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INTERVIEW

Japanese

Amber's

2020年04月号掲載

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Member:豊島 こうき(Vo/Gt) 福島 拓人(Gt/Prog)

Interviewer:山口 哲生

-そういう生活から生まれてきた曲が今回リリースされた『VOSTOK』に収録されていると。今作は昨年の9月に配信されたものに2曲追加した形でCD化されているわけですが、バラエティ豊富な作品にしたかったそうですね。

こうき:さっきのルーツの話もそうですけど、好きな音楽が本当にたくさんあるし、それを片っ端からやっていきたいと思っていて。ジャンルとか、こういうものをやっていこうというよりは、自分たちが本当にいいと思うものをやっていきたいし、そうやって自分たちのやりたいことをやったら、ここに入らなかった曲たちも含めて自然とそうなった感じもあるんですよ。

拓人:うん。いろんな曲を作ろうと思って作っている感じでもないんですよ。好きなものを好きなように作ったらバラエティ豊富になったっていう。もちろん幅広い感じに聴こえるようにしたいと思っていたところもあったけど、結果的にそうなったところもありますね。

-様々なタイプの曲を収録しつつも、全曲を通して"愛"と"願い"というテーマを掲げた歌詞が書かれていて。

こうき:歌詞は僕が全部書かせてもらっているんですけど、いろんなタイプの曲があっても、全然違うことを言っているわけではなくて。"この曲を書くときはこういう人になろう"とか、そういうことはあまり考えずに、自分の目線で書くこと、ひとつのことをいろんな視点で描くというのは意識していました。

-その中でも"願い"という部分が非常に強いですよね。

こうき:Amber'sを結成する前は僕の中に願いみたいなものってあんまりなくて。幼い頃から将来の夢とかも全然なかったんですけど、拓人や、Amber'sを通していろんな人たちと出会ったことで、言いたいことがすごく増えてきたんです。だから、1stフル・アルバムでそういうことを歌わないで何を歌うんだと思ってましたね。

-先ほど拓人さんが"紫色みたいなオーラ"という表現をされてましたけど、こうきさんはもともと内側にこもるタイプだったりするんですか?

こうき:意識して人と関わらないようにしてたわけではないんですけど(笑)、あんまり飲み会とかに行きたいタイプでもないし、外でワイワイ遊ぶタイプでもないし......どうなんだろう?

拓人:あのとき感じた紫の要素として、当時は夢があんまりなかったんじゃない(笑)?

こうき:ははははは(笑)。でも、じゃあなんで音楽やってんだよ? って話になると思うんですけど、そういうものを探してはいたんですよ。自分を表現したいとは思っていたけど、どういうふうにしたらいいんだろうとか、バンドをやりたいなと思ってはいたけど、どうしたらいいんだろうとか考えながら、その当時はライヴをしてましたね。バンドをやりたいけど、友達もいないし、でも、こういう場所に出ていたらもしかしたら誰かと出会えるかなと思いながら、ひとりで歌ってました。

-ちなみに、"こういう歌詞にしようと思う"みたいな話もよくされるんですか?

拓人:僕からこうき君にお願いすることはほとんどないんですけど、こうき君から聞いたのは「We wish on a STAR」は希望に満ち溢れたものというか。夢を描いている曲なんですけど、Amber'sを通して経験したことがすごくデカいみたいな。

こうき:うん。拓人が作った「We wish on a STAR」のトラックを聴いたときに、めちゃくちゃいいなと思ったんですよ。そこからこのメロディを作ったら"めっちゃいいね"って言ってくれて、これをアルバムの最後の曲にしようっていうのも最初の段階で決まったんですけど、歌詞をどうしようと。そのときに、いつも応援してくれている人たちとコミュニケーションを取ったときに感じたこととか、自分の過去のこととかを書こうと思って、拓人に"こういう歌詞にしようと思うんだけど"と言いました。まだ書き出してもいない段階でそういうことを話したのは、「We wish on a STAR」だけですね。

