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INTERVIEW

Japanese

フィロソフィーのダンス×ピエール中野(凛として時雨)

2019年04月号掲載

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ファンク、R&Bといったブラック・ミュージックの高い音楽性、メンバーそれぞれの個性的な歌声とクオリティの高いダンスで、シーンで異彩を放ち続ける4人組アイドル・グループ、フィロソフィーのダンス。彼女たちが3rdアルバム『エクセルシオール』を完成させた。今回、本作のリリースを記念し、凛として時雨のドラマーであり、アイドルにも造詣が深いことで知られるピエール中野との座談会を敢行。過去の意外な接点や、各々が思う今後の方向性など、この組み合わせならではの話をたっぷりと語り合ってもらった。

フィロソフィーのダンス:十束 おとは 日向 ハル 奥津 マリリ 佐藤 まりあ
凛として時雨:ピエール中野(Dr)
インタビュアー:宮﨑 大樹 Photo by 上溝恭香

-2月17日にZepp Tokyoで行われた"sora tob sakana presents「天体の音楽会 Vol.2」"で共演していましたが、これが初対面ですか?

中野:絡み自体はそれが最初ですね。もちろん名前も存在も知っていたんだけど、接点が全然なくて。でも"TIF(TOKYO IDOL FESTIVAL)"に大森靖子のバンドで出演したときに、実はライヴを観てるんです。

フィロソフィーのダンス一同:ありがとうございます!

中野:でも"TIF"は出演者数が多いから挨拶とかはできなくて。特に男性は入る隙間がないですし......(笑)。

奥津:たしかに(笑)!

中野:積極的に挨拶したらちょっとヤバい奴になってしまうのでそれだけは避けたい(笑)。ああいうライヴ・イベントで共演したのは"天体の音楽会"が初です。

-中野さんはDJとしての出演でしたよね。

日向:観ました!

中野:でもあのときでは判断しかねるよね。あくまでも転換DJでしたから。

日向:"サカナ繋がり~!"って言ってサカナクション流してて面白かったですよ。

中野:いろいろやってみたんですけど、ああいう現場って難しくて。そのなかでやらなきゃいけないってことで工夫はしたんですけど......。

佐藤:ライヴ前に盛り上げていただいたので、私たちは安心してステージに立つことができました。

中野:一応、関連性のある曲をかけたりしたんですよ。オザケン(小沢健二)の"Stand up, ダンスをしたいのは誰?"っていう一節がある曲(「強い気持ち・強い愛」)とか。

-中野さんはフィロソフィーのダンスのステージはご覧になりましたか?

中野:観ましたよ。"TIF"のときも思ったけど、ちゃんと実力がある人たちだなっていうのと、音楽的にしっかりやっていこうっていうのが固まってるじゃないですか。コンセプトとか、どういうグループでありたいとかが。それをしっかり表現できているグループだなぁと思いましたね。

奥津:嬉しいです。ありがとうございます。

中野:アイドルというカテゴリでやってはいるけど、この先どうなっていくんだろうなっていうのが面白いですね。

奥津:アイドルでやっていくのか、アーティストに転向するのかみたいなことですか?

中野:音楽的に硬派すぎて、"これをどう持っていくんだろう?"みたいな。

十束:"この先どうなっていくんだろう?"みたいなのは私たちもひしひしと感じていて。

中野:音楽的な話で言うと本当に非の打ちどころがないんですよ。そういうふうに作ってるから、加茂(啓太郎/プロデューサー)先生が。

十束:加茂先生(笑)。

中野:音楽的な文句は誰にも言わせないっていう意地がそこには見えていて。それをこれから先どういうふうに持っていくのかなっていうのは観ていて思いますね。あとは僕や周りのミュージシャンがもともと好きだったり、ずっと聴いていたりするのが、Maison book girlとかsora tob sakanaとかの、いわゆる楽曲派と言われている括りだと思うんですけど、それ界隈の人たちから"(フィロソフィーのダンスを)聴いてください"って言われるし、リプライとかもいっぱい来ます。あと、僕はイヤホンがすごく好きなんですよ。"Just ear"っていうオーダーメイドのイヤホンがあるの知ってます?

奥津:初めて聞きました。

中野:自分の耳型をまず取って、さらには音質も自分の好みに合わせて作ってくれるっていうのをソニーが始めていて。そのエンジニアの人から初めてフィロソフィーのダンスを教えてもらったんですよ。"カッコいいから聴いてください"って。

十束:すごーい! そんな人が!

中野:音のプロ中のプロがフィロソフィーのダンスを薦めているっていう。

十束:めっちゃいい話!

中野:そのイヤホンはね、エンジニアの人と一緒に作るんですよ。で、自分で聴きながら"もうちょっと低音をこうしてほしい"とか"ギターのこの成分が痛いんでもうちょっと削ってほしい"とか、そういうのをその場で全部やってくれるんです。そこで調整したやつで、いろんな楽曲を聴いていくなかで"ところで中野さん、このグループ知ってます?"って。

奥津:それって、いつの話ですか?

中野:2~3年前じゃないかな。

日向:結構前だ!

中野:結構早い段階ですね。やっぱり音楽好きなので、そういう会話の繋がりもいっぱいあるんです。要はね、イヤホン好きの人って音楽好きなんですよ。音楽好きだからいろんなものを知っていて。たぶん、お客さんが"この曲でイヤホンを調整したい"って持ってきたときに知ったんだと思う。お客さんが"このグループに合うサウンドのイヤホンを作りたい"って。で、聴いてみて、"音すごいな、誰がやってるんだろう? 加茂さんか!"みたいな。加茂さんもいろんなアイドルをちゃんと観てる人ですけど、あの人はでんぱ組.incにハマってたんですよね。

佐藤:そうです。

中野:で、ガラッと変わって......変わったというか、カミングアウトをしたってことなんだと思うんですけど。いつかの"TIF"とか"夏の魔物"でも加茂さんはちゃんと現場を周って観ていて、音楽に関してももちろんすごく詳しくて、歴史も知ってるし、これからの流れとかもしっかり考えている人で。そういう人がやってるから、こういうグループなんだろうなっていう印象がありましたね。

佐藤:嬉しいです。

奥津:うん。加茂さんも喜びます。