Japanese
いゔどっと
透明感のある歌声で紡ぐ"歌ってみた"動画から音楽キャリアをスタート。昨年、初めて自身で作詞作曲を手掛けたオリジナル曲「余薫」、「累累」が大きな話題を呼んでいる新世代クリエイター いゔどっとが、7月15日に初のフル・アルバム『ニュアンス』をリリースする。R Sound Design、syudou、100回嘔吐、Sori Sawada、コレサワ、maeshima soshiという多方面のクリエイターによる書き下ろし楽曲も収録する今作は、いゔどっとの声の魅力が最大限に生きるメロウな楽曲をはじめ、ロックから弾き語りまで多彩な楽曲を収めた。以下のテキストは、そんないゔどっと初のインタビューとなる。音楽を始めたきっかけから、一度は就職しながらも、再び音楽に夢を託し今作に辿り着いた道のりまでを語ったテキストより、未だ謎多きシンガー・ソングライターが音楽に抱くピュアな衝動を感じてほしい。
-もともと"歌ってみた"動画から注目を集めたいゔどっとさんですけど、初めて投稿したきっかけはなんだったんですか?
きっかけは覚えてないんです。初めて動画を上げたのが中学2年生のときで、いわゆる"歌ってみた"をやりたかったというより、生放送みたいなのをやってみたかったんですよね。ひとつのエンターテイメントとして企画したというか。
-音楽を聴くのは好きだったんですか?
好きでした。叔父がバンドをやってた影響もあって、高1のときにバンドを始めて。
-パートではヴォーカルを?
ベース・ヴォーカルでした。特にベースが良かったというわけでもなく、叔父がベーシストでベースを貰ったんです。ただ、ヴォーカルはやりたいなと思ってましたね。
-どういう系のバンドだったんですか?
ロックでしたね。軽音部に入ってたわけじゃなかったから、普通に友達と組んでて。バンド自体はすぐに終わっちゃったんですけど、そこからひとりでやるようになったんです。
-バンドはすぐにやめちゃったのに、ひとりでやるほうは続いたんですね。
うん、楽しかったんですよね。特に反応を気にするわけでもなく。ただやりたいからやってたんですけど。自然と動画を上げるのが趣味になったんです。で、高校3年生のときに6人組のグループを組んでたんですよ。全員歌うグループだったんですけど。
-それもカバーだったんですか?
そうです。でも、それも含めて、大学生になったときに全部の音楽活動をやめちゃったんですよ。2年間ぐらい完全にやめてたんですけど、2年後......21歳ぐらいのときですかね。大学3年生のときにまた音楽を始めるようになって今に至るんです。
-なるほど。さっき学生の頃にはロック・バンドのカバーをしてたっていう話もありましたけど、他にはどんな音楽に影響を受けてるんですか? アルバムを聴かせてもらうと、美しくて儚げなトラックが特徴だと思いますけど。
うーん......普段からどんなジャンルでも聴くんです。今回の作品が繊細な感じになったのもわざとそうしてる感じではなくて、自然とそうなったというか。
-じゃあ今回のアルバムは、いゔどっとさん自身の声と相性のいいサウンドを目指したという感じですか? 透明感のあるヴォーカルを最大限に生かすような。
自分の声に関しては、僕自身ではよくわからないんですよ。もともと中学のときは、自分の声が嫌いだったんです。まだ若すぎて声が完成してなかったし。ビデオ越しで聞く自分の声って、本来の声とは違うじゃないですか。それがショックだったんですよね(笑)。最近は周りの人に"その声を大事にしたほうがいいよ"って言われることが出てきて好きになりましたけど、意図的に目指したというよりかは、自然とそうなった部分が強いのかなと思います。
-もともと"歌ってみた"で始まったキャリアですけど、もう一度音楽を始めたときに、オリジナル曲を発表することも視野に入れてはいたんですか?
そうですね。再開するときからそれを前提にやっていたわけではなかったんですが、オリジナルをやってみたいというか、純粋に"自分にもできるのかな?"っていう好奇心で始めたんです。高校生のときにギターをやってて......。
-ん、ベースじゃなかったでしたっけ?
あ、ベースは貰ってすぐにやめちゃったんです。自分に合ってないなと思って(笑)。で、アコギを買って弾いてたんですよ。そこからずっとアコギは弾き続けてるので、これで作れんじゃないかな? みたいな浅はかな気持ちで0から作り始めました。
-去年「余薫」と「累累」の2曲が初のオリジナル曲として発表されましたけど、その前から何曲か作ってたんですか?
いや、「余薫」が初めて作った曲なんですよ。1年ぐらいかかって。本当にわけもわからず作ってたから、8分ぐらいの長さがあったんです。
-ポップスとしては長いですね(笑)。
そうなんです。で、友人に"長すぎ"って言われて初めて気づいたんです(笑)。
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