Japanese
majiko
-この「エスカルゴ」には、"誰しも殻をぶっ壊してえんだろうな"という力強いワードも登場しますね。
口が悪いですね(笑)。この曲は"起死回生"をテーマに作ったんですけど、このEPに絶対に入れたいって思っていた曲だったんです。
-そもそも、なんで"エスカルゴ"なのでしょうか。
これは、自分にしかわからないんですけど。すごくかっこいいグルーヴィな曲ができたから、タイトルも絶対かっこいいものにしたいと思ってたんです。いろいろと考えていたんですけど、私の学生のときの先輩バンドに"エスカルゴ"っていうバンドがいて。世には出てないんですけど、そのバンドがすごくかっこいい女性ヴォーカルのバンドで好みの音楽をやっていたので、"エスカルゴ=かっこいい"みたいなイメージが私の中でついてたんですね。かっこいいものを考えていて"エスカルゴ......いいじゃん!"みたいにひらめいて、それが自分の書きたかったテーマともマッチしたので、それに決めました。
-こういったグルーヴィな曲調の曲――前作で言ったら「パラノイア」とかもそうですけど、majikoさんのかっこ良さがより前に出てきますよね。
嬉しいですね。私はたぶんこういうのが好きなんですよ。シャッフルというか、スウィングというか、そういうのが得意なんです。こういう曲をたくさん書けたらいいなと思ってます。
-"どうしよう/もういい?"のところの歌い方とか、すごくグッときます。聴いたとき"うわ~たまらん!"ってなりましたよ。
(笑)そこの部分はライヴを想定しているんですよ。あのキメの感じをやったらかっこいいだろうなって。
-あれはライヴでばっちり決まったら最高だと思いますよ。
難しそうだな~! 頑張ろう。やってやります。
-また、先行配信もされていた「グリム」は、タイトル通りおとぎ話の世界の要素の入った曲ですね。前作だと「MONSTER PARTY」で"モンスター・ホテル"の要素が入っていたりして、majikoさんの楽曲ではおとぎ話や夢の国みたいな、ファンタジー的な世界観から影響を受けたものも結構あるのかなと思いました。
ディズニーとか、そういうものは幼少期のときから好きで、血液に流れているものというか、ああいう雰囲気は大好きですね。あとは自分が見た夢に影響を受けて書くこととかもあります。「グリム」に関しては子供のころ見た、ディズニーとは違うほんとのグリム童話――例えば、人魚姫は映画とは違って泡になっちゃうというのを知って、"何それめっちゃやだ"とか、オオカミ少年も"え? 食べられちゃうの? やだ"みたいに思ったりして。じゃあ、片っ端からハッピーエンドにしたらどうなるんだろう、私がその物語に入って、第三者として動いたら何か変わるのかなという妄想で作ったものなんです。
-たしかにグリム童話には、すこし残酷だったり悲しかったりするところもありますよね。"「オオカミが来た!」信じてあげる"、"人魚の恋を叶えてあげる"という歌詞からは救いのようなものも感じられました。
この曲は、作ってる最中に"これはmajikoの過去を許していく曲でもあると思う"って、第三者目線で哲ちゃん(木下 哲)とかから教えてもらったんです。"あぁ、なるほどね"って。そういうアドバイスを聞いて、過去の自分が許せなかったもの――あのときの友達、あのときの元カレ、あのときの言葉とかを、この曲の中だけでもいいから許してあげられるようなものにしようと思ったんです。そういう思いで詞を書いていきましたね。
-今のお話、すごく納得できます。落ちサビのところでは物語がグッと深まる印象があったりして、サウンドにもストーリー性が感じられました。
いやぁもう、サウンドはすごく頑張りましたね。私はコードのこととかまったくわかんなくて勘だけで作っているんですけど、そこに哲ちゃんがいい感じの知恵を与えてくださるんです。"こっちのほうがいいですよ"とか、"ここはこうしたいんですよね"みたいに言ってくれるので、助かってます。
-普段作曲はどのようにやってるんですか。
作曲はパソコンでやってますね。最近はMIDI鍵盤でやってまして、アレンジの外枠までがっつり作っちゃうんですよ。なので1曲にかかる時間は長いですね。ギターに関しては、哲ちゃんがいい感じにやってくれるだろうってある程度任せるんですけど。それで、がっつり外枠を固めてから、メロディやその音から関連する言葉を探すっていう感じで作ってますね。
-この曲ではBメロでは童謡っぽさが出てたりして、音にもこだわりが感じられます。
おとぎ話っぽい響きっていうのはかなり研究しました。それがすごく楽しかったですね。"なんか足りないよね"ってところは哲ちゃんとかと相談して。私はベースとドラム、ピアノは少しですがいじれるので、"こういうのはどうですか"ってやりとりをしましたね。
-サビのヴァイオリンの速弾きがすごいですよね。あと、この曲はサビのベースがシンプルながらも曲の柱になっているなと思いました。
あのヴァイオリンはヤバいですよね。NAOTOさんがバカテクでやってくださって。あれをやっちゃうのは天才ですよね。北原(裕司)君のベースは欲しいところにくる感じで、「グリム」に絶対に合うなって思ったので嬉しいです。今回はバンド・メンバーで挑みたいと思っていたんですよ。
-バンド・メンバーで挑みたいという思いはMVにも表れていますよね。majikoさんのMVで、バンドでの出演は新鮮です。
これも中国、日本、台湾のライヴを経て、バンドの士気が高まっていて、そういうときに撮ったほうが絶対いいと思ったんです。認知度も上げたいし、今このメンバーがすごく大事なので、"覚えてといてね"みたいな感じですね。本当に居心地がいいんですよ。みんな女兄弟がいるからなのかな......(笑)。音もみなさん最高ですし、もう最強ですね。
-majikoさんにとってはやっぱりバンド・サウンドは重要なものなんでしょうか。
バンド・サウンドっていうのは自分とは切っては切れないものだと感じます。どこかに生音は絶対入っていてほしいなって思っちゃうんですよね。人が弾いたものが入るっていうのは、私が作る音楽には必要不可欠なのかなって。
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