Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

Skream! 公式X Skream! 公式YouTube Skream! 公式アプリ

INTERVIEW

Japanese

オルターリードコード

2017年07月号掲載

いいね!

Member:大山 亜理沙(Vo/Syn) 宇佐美 秀人(Gt/Cho) 窪田 哲也(Ba/Cho) 神 嗣音(Support Dr)

Interviewer:岡本 貴之

-『gloomy box』を聴くと、変わった展開のアレンジが面白いなと思ったのと、この声は特徴的で、耳に残ってすぐ覚えられるなと思ったんですよ。

大山:あぁ~、ありがとうございます。

-どんな1枚にしようと考えて制作しましたか?

宇佐美:本当はミニ・アルバムにしようと思っていたんですけど、前に作ったCDは納得いかないところが多々あって。だったらフル・アルバムにして、その懸念点を洗いざらい出して、今できることと今頭の中で鳴っているものを全部このアルバムに残そうかなと。今できる等身大の楽曲を全部入れた感じです。

-「PA・PA・RA・PA・PA」(Track.1)は8ビートのストレートな曲かと思いきや、間奏でラテン調に変化するところが面白いですね。こういう曲はどうやって生まれるのでしょう。

宇佐美:曲はコードをなぞって遊んでいるときにメロディが浮かんでくるか、カッコいいなと思うギター・リフからか、どちらかがきっかけでできるんです。感覚のあとに計算があって構築しています。曲は、アレンジも含めて僕が1から10まで作って持っていって、大山に作詞してもらうときには歌を入れて、"このメロディに詞をつけて"って頼むんです。

-じゃあ、宇佐美さんがデモを作ってメンバーに聴かせているんですね。それを聴いて、窪田さんはどうやってベース・ラインを考えるんですか。

窪田:もう付き合いが長いので、"これを欲しがっているのかな"というのも探しつつ、自然と作っていきます。

宇佐美:要求してないけど、"あぁ、それそれ"っていうことは多々ありますね。

-大山さんは歌詞を書くにあたって、テーマを与えられることが多いんですか? それともわりと自由に?

大山:曲名が決まっていることが多いので、そこから連想して書くか、"こういう感じで作って"というふうにテーマがあって書くこともありますね。

-宇佐美さんは、曲を作るときに大山さんのキーとか歌い方を考えて作るわけですか。

宇佐美:初めのころはそれはなかったんですけど、何回かレコーディングしてから思ったのが、大山の声は"タタタタタタ~"みたいな感じの言葉よりも、伸ばす音が武器になるなと思ったんです。最近はそこを意識して作っていますね。

-大山さんの声は何か儚い感じとか懐かしい印象を受けたのですが、宇佐美さん、窪田さんからすると、どんなところが魅力だと思いますか。

窪田:やっぱり煌びやかなのと声の伸びと、セリフみたいなところがあるんですけど、そういうところを歯切れよく力強く歌えるところですね。

宇佐美:自分の曲作りはトリッキーに作ろうとしてしまう癖があって。それを僕が歌うと本当にただの癖の強い曲になっちゃうんですけど、大山はソフトな感じで歌ってくれるので、楽曲のメロディの強いところと柔らかい歌声のパワー・バランスがマッチしているんじゃないかなって思います。

-大山さんが、ヴォーカリストとして"こんなことを表現したい"とか、歌い方でこだわっているところはどんなところですか?

大山:やはり日本語詞なので、歌詞の意味とか言葉が伝わるようには意識していますね。力強い曲が多いので、楽器に負けないように力強いヴォーカルを意識しつつも、うるさくならないように、聴きやすいように歌うことを心掛けています。

-「サマーダンス」(Track.6)のような激しい曲では、ヴォーカルとの兼ね合いはどう考えてアレンジしているんですか?

宇佐美:この曲は、アルバムの中でも一番"トリッキーに作ってやろう"みたいな感じだったんです。Aメロの歌乗せとかがさっき言った"タタタタタタ~"という感じだったので、どうなんだろうって思ったんですけど、録ってみたら自然に聞こえてたし、サビでは持ち味である伸びやかな感じに持っていこうとは思っていたので、その計算ができた曲ですね。

-アルバム・タイトル曲「gloomy box」(Track.2)は、資料に"多くのファンから音源化を望まれていた神曲"とあるんですが、神曲というのはなかなかハードルが高い感じになってますけど。

一同:ははははは!

-それだけ、ライヴでずっとやっていて、ファンの方に曲について聞かれていたっていうことですよね。みなさんにとってどんな曲なんですか?

宇佐美:ライヴが終わって物販に来て、"あの曲はどのCDに入ってますか?"って聞かれることが多かった楽曲なんです。それこそ、この曲も最初は英語詞でやっていて、"なんでこの曲を英語詞でやってるの?"って言われたんです。日本語詞でやった方がいいって気づかせてくれた曲でもあるし、サビが今まで作った曲の中で一番いいんじゃないかなって思うので、思い入れのある曲ですね。

大山:私個人的に好きな曲でもあって。このバンドに入ってから激しめな曲が多かったんですけど、この曲はちょっとJ-POPな感じというか、オルターリードコードとしてこういう曲もできるんだなっていう、自分の中でバンドのイメージが変わった曲ですね。

-バンド結成当初はかなりメロコアな部分が残っていたということですか。

宇佐美:僕と窪田がやってた名残で、2ビートのめっちゃ速い曲とかをやっていたので。それはもう潰したんですけど(笑)、「センチメンタル・ララバイ(gloomy box ver.)」(Track.3)を聴いて、"本当はこっち寄りでやってたんじゃないですか"とか言われることはありますね。