Japanese
みのべありさ
2018年08月号掲載
-曲を作るうえで、参考にしたアーティストとかはいましたか?
Avril Lavigneですね。
そうですね。すごくヒットした曲じゃないですか。個人的にはちょっと似ちゃってるから、大丈夫かな? っていう部分もあるんですけど。そこはリスペクトを込めつつ、私らしい曲になればいいかなと思って作りました。
-歌詞は盛り上がるだけじゃなくて、しっかりと意味があるものですよね。
そうですね。私が普段考えてることです。大人に対して、"なんだよ!?"っていうやつです(笑)。平凡な毎日でも、いい意味のトラブルを巻き起こそう、みたいな。そうやって自分で行動したら変わっていくんじゃない? っていうメッセージですね。
-みのべさんの曲作りって"自分探し"が根本にあるから、内省的な曲が多いけれど、この曲に関しては気持ちが外に向いてますよね。
そうなんですよ。最近、伝えたいと思うようになったんです。『Sensation』のときは自分に向けて曲を書いてたんですけど。後輩が増えてきたっていうのもあったりして(笑)、下の子に何かを伝えたいっていうふうに、急に変わってきたんです。でもそれは結局、自分にも言ってるっていう意味だと思うんですよね。
-そういえば、前回のインタビュー(※2017年11月号掲載)では、アルバムを作り終えて、自分の周りにはいい人がいっぱいいることに気づいたって言ってましたよね。
言ってましたね(笑)。そこに気づいたことで、この人たちに何かを伝えようっていうふうに、ちょっと優しくなったのかもしれないです。今までは自分が楽しければ良かったんですけど。やっぱり心境の変化があったんですね。
-"夢を諦めたあなたを見てられないのよ"は、ちょっとドキッとするフレーズでした。
これは言いすぎかなと思って迷った歌詞なんですよ。自分の身近な人に言ってて。それを書いてたときに、いろいろな人に会ってたんです。中には主婦とか、お母さんになった友達もいたりして。"もうこれで落ち着くのかなぁ"って言ってたんですよね、でも、私は平凡だと思う毎日にも何か楽しいことはあるんじゃないかって思いたいんですよ。だから押しつけがましいのは嫌だけど、少しハッとしてもらいたかったというか。
-"大人になりすぎた世間を/壊していくのよ"っていう歌詞もいいです。
私も、ここ好きなんです。
-みのべさんって、昔は尖ってた時期もあったって言ってたから、そういう反骨精神みたいなものが、こういうフレーズに出ちゃうんでしょうね。
そうかも(笑)。学生のときに、音楽をやるのを反対されたんですよ。先生とかに。音楽の世界は難しいからって。でも"それはあなたの物差しだから"って思うんですよね。今やりたいことをやってる自分がいるんだから、そんなことを言う大人には"ほっとけ"って言いたい。たぶん、すごく負けず嫌いなんですよね(笑)。
-わかります(笑)。2曲目はハンドクラップもできる曲ですね。ギターのフレーズもキラキラと鳴っていて、"You are star"というタイトルにもピッタリですし。
宇宙空間みたいですよね。アレンジはギターの人がやってくれるんですけど、私がやりたいと思ってる世界を、より押し広げてくれるんです。
-歌詞は、"あなたのいない未来を/今から想像している"から始まっていて、喪失感のある悲しげな響きだったのですが。
この曲はきっかけがあって。実はお母さんが倒れたんです。そのときに、ふと"お母さんの夢は叶ったのかな?"と思ったんです。それで、自分の憧れの人や尊敬してる人たちって、自分の夢とか目標をちゃんと叶えたのかどうかって、あんまり聞いたことがないなと思ったんです。そういう疑問をそのまま歌詞にした曲ですね。
-"光をくれたあなたに/まだ聞いてないことがあるから"というところですよね。
イメージでは、遠くに光ってる人がいるんですけど、そこに行くことができないっていう。そういう感じですね。一番自分の感情に近いから、誰も聞いてくれなくても、私はこの曲を歌うだろうなって思います。ネガティヴでもないし、ポジティヴでもないし、ただの疑問の歌なんです。答えが出てない曲はあんまり書かないんですけど、この歌があるから、私は救われたところがあるんです。
-「Trouble」と「You are star」は、まったくタイプの違う曲ですけど、どちらも身近な人との出来事や、日常のなかで心が動いた瞬間の歌だなと思いました。
自分の思ったことしか歌いたくないんですよね。嘘が入るのが嫌なんです。自分が思ってないことを書くと、そのうち歌いたくなくなっちゃうので。自分が歌いたい曲を歌いたい。それが原点やなって思います。そこはずっと変わらずにいたいですね。
-わかりました。このシングルをリリースしたあとは、またツアー(8月30日より開催する"みのべありさ 1st Single「Trouble」リリースツアー")を回って、ファイナル(9月23日)は前回と同じく北堀江club vijonでのワンマン・ライヴです。
前と違う感じにやりたいなと思います。もっと外向きを意識してやりたいですね。作るときは自分にわがままでいたいんですけど、ライヴはあまりわがまますぎないように。今回もバンド編成が増えると思いますけど、アコースティックでも、バンドでも、私は私っていうジャンルでやってるので、それで好きになってほしいです。ひとりの力でこれだけやれるんだっていうエンタメを見せたいので。あと、"Trouble"っていうシングルですけど、トラブルはないようにしたいですね(笑)。
-あはははは! そうですね。
実はこの間、ギターの電池が切れて、弦も切れて。そのあとにMCで"『Trouble』のリリース・ツアーをします"って言ってたから、めっちゃ笑われたんです(笑)。
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