだったんですよね。このサビからできて、ここから絶対歌を展開させてやると思って。そこから広げていって、逆に今の歳になって憧れるような若いときの青臭い、追いかける恋愛を形にしてみたという感じですかね。

-キラキラとして、ちょっと手に届かなさそうな存在を追いかけるような感覚ですかね。

池田:そうですね。中学生のときとか、本当に経験があって。一目惚れした女の子を、追いかけるような、ああいうときのことを思い出しながら。

-そのやりたい放題なポップさが、曲とメンバーのアイディアによるシュールなMVとで味わえました。これがアルバムの1曲目を飾ることも、MV曲として世の中に出たときの面白さっていうのがすごくありそうです。

池田:反応を見てみたいなというのはありましたし、そういう実験でもありました。これはギアを振り切って、Charles時代からYENMAに残す我々の賑やかでカラフルな部分で、メーターを振り切って作ってみたので、それを世の人たちはどうキャッチするのかなっていうのを、見てみたい気持ちですね。

深澤:サウンドもいろいろやり切ってますしね。2Aのレゲエのところとか、武尊が楽しいんだろうなっていう。"俺の時代だ"くらいの感じでやっていて。

山本:めっちゃ楽しみました。

-それぞれが持つキャパやキャラクターが全開で、弾けた感じがあるので、インパクト抜群にYENMAを伝えられるのでは。

池田:はい。でも、正直まだまだ足りないなと思っているくらいなので、もっともっと全開にしたいと思ってます。これからも楽しみなんですよね。