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INTERVIEW

Japanese

ザ・コインロッカーズ

2019年06月号掲載

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Member:絹本 夏海(E.Gt) 松本 璃奈(Vo) 有働 優菜(Key) 森 ふた葉(Dr)

Interviewer:宮﨑 大樹

選ばれなかった30人分の気持ちを背負って


-みなさんポジティヴに捉えているんですね。選抜で言うと、今回ここにいるみなさんは、まさに「憂鬱な空が好きなんだ」の選抜メンバーです。楽器の経験が豊富な人から、絹本さんのように初心者からスタートした人もいる構成になりましたけど、選ばれたときは率直にどう思いました?

絹本:どうして自分なんだろうって。ギターを始めてから選抜されるまでに3ヶ月も経っていなかったし、エレキ・ギターで選ばれたほかのふたり(手塚愛乃、HANNA)は経験者だったので、ついていけるのかなって心配で。9人組ということで、グループの8人にもついていけるのかっていう不安もずっとありましたし、何日も考え込んでました......。初心者が選ばれていいのかなぁ......と。でも今は、こんな自分でもできるんだぞっていうところを見せつけられるように、頑張りたいなっていう気持ちです。

松本:私は素直に嬉しかったですね。ヴォーカルだけでなくドラムも志望していたので、発表のときは"どっちかがダメでもまだチャンスがある"っていう気持ちがあったんです。最初にドラムから発表だったんですけど"森 ふた葉"って名前が呼ばれて、残るはヴォーカルしかないってドキドキしていました。「憂鬱な空が好きなんだ」の仮歌をヴォーカル・メンバーは全員分録り終わっていたんですけど、レコーディングのときもレッスンのときも、ずっと手塚愛乃と一緒だったんですよ。どっちが選ばれるんかな、どっちも選ばれへんパターンなのかなっていろいろ考えていて。ギター&コーラスの発表で手塚が呼ばれたときに、もしかしたら自分も選ばれるかもしれないっていう気持ちもありながら、ヴォーカルの発表が近づいていくたびに心臓がバクバクしていました(笑)。

森:このバンドは初心者でもOKなので、上手い人が選ばれるというわけでもなくて。だから、ドラム歴は1年って短いんですけど、頑張っていたら可能性はあるのかもしれないなって思っていました。選ばれたときは、不安もあったしプレッシャーもすごくあったんですけど、選ばれたからにはほかのドラムの子のぶんまで背負って頑張らなあかんし、"この子で良かった"って言ってもらえるくらいに頑張ろうっていう気持ちが一番でしたね。

有働:私より歴が長くて技術のあるメンバーもいますし、パフォーマンスが上手いメンバーもいますし、正直選ばれないんじゃないかなって思っていたので、名前を呼ばれても実感がなくて。"GirlsAward"に出て、こうやってお仕事をして、やっと実感が出てきている感じです。ふた葉が言っていたとおり、選ばれたからには、選ばれなかった30人分の気持ちを背負って、恥ずかしくないような活動をしていきたいと思っています。

-それぞれに選ばれたときの思いがあったようですけど、選ばれた理由について自分なりに分析はしてました?

有働:今もしている状態です。

-今の考えではどういった感じなんですか?

松本:なになに(笑)?

森:聞きたい(笑)。

有働:なんだろう......。個人的にこういう曲がすごい好きで。ずっとクラシックをやっていたからこういう曲を弾いたことはなかったんですけど、練習していて弾きやすいというか、やっていて楽しいので、そういう部分が......。

-曲との相性というか。

有働:そうですね。

森:めっちゃロック・サウンドという曲でもないし、めっちゃ落ち着いている感じでもない、その中間くらい且つ疾走感のある曲で、私的にはこういう曲がやりたかったんです。ドラムを叩いてみても叩きやすかったから、自分に合っている曲だなっていうのがありました。

絹本:私はバンドの曲を聴いていたことが少なくて、バンドといっても、どんなジャンルがあるのか自体を把握してなかったんです。今回、曲に合ったメンバーが選ばれるということだったので、自分が選ばれて"あ、自分はこういうジャンルが合うのか"ってことは感じましたね。

松本:この曲を初めて聴いたときに、歌詞が自分に当てはまっていると思いましたし、歌もサビは高いんですけど、基本的には歌いやすい曲調だったので、もしかしたら可能性はあるんじゃないかなっていうのは感じていました。分析というよりは"この曲は自分が歌いやすいからありえるんじゃないか"って。だから、少し自信はありましたね。

"ロッカーに何、入れる?"(TOKYO MXにて放送中のレギュラー番組)も拝見したんですけど、ヴォーカルのオーディションを観ていて、松本さんは芯の強い歌声が特徴的だなと思っていました。歌い方や声質が、ポップさもありロック・テイストもあるこの曲と相性ピッタリですよね。みなさんの曲の印象はどうでした?

松本:特別明るいわけでもなく、暗いわけでもなく、その間の曲ですよね。歌詞には私たちの同年代に響くような悩みが表れていて、すごく共感しました。

森:エール・ソングでもないけど、押されるものがあるというか。"アゲていこう!"みたいな歌詞でもないし、"つらいよね"っていう歌詞でもなく、ネガティヴな部分もありつつ背中を押してくれる歌詞とメロディなので、元気を貰える曲だなと思いました。

有働:1回聴いたら耳に残るし、何回聴いても飽きない曲ですよね。

森:うん、中毒性のある曲になっていると思います。

-この曲はドラマの主題歌になっていますけど、歌詞で言うとドラマに寄り添ったものなのか、自分たちのことを歌っているのかなど、どういうふうに捉えていますか?

有働:私たちメンバーにも合うし、ドラマにも合っている歌詞だなと思います。

松本:私も、メンバーに当てはまっているなってすごく思っていて。未完成で、それぞれが悩みを持っている39人全員に当てはまる歌詞だと思うんですよ。それぞれが"ここをこうしたい"、"こうなりたい"っていう夢とか悩みがあるなかで、いいところも悪いところも含めて自分っていうか。メンバーはそれぞれタイプがバラバラなんですけど、見る側からしたらアイドルっぽいかわいい人が好きとか、ハード・ロックっぽい人が好きとか、そういういろんな意見があるんです。そういうなかでそれぞれ感じることもあって、悩みもあって......それを乗り越えていく歌詞なのかなと。

有働:わかる、わかるよ。

絹本:選抜メンバーに選ばれた9人だけを見ても、この人たちの曲だなって。雰囲気が似ている部分があるんですよ。

森:個性とか性格は違うんですけど一体感があるんです。だから曲を演奏するとまとまりのあるいい演奏ができています。曲はみんなに当てはまるんじゃないかなとも思っていて、この年代も、違う年代の方も、それぞれ悩みがあるじゃないですか? それぞれの悩みに寄り添っている歌詞だなと思うので、誰が聴いてもその人の中に入ってくるいい曲だなと思います。