Japanese
HEADLAMP
2017年05月号掲載
Member:平井 一雅(Vo/Gt) 生松 圭悟(Gt) 白石 浩輝(Ba) 武村 奏(Dr)
Interviewer:秦 理絵
-あと「Cherry!Plum!Peach!Apricot!!!」は、タイトルを繰り返すサビとか、コーラスのフレーズがかわいいなと思って聴いてました。
平井:ね、かわいいですよね(笑)。この曲は、もともと桜梅桃李っていう言葉があって、それを英語にしたんです。それぞれの花を咲かせようっていう意味なんですけど。桜梅桃李って言われたらちょっと重いから、それをわかりやすく伝えるにはどうしようかなと思って。英語にして、びっくりマークをつけたら入りやすくなったと思います。
-カップリングの3曲目「空が落ちてくる日」は、ずっとライヴでも歌い続けてる曲だそうですね。ドラマチックなアレンジも効いたエモーショナルな歌モノですが。
平井:この曲は高校を卒業したての18歳のときに書いたんですけど、ただの大切な曲ですね(笑)。書いたときの感情とは、いまはまったく別の気持ちで歌ってます。今回のシングルを作るにあたって、いろんな候補曲も出したんですけど、それがあんまりハマらなくて。「空が落ちてくる日」は音源もないし、お客さんも"どこで聴けるねん?"みたいになってたから、このタイミングで全国流通盤の2枚目に入れられたらと思ったんです。
白石:この曲には思い出がいっぱい詰まってるんですよね。いろんなところでやってきたので。それこそ"閃光ライオット"のステージでもやったんですよ。そのときは、僕らだけ審査委員の選考で上がってなくて、"キモチステージ"っていうところだったので。"やったろかい!"みたいな気持ちもあったので、そういうのも思い出しますね。
生松:閃光のころは10代で、初めて東京にHEADLAMPっていう名前が伝わった瞬間だったんですよね。で、そのときに"好き"って言ってくれた人に、またこの曲を聴いて、自分らのことを思い出してくれたらいいなと思うんです。"いま、どうしたんだろう?"って、昔の友達に会うような感じになったら、この曲が喜ぶんじゃないかなと思います。
-シングルに入れるときに、改めてアレンジはし直したんですか?
平井:ほとんど変わってないです。あんまりリアレンジっていうのは好きじゃないんですよ。やっぱり消えてしまうものがあるような気がして嫌なんですよね。
武村:この曲は、僕が入る前の曲なんです。だから、個人的にはやっと自分のものになったなっていう感じがありますね。アレンジは変えてないですけど、やっぱり人のやつを叩いてるのと、自分のやつを叩いてるのでは違うんです。
-平井さんは、この曲、当時とは違う感じで歌えたって言ってましたけど?
平井:実は、この曲は結構マイナスな曲だと思ってたんですよ。曲を書いたときは、卒業したての年やって。バンドの仲間たちがやめていく、でも俺らはバンドで進んでいくっていうのが、どっちかと言えば、後ろめたい気持ちが大きかったんです。でも、いまは前進の決意の曲になったっていうところは違いますね。
-この曲って世界の終わりの体験をするっていう夢オチの曲じゃないですか。
平井:これは本当にそういう夢を見たんですよ。めっちゃ覚えてるんですけど、金環日食があった日に、朝6時ぐらいにおかんに起こされて。1回家の外に出て、金環日食で町が黄金色というか、昭和の色に染まってるのを見たんです。きれいだけど、ちょっと怖いなと思いながら、二度寝したんですね。そのときに、空がぶわーって落ちてくるのを、大切な人と丘で見て、全員で逃げるっていう夢を見たんです。それで起きたあと、"大切なものって何やったっけ?"とか改めて考えて、泣きながら曲を書いたんです。
-それが高校卒業のときの、バンドを続けるか迷ってる時期とも重なったんですね。
平井:なんか......その夢で決意が固まったんです。自分らは続けていくんだっていうのを。振り返ると、いままで自分はこの曲で何回泣いたんだろうと思うし、友達のバンドが解散するときに見送る曲になったりもしたから、何回この曲で人のことを泣かせただろうって思うんです。きっと自分らの解散ライヴでもやるんだろうなとは思いますね。
武村:50歳ぐらいになったときにね。
平井:その終わる日に思い出話をできたらいいなと思います。
-なるほど。まさに今回はHEADLAMPの原点が詰まったシングルになったんですね。
平井:これを聴いて元気になってもらえたらと思います。"俺らも頑張ってるから、お前らも頑張ればいいんじゃないの?"っていう、友達みたいなバンドでいたいんです。
-シングルのリリース後には東名阪の"アオハルロンド ツアー 2017"がありますけども。新たな一歩を踏み出すようなツアーになるんじゃないかと思います。
平井:そうですね。O-Crestは東京で言うと、登竜門みたいなハコじゃないですか。だから、俺らは最初ビビッてたんですよ。他のライヴハウスとは一線を引いてる気がして。東京にも好きなライヴハウスはたくさんあるんですけど、その中でも挑戦できるライヴハウスかなと思ってるので。これが終わったら、また次のステージに行きたいですね。
生松:そういう意味では、今回は全部の会場がそうかもしれんな。名古屋のRAD SEVENも、心斎橋OSAKA MUSEも。ここから上がっていける会場だと思うので埋めたいですね。
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