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INTERVIEW

Japanese

Ryu Matsuyama

2018年05月号掲載

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Member:Ryu(Pf/Vo) Tsuru(Ba/Cho) Jackson(Dr/Cho)

Interviewer:吉羽 さおり

-今回のアルバムのベースはジャズ系ともまた違って、かなりエフェクティヴなものが多くて、ヘンテコな音色を使っていたりしますよね?

Tsuru:そういうのが旬な時期だったと思うんですよね。その前まではそういう音色はあまり好きではなかったんですけど、このアルバムくらいから、すごい"させるのが楽しい!"ってなっちゃって。入れられるだけ入れてみようみたいな。

Ryu:ビャンビャン(笑)。

Tsuru:ちなみに、音楽やってる人ってオタクっ気があると思うんですけど、いかんせん僕はあまり頭が良くなくて。そのビャンビャンしたエフェクターってすごくたくさん音の種類があるんですよ。400個くらいあって。それを、1から400まで文字で、"こんな感じのビャンビャン"とかを全部メモ帳に書いていくんです(笑)。その中から、"この曲はこのビャンビャンが使えるな"とか。

Ryu:でも基本的に全部ビャンビャンなんだ?

Tsuru:そう。ちょっと、ビービーとかもあるんですけど。

Ryu:スタジオで、ドヤ顔でビャンビャンしてくるからね。

-Ryuさんはどういうルーツがあるんですか。

Ryu:僕は完全に、オルタナと言われているものですね。RADIOHEADが入り口で、そこからSIGUR ROSやMOGWAIとか、当時のオルタナと言われている音楽を聴いてました。でもそれをRyu Matsuyamaで再現しようとはしていないです。いや、再現しようとしているかもしれないですけど、まったくそれができないんです。僕はポップスを書きたいという希望もありますし、それしか書けないので。

-イタリアで生まれ育ったということですが、日本の音楽とはどういう距離感だったんでしょう。

Ryu:聴いてはいましたけど、距離感はすごく遠かったですね。だから本当に失礼な話なんですけど、フェスとかに呼んでもらったときにもわからなくて、あとから調べたりもしましたね。それくらいJ-POPとの距離はすごく遠かったです。いろいろディグっていたはずですけど、やっぱり洋楽の方をディグってしまう、という感じでした。環境も環境でしたしね、ずっとイタリアに住んでいたので。

-日本の音楽やJ-POPは特に、例えばAメロ、Bメロ、サビ......とか、展開の型みたいなものがあったりするけれど、洋楽とはちょっと設定が違う部分もありますよね。

Ryu:今は、頑張って型にハメてます。

-そうなんですね。

Ryu:いわゆる、Aメロ、Bメロ、サビ......とかにはできるだけするようにしてますね。いやらしい言い方ですけど、今は日本をマーケットにしているので、サビ感っていうのは意識して作っていきたいと思っていますし、大事にしていきたいですね。

-それは、自分でソングライティングをするうえではトライな感じですか。

Ryu:昔はそうでしたね。前は書く曲が全部、サビがなかったんです。ずっとAメロとかずっとBメロとか、本当に意味わからない感じで。A、B、C、D、E、F......ってずっと展開していったりとか。最初にTsuruちゃんと出会っているんですけど、その当時は展開がありすぎてよくわからないというのがよくありましたね。

-ふたりは育ってきた音楽が対極ですしね。

Tsuru:やりながら自分たちが困惑するっていうのはあったかな。

Ryu:ここどこだっけ? みたいなね。

Tsuru:どこをどうしたいのか意味がわからないみたいな。困惑して行き着くのが、いつも定食屋で。

Ryu:ご飯を食べるっていう(笑)。

Tsuru:"よくわかんなかったわ"って言いながらね。

Ryu:僕はたぶん、特徴としては型を作らずにやっちゃうので、ある程度型にハメていった方がやりやすいんですよね。

-ある程度型にはハメながらも、これだけ幅広い曲となるのは、3人それぞれに個性があるからこそうまく着地できるのもあるんですかね。

Ryu:ありすぎて困るときもありますけどね。

Tsuru:本当そのビャンビャンにハマってるときは、ひっきりなしにエフェクターをかけてましたし(笑)。

-さすがにメンバーからノーが出ることもあるんですか?

Jackson:単純に音が大きすぎたっていうのはあったけどね。

Ryu:ビャンビャンの上にオクターバーとかつけたりするので、スタジオ内で彼の音しか聞こえないっていう。

Tsuru:そういう時期もあったなぁ(笑)。

Ryu:最近は、オクターバーを切るということができるようになったね。

Tsuru:そうだね。あと最近はビャンビャンをかけっぱなしにしなくなった。アルバムの中の曲でさえも、エフェクトをかけるのはやめようっていうことになってきていて。結局シーズンものでしたね。