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INTERVIEW

Japanese

SPARK!!SOUND!!SHOW!!

2019年10月号掲載

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Member:タナカユーキ(Vo/Gt) チヨ(Ba/Cho) タクマ(Key/Gt/Cho) イチロー(Dr/Cho/169)

Interviewer:秦 理絵

-イチローさんは、今回のアルバムはどんな作品になったと思いますか?

イチロー:今回は「スサシのマーチ」とか初期の曲が入ってるのもいいんですよ。

タナカ:結構初期から知ってくれてるもんな。「スサシのマーチ」っていう曲が、このバンドを組んで最初に作った曲なんですよ。10年前からあるんです。で、この曲をメインでやってたときに、俺らはイチローが昔やってたバンドと知り合ったんですよ。

チヨ:イチローそのときどんな格好してたんだっけ?

タナカ:星条旗のタンクトップのやつ(笑)。

イチロー:おいっ! 言うなよ。

タナカ:それを着て"イケてるっしょ"みたいな顔で大阪のライヴハウスに来てた。

チヨ:"ユーキ、何じろじろ見てんの?"っていう顔でこっち見てたよね(笑)。

イチロー:まぁ、そういう時代もあったんですけど......。さっきの話の続きを言うと、今回のアルバムは、タクマが入って以降の新しい曲と昔のやってた曲とが合わさって、ちゃんと1枚のアルバムとして成立してるんですよね。

タナカ:おー! イチローは今日のインタビューでこれ以上のコメントが出ないと思います。今までのインタビューの中でも最高到達点。100点や(笑)。

-(笑)今回、「スサシのマーチ」の他にも、「ミッドナイトサイダー」の再録もあるし、「Swinga!」でR-指定(Creepy Nuts)さんをフィーチャリングしてるから、改めてこれまでのスサシの歴史をちゃんと知ってもらいたいという想いもあったのかなと思いました。

タナカ:あ、たしかに、それはあるかもですね。「Swinga!」は会場限定でしか出してなかったので。実はもともと「Swinga!」はR(R-指定)にラップしてもらう想定で作ってたんですよ。でも、スケジュールの関係で無理やったんですね。で、とりあえずスサシの4人で完成させて出したんです。そしたら、ある日突然Rが、"「Swinga!」をサンプリングして「ぬえの鳴く夜は」(Creepy Nuts)っていう曲にしたい"って言ってくれて。

-それは、もともと客演として呼ぼうとしてた曲だとは知らずに?

タナカ:そう、そのときに初めて"この曲が客演してほしいって言ってた曲やで"って伝えたんですよ。

-じゃあ、今回ようやく、当初やりたかった「Swinga! feat.R-指定(Creepy Nuts)」の形でリリースできるわけですね。

タナカ:そうです。こういう経緯があるのも面白いですよね。あと、「スサシのマーチ」みたいな昔の曲も俺はすごく好きなんですよ。そういうのはリサイクルしたいんですよね。曲として今誰もやってないものだから。こういう曲をアップデートして最新の曲の中に交ぜられるのが、フル・アルバムの楽しみだなと思うので。

-実際R-指定さんの制作はどんな感じだったんですか?

タナカ:"8小節だけラップしてほしい"って伝えたら、ラップを2パターン書いてきてくれたんですよ。で、"どっちがいい?"って聞いてくれたんですけど、"Rが気に入るほうでいい"って言ったんです。これメンバー全員の名前が入ってるんですよ。

-それも直接的じゃなくて、遊び心のある入れ方ですね。

チヨ:シャレてますよね。

タクマ:技すごっ! と思ったから、俺はこっちになって良かったなと。

チヨ:(イチローに)名前入ってるの気づいてた?

イチロー:気づいてました。本当に気づいてましたよ!

-疑ってないですから(笑)。

タクマ:イチローでも気づけるので、全員気づけると思います(笑)。

-「GODSPEED」は、タイトルの通り速い曲ですね。悪そうなバンド・サウンドに乗せてキュインキュイン飛び交うようなシンセが印象的で。

タナカ:やっぱり俺らのイメージって、ちょい悪感だと思うんですよ。あとシンセのバキバキ感。この曲は、俺がクラブ・ミュージックを好きで掘ってきた中で見つけた、ガバっていうジャンルなんですね。その次の「感電!」もガバなんですけど。バンド・サウンドの低音のチューニングにガバのスピード感を合わせたら、バイオレンスさが増すかなっていうので、タクマがトラックを作ってきてくれたんですよ。そのあたりから、今回のアルバムの"ダンス&バイオレンス"っていうテーマも見えてきたんですよね。

-ダンス&バイオレンス?

タナカ:うるさい音で踊れつつ暴れられるっていうイメージですよね。

チヨ:めっちゃ悪い感じがするよな。

タナカ:それを生演奏でできるのが俺らの旨味やなと思ってるんですよね。クラブ・ミュージックのDJでエモーショナルな部分は出づらいけど、生演奏やから出せる。でも、バンド演奏だけでダンスしまくれって言ったら、スカ・ダンスとかモッシュとか定型の動きになるじゃないですか。俺らのお客さんは、そういう一辺倒じゃないダンスができたら最高だなと思ってるんです。それが、俺が見たい光景なんですよね。

-なるほどね。スサシが今まで誰もやってないような音楽を追求してる意味を突き詰めると、自由で縛りのない空間を作りたいっていう想いからなんですね。

チヨ:そうです。去年出したアルバム『火花音楽匯演』の中に、「無愛愛」っていうトラップっぽいリズムの曲が入ってるんですけど、俺らのお客さんは調教されてきたのか、ちゃんとクラブっぽい感じで踊れる子がいて。それが理想やなと思うんですよね。

タナカ:あれを生演奏でできるのも俺らぐらいやしな。

チヨ:メロコアしか知らんやつらからしたら異様な光景なんです。