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INTERVIEW

Japanese

霧雨アンダーテイカー

2019年01月号掲載

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Member:ジョシュア・K・キリサメ(Vo) ダニエル・A・ヒサメ(Dr)

Interviewer:高橋 美穂

-あぁ、なるほど! じゃあ3曲目の「Gunpowder Ballad」は......。

ジョシュア:これはもうひとりの主人公、ダグの曲です。

-これ、1曲だけタイプが違いますよね。

ジョシュア:彼はベテランなんですけど、大人だし、酸いも甘いも経験してきて、自分のスタイルもあって、キリルのキラキラしたところに感化されつつ、ミステリアスで掴みどころがない男なんです。そのモヤっとしてるけどカッコいいところを表現したいと思って。「Don't Think Feel So Good!!!」は速くてパンキッシュな曲だと思っていたので、じゃあダグは正反対に打ち込みメインにしようと。そうやって、ふたりのキャラクターが立つように作りました。

-前の2曲が表だとしたら、これは裏というか。バンドのポテンシャルも感じさせてくれる組み合わせになりましたね。

ダニエル:それです(笑)!

ジョシュア:1枚でどこまで振り幅を出せるかって思っていたので。"ここまでできますよ、僕たち!"っていう(笑)。

ダニエル:いろんな世界観に寄り添ったものを出せますよっていう深さを見せたかったんです、この3曲で。

ジョシュア:それに、もっとアニメを好きになってもらうことが一番なので。そうなってくると、キャラクターが正反対のふたりなので、曲も正反対になるんですよね。

-アニメのファンの方も"これはキリルの歌だ"、"これはダグの歌だ"って納得できるというか。

ジョシュア:そうです。だから、振り幅ができていくのも当然なのかもしれないですね。

-この作品に霧雨アンダーテイカーのポテンシャルを授けてもらったというか。

ジョシュア:あぁ、そうかもしれない。アニメがなかったら、この歌詞は書いていないかもしれないですね。材料がいっぱいあって楽しかったですよ。歌詞を書くのがむちゃくちゃ早くなりましたね。

ダニエル:あと、楽しそうに書いてるよね、歌詞を。情景が浮かびやすい歌詞になりました。

ジョシュア:頭の中に絵があって、それを言葉にしていくので。それから韻を踏んだり、適切なワードにしたり、伝えたいことをミックスして作っていくんです。


僕たちがやっていることは、ボーダレスな今の流れの中の必然なのかもしれない


-今までなかった構造のバンドですよね。企画モノとはまた違う、それよりは能動的な感じがするし......。

ジョシュア:ポジションが難しいですよね(笑)。作家さんとかにも近いと思いますし、とはいえバンドで、自分たちの楽曲としてやっているし、だから......隙間産業(笑)?

ダニエル:しかも見た目これですからね(笑)。

ジョシュア:もっと踏み込んだ話をすると、サンライズ音楽出版が自らレーベル"SUNRISE Music Label"を立ち上げて、その第1弾のアーティストが僕たちなんで、"新しいことやろうよ!"っていう気持ちでスタートしているんです。"他にないスタンスでやりたいよね"って話していたので、そこは生きているかもしれないですね。

-バンドとして血が通ってるし、アニメにも血を通わせている、稀有な存在だと思います。

ジョシュア:僕もそうありたいと思っています。作品に寄り添うところが"依頼"っぽくならないように、難しいんですけど、いかに自分たちのアイデンティティとして表現していけるかが大事かなと。今回はうまくできてると思います。これからは困難が待ち受けているかもしれないですけど(笑)。

-"アニメ・ファンとロック・ファンを結びつけたい"みたいな思いはありますか?

ジョシュア:いや、そんな大義はないんです。ただ純粋にこの作品にとってブーストできるものを作りたいし、この作品のファンの方が喜んでくれて、僕たちのことも好きになってくれたらいいなって。"なんとかファン"っていうのは、いよいよボーダレスになってきていると思うんですね。V系のバンドが普通のロック・バンドと気軽に対バンしたり、絶対に交わらなかったアイドルとロック・バンドが対バンするようになったりしているじゃないですか。アニソンのシーンもだいぶボーダレスになってきましたけど、これから寄り添うようになっていくと思うんですよね。"音楽"っていうフィールドで、それぞれのアイデンティティでやっているバンドが、自動的に交わっていくだろうなって感じています。だから僕たちがやっていることも、ボーダレスな今の流れの中の必然なのかもしれない。

-すごく時代的な存在なのかもしれないですね。

ジョシュア:だいたいそういう存在になっちゃうと"早すぎたな"って言われるんだけど(笑)。

-でも、そういう存在がいないと時代は切り拓かれないんで(笑)。CDに入っているオーディオ・コメンタリーでは、おふたり以外のメンバーのキャラクターの濃さも感じましたし、そういったあたりもライヴなどで、これから観られるようになるのかなぁと。

ジョシュア:ちょっと、いろいろやっていきたいと思っています。

ダニエル:こういう立ち位置でこういう活動をしているからこそ、できるライヴの演出がありそうな気がするので。面白いことができそうですね。