-なるほど。今回追加された2曲についてお聞きしていきたいんですが、まずは新曲の「FORTE」。この曲はサウンドがかなり骨太で、歌詞としてはフラストレーションを爆発させながらも、前に進んでいくようなものになっていますね。

こうき:「FORTE」は去年『VOSTOK』を配信したあとに作った曲なんですけど、新曲を入れるにあたって、自分たちの言いたいことが濃く出た曲を作ろうということになって。自分たちは今何が言いたいのか、Amber'sとして何を伝えたいのかっていうことを、トラックにも歌詞にもしっかり込めようっていうところから作り出しました。

拓人:この曲って明るい曲にはあんまり聴こえないと思うんですよ。攻撃的な印象を受けるとは思うんですけど、怖い印象を持たせたい気持ちは、俺ら的にはなくて。それこそフラストレーションを爆発させながらも、願いを歌うというのは、『VOSTOK』というアルバムに共通しているところでもあるし、意識したところではあったよね?

こうき:うん。自分の中で「FORTE」はすごく前向きな曲だと思っているから、怖い曲って思われるとちょっと悲しいんですよ(笑)。

-音がハードだとそういう印象になるかもしれないですね。

拓人:ライヴでも結構ガツンとくる系でもあるし。

こうき:そうだね。歌も力強く歌うことを意識してたんで、そういうところもあるのかもしれないですけど、前向きな曲だっていうのがちゃんと伝わってくれるといいなと思います。

-新しく曲を加えるにあたって、サウンド感的に強めの曲が欲しいと思ったところもあったんですか?

拓人:強めというか、リフで引っ張っていくような曲を作ろうと思ってましたね。そこは完全にUKの影響というか。コードの展開や、トラックをいろいろ変化させて感情を動かすというよりも、骨太なリフがあると、その上に乗せた言葉の意味で持っていけるんじゃないかなと思ったので、そういう形にしました。

-もう1曲の「Searchlight」は結成当時に作った曲だそうですね。

こうき:Amber'sになってから1年で100曲ぐらい作ったんですけど、「Searchlight」はその中で5番目ぐらいにできた曲ですね。だから、自分たちにとっては結構古い曲というか。1stフル・アルバムなのに、"古い曲"って言うのもアレですけど(笑)、ずっとライヴでやってきた曲でもあるので、それをちゃんと届けたいということになって今回入れました。

-シンセの雰囲気はトレンドをイメージしつつ作っていきました?

拓人:たしかにそのときに流行っている音ってあると思うんですけど、僕らはバンドだけど、バンドじゃないとも考えていて。取り入れられる要素は取り入れようと思ってはいるけど、流行っているから入れたらいいというよりは、自分たちがかっこいいと感じたものが流行りであれば、それを入れたいと考えていて、「Searchlight」もそういうところからこの感じにしたところはありますね。

-これは新曲だけじゃなくて、どの曲も共通して言えることなんですけど、Amber'sの曲ってギターの音が大きいし、拓人さんは結構弾くタイプのギタリストですよね?

拓人:わりとそうですね(笑)。

-今のトレンドや最先端のサウンドってギターの音がすごく減ってきてるじゃないですか。だけど、めちゃめちゃ弾いているのがすごくいいなと思いました。

拓人:僕はギターから音楽に入ったし、トラックにはギター以外の音も入れるけど、やっぱりギタリストなので。ギター・ヒーロー的な存在に憧れもあるし、なんなら僕もなりたいと思っているので、ギターを控えめにする考えにはあまりならないですね(笑)。

こうき:まぁ、目立ちたいんだろうね(笑)。

拓人:もちろんそこはある(笑)。

-「Searchlight」のアウトロでギターとフェイクが絡んでいくところとか、ライヴでめちゃくちゃいいだろうなと思いました。

こうき:ライヴでも結構ソロで遊んだりするし、僕もフェイクを結構変えたりしてるんですよ。

拓人:あそこは戦いだよね。

こうき:そうそう(笑)、戦ってますね。