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INTERVIEW

Japanese

ザ50回転ズ

2018年01月号掲載

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Member:ダニー(Gt/Vo) ドリー(Ba/Vo) ボギー(Dr/Vo)

Interviewer:岡本 貴之

-そういう歌謡曲もザ50回転ズのルーツにあるんですか?

ダニー:あそこルーツなバンドいます(笑)!?

ドリー&ボギー:ははははは(笑)!

-いや、昭和歌謡的な要素はあるのかなって(笑)。

ダニー:あぁ~。ルーツという意味では僕の出身の徳島県には阿波踊りというルーツがあって、生まれたときからおばあちゃんがテープレコーダーでかけてて、幼稚園から小学校、中学校、高校でも踊るんですけど、それを経ているから民謡感は僕の中にありますね。今回、三味線を弾いたんですけど、練習するときにまず阿波踊りの曲を練習しましたから。それは自然にできるんですよ。だから身についているんですよね。それはロックとかパンクとか以前の阿波人としてのルーツ(笑)。

-1曲目が「Vinyl Change The World」ですけど、みなさんはレコードで音楽を聴いていた世代ではないですよね。

ダニー:まったく違いますね。

ドリー:でも、子供のときの"小学1年生"(雑誌)とかに付録でソノシートがついてましたね。やっぱり親のレコードは家にありましたけど。

ボギー:カセットはよく聴いてたな。

ダニー:ウォークマン世代やな。また、安いウォークマンがモコモコして音が悪いんよなぁ。電池がすぐなくならんように鉛筆で巻くとかやってましたね。そのあとMDが出てきたので、僕らは全然レコード世代ではなくて、音楽をやるようになってからディグるようになって。CDとレコードのどっちか安い方を買うという時代を経て、今はすっかり音楽を聴くのはアナログですね。一時iPodとかでも聴いていたんですけど、MP3じゃないですか? なぜかテンションが上がらないんですよね。おかしいなと。それで同じ音源をレコードで聴いたらブチ上がるんですよ。僕らの音楽を何で聴いてもらってもいいんですが、自分が好きな音楽を聴くときに選ぶ機械はiPodじゃないかもなと。そのあとツアー中はCDプレイヤーを持ち歩くようにしたんですけど、CDプレイヤーで聴いてても、やっぱりCD-Rで聴くとアガらなくなってきてしまって。でも、家でレコードで聴くと"やっぱりええなぁ"ってなるんです。

-じゃあ今はツアーの移動中どうしているんですか?

ダニー:移動中は無音です。

ドリー:(笑)

ダニー:最近、DR.FEELGOODのテープを貰ったんで、そろそろカセット・ウォークマンを導入しようかなと。

ドリー:カセットはめちゃくちゃ音いいですよね。

ダニー:カセットはカーステ(※カー・オーディオ)で聴けるからね。レコードはそうはいかないけど(笑)。でも世代ではないけど、時代の流れもあって僕らもレコードに親しむ機会はありますね。やっぱり音楽をやっていると、職業病的なところもありますよ。"どうせならいい音で聴きたい"っていう。メロディで聴く人、歌詞で聴く人もいていいと思うんですけど、自分たちが楽しむ聴き方としてはレコードを選んでいる感じです。

-この「Vinyl Change The World」と「あの日の空から」がアルバムの中心になっているようにも感じます。メッセージ性があるという意味で。

ダニー:ちょっと心に近い曲というかね。だって「ちんぴら街道」は心の琴線に触れてこないでしょう?

一同:(笑)

ダニー:面白がってやってるだけですもん。

-僕は1stに入っている「乞食の大将」が好きで、ライヴで"やりたいことだけやってきた/あんたにそれができるかよ"っていうフレーズを聴くたびに勇気づけられるんですけど、今回の「あの日の空から」に出てくる語り掛けはそこにも繋がっている部分なのかなって。

ダニー:自分から自分への過去から現在への叱咤というか。そのままの歌詞ですね。

-こういう曲が生まれたのは、ダニーさんの中でどんなきっかけがあったのでしょうか。

ダニー:何かあったんでしょうね。考えながらモノをやっていることだとか。1stを出したときの、勢いとその場の感情だけでぶっ飛ばすステージとは違う、別の場所に立っていることを自覚した何かが。確実に今そう思っているとか意識したわけではないんですけど、そういうことって薄々気づいたりしているものじゃないですか? でもそこから目を背けなかったというか。これは赤裸々に作詞した感じですね。

-「デヴィッド・ボウイをきどって」はドリーさんが作詞作曲とヴォーカルを担当していますね。どんな想いを込めて作った曲ですか。

ドリー:自分はDavid Bowieへの思い入れが強いんです。音楽を聴き始めてから長きにわたって聴いている人でもあるし、亡くなったことを曲にしたかったというのもあるんですけど、自分にとってDavid Bowieのように輝いている人間がいて、そいつのことを歌にできたらなと思って。それでDavid Bowieの名前を使って、みんなにわかるように書いたんです。

-サウンドでスペイシーな感じを出していますね。

ドリー:今回、アナログ・シンセを使いたいっていう話がダニーからあって。イントロでいきなり入ってますけど、この曲に合うんじゃないかなって。David Bowieってやっぱりスペイシーなイメージがあるじゃないですか?

ダニー:時期によっては全然スペイシーじゃないときもあるのに、なんかDavid Bowieを思い浮かべるときって"スペイシー"だよね。

ドリー:やっぱり存在が常に変わっていくスペイシーさというか。ソウル期とか全然そうじゃないんですけど、全体的な彼のキャリアを思い浮かべたときに、あまりにも時代と共に変わっていく様が、まるで宇宙人のようだなっていう気がします。